代表作「パリ市庁舎前のキス」やピカソのポートレイトなどで知られる、Robert Doisneau(ロベール=ドアノー)。 昨年、生誕100年を記念した展覧会が開催されていたことも記憶に新しいことでしょう。
労働階級の家庭に生まれ生粋の職人気質をもちあわせた彼は、その時代を生きる 人々のありふれた日常を見つめ続けてきました。 質素な建築物がたたずむ郊外の景色。 俯瞰的な視点から切り取ったパリの街並。 絶妙な距離感でおさめたポートレイト。 こうした何気ない情景を、ユーモアを添えて視覚的にもドラマチックにあらわす ことに長けた稀有なフォトグラファーとして、写真史にその名を刻んでいます。
当時のパリの風情がありありと伝わってくる写真は、 そこに長年の間拠点をおき、その空気を肌で感じながら気の赴くままにシャッ ターを切り続けた彼だからこそ捉えられるもの。 ヒューマニズム写真家と称されるDoisneau。 人間味あふれる写真は、彼の人柄そのものを表しています。
Tritone plates throughout