1950-60年代にニューヨークで展開された、詩人・画家・ダンサー・ミュージシャンなどのあらゆる表現者によるグループ[New York School] は、アクションペンティングや抽象表現主義、ジャズミュージックや実験音楽などという新しい文化を生み出しました。 このNew York Schoolに貢献したことや、EsquireやHarper's bazaar、Vogueと いった雑誌を手がけたファッションフォトグラファーとして知られるSaul Leiter(ソール=ライター)。
当初は画家を志しニューヨークへとわたりましたが、そこで幸運にも抽象表現主義画家・Richard Pousette-Dart(リチャード=ポウセットダート)と出会い、 次第に写真家としての才能を開花させていきます。 そのひとつとして、1948年にいち早くカラー写真での試みをあらわしていくことになります。 その類稀な表現に注目したアメリカの写真家・画家・キュレーターであるEdward Steichen(エドワード=スタイケン)が、 1953年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)でライターのカラー写真作品の展覧会を開催したことはあまり知られていません。
本書[Early Color]では、初めてこれらの一連の作品がよみがえることになりました。 抽象的なフォルムやラディカルで革新的な構成は、当時のカラー写真特有の低彩度の色合いともあいまって、 写真家と画家の両方として制作を重ねてきたライターだからこそなし得る独特な世界観を繰り広げています。
introduction by Martin Harrison
168 pages, 100 colour plates
20 cm
x
20 cm
Clothbound hardcover with dust jacket