AA Publications

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イギリス・ロンドンの私立建築学校AAスクール(Architectural Association School of Architecture)その学校の出版部門がAA Publicationsです。​

AAスクールは1847年に設立、1901年に​昼間学校としてオープン、1917年に現在のBedford Squareに校舎を構えました。レム=コールハースやザハ=ハディド、アーキグラムメンバーたちやリチャード=ロジャースもこの学校の卒業生でした。

AA Publicationsは年間8〜10タイトル、建築やランドスケープ、都市計画などに関する良質な書籍を出版してきています。​

1981年以降、年2回刊行されるAAスクールのジャーナル・AA Filesは、編集長・トーマス=ウィーバーのもと、建築に関する独創性の高い魅力あふれる記述を掲載。

アカデミックなリサーチ/講義プログラム/展覧会やイベントといったAAスクールの取り組みにフォーカスするのと同時に、世界的にも引けを取らない建築に関する学識が満載です。

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このAA Publicationsの特集が決まりました。8月末頃のスタートを予定しています。

http://www.aaschool.ac.uk/PUBLIC/AAPUBLICATIONS/

MEDIA:web magazine

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ウェブマガジンCONTRAST MAG.に、Steidl特集について掲載されました。

出版社が歩んできた歴史的背景をひもときながら、​各方面から信頼を得ている高い印刷技術の特色についてふれています。

特集とあわせてぜひご覧下さい。​

In stock now

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好評につき店頭で完売していたタイトルが追加で入荷しました。​

左より
イギリスの出版社・MACK創始者の​Michael Mack氏がディレクターを務めていたレーベル[SteidlMACK]のタイトルのひとつ[MEC,]。
Robert Frankがイヌイット居住地区を訪れた際にその特徴的な風土を印象的に捉えた[Pangnirtung]。

​ぜひ店頭でご覧下さい。​

From Craft to Art / Robert Doisneau

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代表作「パリ市庁舎前のキス」やピカソのポートレイトなどで知られる、Robert Doisneau(ロベール=ドアノー)。 昨年、生誕100年を記念した展覧会が開催されていたことも記憶に新しいことでしょう。

労働階級の家庭に生まれ生粋の職人気質をもちあわせた彼は、その時代を生きる
人々のありふれた日常を見つめ続けてきました。
質素な建築物がたたずむ郊外の景色。
俯瞰的な視点から切り取ったパリの街並。
絶妙な距離感でおさめたポートレイト。
こうした何気ない情景を、ユーモアを添えて視覚的にもドラマチックにあらわす
ことに長けた稀有なフォトグラファーとして、写真史にその名を刻んでいます。
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当時のパリの風情がありありと伝わってくる写真は、 そこに長年の間拠点をおき、その空気を肌で感じながら気の赴くままにシャッ ターを切り続けた彼だからこそ捉えられるもの。 ヒューマニズム写真家と称されるDoisneau。 人間味あふれる写真は、彼の人柄そのものを表しています。

  • Text by Jean-François Chevrier and Agnès Sire
    Tritone plates throughout
  • 224 pages
  • 17 cm x 24 cm
  • Hardcover
  • [Los Alamos Revisited] William Eggleston

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    1965年から74年にかけて、写真家・William Eggleston(ウィリアム=エグルストン)は キュレーター・Walter Hopps(ウォルター=ホップス)の運転する車でアメリカ国内を共に旅してまわりました。 この道中で撮られた写真は編集され、アーティストプルーフ3部・エディション総数5部という極めて少部数、 かつダイトランスファー・プリント付きという豪華な仕様のポートフォリオブックとなり、またこれに加えて13枚のダイトランスファー・プリントがリリースされました。

    Hoppsは展望として[Los Alamos]シリーズの包括的な展覧会を計画していたのですが、 結局のところ実現に至ることはなく、 やがてこのネガの大半はお蔵入りとなります。

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    時がたち、2005年にHoppsが他界した後、彼の妻・Carolineが#83と記された箱を発見しました。その中には行方不明になったネガと、[Lost and Found Los Alamos]と呼ばれる手製の説明書がまとめて保管されていたのです。 こうして全て揃ったネガを改めて見返し、ついにコンプリート・セットが完成しました。

    この3巻セットのシリーズは、ヴィンテージ加工を施したような褪せた色合いを施した装幀が独特の風情を漂わせています。ブックカバー3色のもとになったのでは?と思われるショットが本書に収録されているのも見逃せません。長年のあいだ人目に触れずにいたにもかかわらず、Egglestonの捉える世界は現代を生きる私たちの琴線にもふれるものばかり。

    Egglestonの写真集は数多く存在しますが、これだけ多くのビジュアルで構成され、 かつ大判の判型をしたものは類をみないのではないでしょうか。

    [Los Alamos Revisited] William Eggleston

    Vol. 1: 192 pages / Vol. 2: 168 pages /Vol. 3: 228 pages
    3 volumes
    32 cm x 31.5 cm ​

    new arrival

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    本日、ドイツのSteidlより追加タイトルが入荷しました。​

    新しい4タイトルに加えて、店頭で在庫のなくなっていたタイトルも追加で入荷しています。​また、出版社で在庫が少なくなっているBruce Davidson [BLACK & WHITE] William Eggleston [Los Alamos revisted]も届きました。

    左上より​

    BLUMEN / ​Collier Schorr

    BLACK & WHITE /Bruce Davidson

    Nationalgalerie / Thomas Demand

    Birds / Jim Dine

    LITTLE BLACK JACKET / Karl Lagerfeld and Carine Roitfeld

    Los Alamos revisted / William Eggleston

    A Message for You ​/ Guy Bourdin

    Valencia ​/ Robert Frank

    [Exhibition]

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    4/27より、併設のギャラリーでは写真家・松田有加里の写真展がスタートします。

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    写真家・松田有加里は、長い年月を経てその役割を終えつつある建造物などを被写体として単なる哀愁とも違う、被写体に向けられた敬意を感じさせる詩的な作品を発表しています。
    本展は2003年から撮影されたフランスと日本を舞台に撮影された銀塩写真で構成される写真展です。

    松田有加里 
    PIANO、ORGAN の講師、演奏家を経て2003~2009に京都造形芸術大学にて写真を学ぶ。
    2010年より国内外のギャラリーにて個展を開催。http://www.yukari-matsuda.com/

    ​また、今回の展覧会と同タイトルの写真集「FANTASIA]も会場で販売します。

    音楽を学んで来た彼女らしい、詩的で静謐な写真を会場でぜひご覧ください。

    Fantasia

    4/27 Sat - 5/12 Sun   12:00-20:00 
    月曜休​

    [Steidl] Shopping bag is just arrived!

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    Steidlのショッピングバッグが到着。​早速店頭で展開しています。

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    今回のテーマカラーは、歴史ある出版社の風格がただようような落ち着きのある赤茶。輪郭線でのデザインをほどこした面と、反対側には特集で取扱うタイトルの一部がリストアップされています。

    販売価格:840円(税込)

    new arrivals next week

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    23日の火曜日に、またSteidlから新しい本が入荷することになりました。​

    今回は4タイトル。​

    左より

    Robert Doisneau : FROM CRAFT TO ART

    Robert Adams : Tree Line Hasselbrad Award 2009

    Donald Judd ​

    Harry Callahan : SEVEN COLLAGES

    また今回の入荷に合わせて、店頭で在庫のなくなっていたSaul Leiterの作品集やKarl Lagerfeldの[LITTLE BLACK JACKET]、Thomas Demandの[Nationalgalerie]も入荷します。

    [Park/Sleep] Robert Frank

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    言わずと知れた代表作[The Americans]をはじめ、20世紀のアメリカ写真界を牽引してきたRobert Frankも、
    STEIDLに絶大なる信頼を置く写真家のひとり。
    彼もまた、長らく絶版となっていたタイトルの再版や往年の作品をもとにした写真集など、
    その多くをSTEIDLから出版しています。

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    2010年以降、Frankはビジュアルダイアリーのシリーズを展開しています。 これまで[Tal Uf Tal Ab](2010年)、[You Would](2012年)をリリースし、いずれも好評を博していましたが、 これを踏まえて今年3月にリリースされたのが、第3弾の[Park/Sleep]。 スリップケースに収められたソフトカバーの本書には、おなじみのコラージュや新旧のスナップショットを織り交ぜながら、 所々に会話の断片や本人の内心を書き留めたような散文がちりばめられています。

    ポートレイトのなかには、STEIDL創始者・Gerhard Steidlや、 本書の共編者でありニューヨークを拠点に活動する日本人フォトグラファー・A- chan(アーチャン)など、 彼とも身近な人物の姿がたびたび見かけられます。 テーマ性の高い他のタイトルと比べると、Frankの見たものや感じたことがより伸びやかに表現されていて、 観る側も肩肘張らずにページをめくっていけるようなゆるやかな魅力があります。

    • text by Robert Frank

      Book design by Robert Frank, A-chan and Gerhard Steidl

    • 72 pages
    • 20.5 cm x 25 cm
    • Tritone and four-colour process Otabind softcover, housed in a slipcase

    [The Mill] Matthias Schaller

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    「重要な作品が生み出される場所は、いつだってわたしたちを魅了する。もしだれかがそうした特別な場所へ足を踏み入れたら、すぐさまその人物の手がかりや、そこをまとう偉大さを探しまわることになる。」(Andreas Beyer)​

    アトリエには、スペースのプロフェッショナルである建築家の設計した建物やスタイリストが設えたコーディネートとはひと味違った、長い年月をそこで過ごす事でしか生まれてこない味わいがあります。歳月とともにアーティストたちの感性がちりばめられていった特別な場所に魅力を感じる人も多いのではないでしょうか?​​

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    本書は、ドイツ現代写真の基礎を築いたベッヒャー夫妻の生活と制作の拠点を捉えた写真集。彼らは1961年から2003年のあいだ、ドイツ・デュッセルドルフのKaiserwerthに位置する元々は紙の断裁所だった建物をアトリエとして過ごしていました。写真家・Matthias P. Schallerが2001年2月から2002年9月のあいだに訪れて撮った写真で構成されています。

    白を基調とした空間に黒と茶系の落ち着いた色合いの什器が置かれ、保存用の箱や小物には以外にもグリーンやオレンジのものが使われています。​適度に整頓され、緩やかなルールで統一された空間は秩序を感じる引き締まった印象で、まさにベッヒャー夫妻らしい設え。

    コンテンツに加えて端正なブックデザインと美しい印刷が秀逸なこの写真集、まさにSteidlにしか作れない一冊です。

    Matthias Schaller [ The Mill]

    Essay by Thomas Weski
    120 pages, 55 colour plates
    29 cm x 23.5 cm
    Hardcover with dust jacket

    ​2009年ドイツ写真集賞金賞受賞

    Saul Leiter [Early Color]

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    1950-60年代にニューヨークで展開された、詩人・画家・ダンサー・ミュージシャンなどのあらゆる表現者によるグループ[New York School] は、アクションペンティングや抽象表現主義、ジャズミュージックや実験音楽などという新しい文化を生み出しました。 このNew York Schoolに貢献したことや、EsquireやHarper's bazaar、Vogueと いった雑誌を手がけたファッションフォトグラファーとして知られるSaul Leiter(ソール=ライター)。

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    当初は画家を志しニューヨークへとわたりましたが、そこで幸運にも抽象表現主義画家・Richard Pousette-Dart(リチャード=ポウセットダート)と出会い、 次第に写真家としての才能を開花させていきます。 そのひとつとして、1948年にいち早くカラー写真での試みをあらわしていくことになります。 その類稀な表現に注目したアメリカの写真家・画家・キュレーターであるEdward Steichen(エドワード=スタイケン)が、 1953年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)でライターのカラー写真作品の展覧会を開催したことはあまり知られていません。

    本書[Early Color]では、初めてこれらの一連の作品がよみがえることになりました。 抽象的なフォルムやラディカルで革新的な構成は、当時のカラー写真特有の低彩度の色合いともあいまって、 写真家と画家の両方として制作を重ねてきたライターだからこそなし得る独特な世界観を繰り広げています。

    ​introduction by Martin Harrison
    168 pages, 100 colour plates
    20 cm x 20 cm
    Clothbound hardcover with dust jacket

    New arrivals next week

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    現在特集中のSTEIDL、来週に新しいタイトルが入荷します。

    ベッヒャー夫妻のアトリエを撮影したThe Mill、Robert Frankの最新作[PARK/SLEEP]や、Roni Hornの作品集[bird]、Jim Dineの写真作品集、Bruce DavidsonとGordon Parksの​大型作品集まで、約10タイトルが新しく並びます。

    左上より

    [The Mill] by Matthias Schaller
    [Park / Sleep] by Robert Frank
    [bird] by Roni Horn
    [Outside Inside] by Bruce Davidson
    [Early Color] by Saul Leiter
    [Wilmot] by Susan Paulsen
    [Birds] by Jim Dine
    [Collected Works] by Gordon Parks
    [Mary Ellen Carroll] by Mary Ellen Carroll

    店頭で在庫の少なくなっていたタイトルも合わせて再入荷、10日頃から店頭に並ぶ予定です。​

    Beuys Book

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    世界的にも著名なフォトグラファーの錚々たる写真集のラインナップで知られる STEIDLですが、 なかには現代美術に関連するタイトルも展開しています。

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    現代美術作家・Joseph Beuys(ヨーゼフ・ボイス)。 パフォーマンスアートをはじめ、彫刻やインスタレーション、ドローイングなどの作品を手がけていましたが、次第にその表現を「社会彫刻」へと発展させていきます。 現代美術史の礎を築き、のちにあらゆるアーティストへ多大な影響を及ぼすこととなったボイス自身にフォーカスをあてた写真集がSTEIDLよりリリースされました。

    ボイスの写真を撮りつづけることを許された数少ない人物とは、グラフィック アーティスト・Klaus Staeckと出版社STEIDLの創始者・Gerhard Steidlのコンビ。彼らは1970年からボイスの他界する1986年にかけて、彼のパフォーマンスのようすや制作風景、 またオフの一面にまで迫り、活躍する姿を追い続けてきました。 700ページを超えるフルボリュームで編集された本書からは、多岐にわたる活動を展開し、その動向に目を注がれてきた唯一無二のパーソナリティを感じとれます。

    Klaus Staeck and Gerhard Steidl

    Beuys Book

    Text by Erhard Kluge | Book design by Klaus Staeck, Gerhard Steidl and Duncan Whyte | 455 photographs | 736 pages | 16.5 cm x 24 cm | Clothbound hardcover with foil embossing |

    [NAZRAELI PRESS]

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    POSTでの特集、新しい出版社が決定しました。アメリカのNAZRAELI PRESSです。​

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    Nazraeli Press
    Chris Pichler(クリス・ピヒラー)が創業した写真集の出版社。
    創立当初はヨーロッパを拠点としていたが、後にアメリカへ移転。
    現在はオレゴン州ポートランドを拠点とする。

    印象深い装幀で仕上げられた精巧で美しく、品のある質の高い本を1000~2000部程度と少部数で出版することで知られている。
    またアーティストの選定に関しては、その主題や国籍などではなく、なによりも美的感覚を重視しており、そのタイトルは著名な写真家からまだ一般的には知られていない写真家まで幅広いラインナップを擁する。

    基本的にはいわゆる「書籍」の体裁での表現がもっとも作品が映えると考えており、奇を衒った装幀や素材により本来の作品が埋もれてしまうことを避ける一方、
    ときにその作品の世界観を表現するのに必要であれば、既存の自由度の高い製本を採用することもある。

    <Artists>
    Stephen Shore
    Robert Adams
    John Gossage
    Todd Hide
    Michael Kenna
    Terri Weifenbach

    彼の妻が日本人ということもあり、日本人写真家の写真集を多く出版している。
    森山大道/畠山直哉/オノデラユキ/鈴木理策/やなぎみわ/米田知子 など

    2000年よりスタートしたシリーズ[one picture books]は、
    毎年2回、500部限定で発行されており、現在80巻まで刊行。
    60ページ編成の写真集の最終ページには、写真家のオリジナルサインとNo.の記されたプリントを収録。
    収集しやすく気軽に入手できる手頃さは、「すべてのひとたちがオリジナルのアートワークを購入することができるべきである」というPichlerの信念を継承したものであり、まさに「本を大衆芸術にする」という試みのあらわれである。

    ​特集は7月中旬頃のスタート予定です。

    NAZRAELI PRESS  http://www.nazraeli.com/

    [William Eggleston Before Color]

    Added on by Yusuke Nakajima.

    William EgglestonはSteidlの本作りに全面的な信頼を寄せ、多くの作品集をSteidlから出版している写真家の一人。​

    1970年代に「ニューカラー」というムーブメントをおこし、現代写真史の礎を築 いたアメリカの写真家・William Eggleston(ウィリアム・エグルストン)。 鮮やかで力強いカラー写真が代名詞である彼が、実は初期にモノクロ写真を撮っ ていたことは意外と知られていません。

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    [Before Color]は、1950年代後半から60年代のあいだ35mmフィルムで撮影されたエグルストンのモノクロ写真集。 スーパーマーケットやダイナーなど、その当時の何気ない日常の風景を映し出しています。 まさにアメリカドリームを彷彿させる情景は、 Kodak社のコーポレートカラーを踏襲するようなブックカバーの色どりもあいまって、 時が経っても色あせることない力強さでもって現代を生きる私たちを魅了し続けます。

    50年の時を経て、彼の暗室から発見されたヴィンテージプリントをもとに構成された本書はそれらには色こそないものの、エグルストンらしさが存分に伝わってくる作品が 印象的。 ファンならずとも必見です。

    ​William Eggleston Before Color

    With an Essay by Dave Hickey

    152 Quadratone plates

    200 pages

    22.5 cm x 25.5 cm

    [How to make a book with Steidl]

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    2009年から2010年にかけて、ゲルハルト・シュタイデルに密着し、彼がどのように本を作っているのかを追ったドキュメンタリー[How to make a book with Steidl]。

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    「ここは私にとって出版社と言うより作品を作り上げるための研究室のような場所だ」

    冒頭のマーティン・パーとの会話に出てくる言葉を表すように、会社の中では白衣を着て仕事をするシュタイデルですが、世界各国のアーティストたちの本を制作している彼は、世界中を旅して自ら作家の元に赴き、本の制作を進めて行きます。

    この映画では​ジョエル・スタンフィールドやロバート・フランク、エド・ルシェやジェフ・ウォール、カール・ラガーフェルド、ロバート・アダムスなど、それぞれアーティストとのやりとりを通じ、シュタイデルがどのように本を作りあげて行くのが描き出されています。

    時には編集者として意見を交わし、ある時にはアートディレクターとして装丁を提案、さらに印刷所として的確な印刷方法を選び、出版社として発行数を決める。本をつくる工程を全て一括して行い、妥協をせず、徹底した姿勢で本を作るシュタイデルをアーティストたちが心から信頼し、共同で本をつくる事を楽しんでいる様子が映されています。

    「この10年で最も重要な出版社」と言われるSteidlがどのように築かれたのか、本当に良い本とは何か、「世界一美しい本を作る」シュタイデルの仕事を通してそれを見事に描き出したこのドキュメンタリー、日本では今年の秋にイメージフォーラムで公開予定です。

    How to make a book with Steidl

    2010年制作 90分 ドキュメンタリー​

    登場人物:ゲルハルト・シュタイデル ​ジョエル・スタンフィールド ロバート・フランク エド・ルシェ ジェフ・ウォール カール・ラガーフェルド ロバート・アダムス 他多数

    [ Södrakull Frösakull]

    Added on by Yusuke Nakajima.

    Steidlから出版されている[Södrakull Frösakull  by Mikael Olsson]、この本は家具デザイナー/建築家、ブルーノ・マットソンのサマーハウスの写真集。

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    ブルーノ・マットソンはスウェーデンを代表するデザイナーで、彼が1930年代から40年代にかけてデザインしたシンプルでエレガント​なプロダクトは今も世界的な評価を得ています。

    そのマットソンがサマーハウスとして立てた建築をMikael Olssonが撮影。光の取り込み方が印象的な室内や、シンプルで機能的な造作など、そこに住まれる事によって醸し出された空間の魅力を捉えた、気持ち良い写真が収録されています。

    撮影をしているMikael Olsson、彼は建築を学んだのちに写真​と映像を学び、現在はスウェーデンを拠点に写真家として活動しています。この空間の魅力を余す事なく捉える事ができているのは、彼が建築を専攻していた事も大きいでしょう。

    写真集として、マットソンの建築を見る本として、2つの側面から楽しめるこの本、店頭でぜひご覧ください。

    Södrakull Frösakull ​

    25cm x 26cm

    ハードカバー​

    208ページ 84カラー図版​

    [New title]

    Added on by Yusuke Nakajima.

    現在特集中のSteidlより、間もなく追加タイトルが届きます。​

    そのうちの1冊、Anders PetersenのCity Diary。

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    この本は、昨年の10月に開催されたParis Photoで催されたApertureが主宰するPhoto Book Award 2012の最優秀賞​The Photobook of the Yearを受賞したタイトル。

    ストックホルムや東京、サンクトペテルブルグ​などの大都市で撮影され、ドラッグ中毒者や売春婦など、都市の闇に生きる人たちを被写体にした3冊組の写真集。

    ドキュメンタリーというよりも彼らの日常に入り込んだかのような距離感のAndersらしいアプローチで撮影された写真を収録しています。

    ​既に絶版となっているこの本ですが、次回の追加タイトルで少部数入荷する事になりました。

    ​入荷は4月中旬の予定、ぜひ店頭でご覧ください。

    [Exhibition]

    Added on by Yusuke Nakajima.

    本日より、併設のギャラリーでドイツの写真家Anne Schwalbeの展覧会がスタートしました。

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    アンネはオランダ・アムステルダムの写真美術館「Foam Museum」やベルリンのインディペンデント・ブックショップ「Motto」で個展を開催するなど、近年注目の写真家です。その静謐な作品性を印刷物に落とし込むかのような作品集を自ら制作し、「Offprint」(パリ)や「Self Publish, Be Happy」(ロンドン)をはじめとするブックフェアや展示に参加し、2010 年に出版した「Blindschleiche und Riesenblatt」は、同年のベストブックとして「Photo-Eye」に選出されるなど、独自の世界観でヨーロッパでの人気を博しています。
    展覧会のタイトルでもある「Alles(アレス)」は英語の「All」を意味し、ランドスケープと日常の一瞬一瞬が丁寧に綴られる「Blindschleiche und Riesenblatt」(2010)、自宅周辺の草地を何年にも渡り撮り続けた「Wiese」(2011)、鉱物や砂などの有機的モチーフを中心とした最新作「Vulkan oder Stein」(2012)を元に、まさに彼女のこれまでの作品すべてから再構成された展示となります。

    彼女の最新作品集「Vulkan oder Stein」に加え、これまでに出版​されすでに在庫が希少となっている「Blindschleiche und Riesenblatt」「Wiese」、それぞれのデラックスエディションもご用意しました。(在庫がなくなり次第終了)

    また、この展覧会に合わせて京都の古書店[Books and Things]の協力のもと、約160冊のビンテージ写真集も並んでいます。​

    いま世界中から注目を集める都市・ベルリンから発信される期待のアーティストであるアンネの初個展を、ぜひご高覧下さい。​

    ​会期:2013 年3 月23 日(土)- 4 月7 日(日)
    オープニングレセプション:3 月23 日(土)18:00 – 20:00
    ブックサイニング:3 月30 日(土)15:00 – 18:00
    場所:POST (limArt Co.ltd)
    〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
    時間:12:00 – 20:00 月曜定休 電話:03-3713-8670
    企画:twelvebooks www.twelve-books.com
    協賛:Goethe-Institut


    アーティストプロフィール
    Anne Schwalbe(アンネ シュヴァルベ)
    1974 年ベルリン生まれ。2000 年頃から写真家として活動を始め、主な個展に「Blindschleiche und Riesenblatt」(FoamAmsterdam/2011 年)。丁寧に作られた作品集が注目され、「Self Publish, Be Happy」展(The photographers’ Gallery、ロンドン/2010 年)に参加する等、ヨーロッパを中心に活動の幅を広げる注目の写真家。作品集に「Blindschleiche undRiesenblatt」(2010 年)、「Wiese」(2011 年)、「Vulkan oder Stein」(2012 年)がある。www.anneschwalbe.de