One and three books 「一つと三つの書物」
One and three books、本日発売になりました。
JAGDA新人賞展での会場先行販売をスタート。
その後全国の書店でもお取り扱いいただきます。
One and three books
A5変型 206ページ
部数 初版2,000部
定価 本体2,500 円+ 税
ISBN 978-4-9907173-0-8
「One and three books 一つと三つの書物」
現代のグラフィックデザイナーたちの実践現場は、商業デザイン、文化的デザイン、展覧会のプロジェクト、自主制作、グラフィックデザイン教育、執 筆など、時代と共にその職能領域や分野を変化させ、今なお拡張し続けています。
3部の構成からなる本書は、2013年度にJAGDA新人賞を受賞した3人(田中義久、平野篤史、宮田裕美詠)の若いデザイナーたちのあり のままの姿に焦点をあて、3人の3通りの生き方を同時並列的に取りあげることで、現在のグラフィックデザインの様式、潮流を検証し、時代の変 遷に合わせてその定義をつねに変化/拡張してきた「グラフィックデザイン」という職能、それ自体の定義について問いかけていきます。
さらに、現代を生きるデザイナーたちの姿を通じて、「今の時代に何を考え、社会に対してどう関わり、生きていくか」という、グラフィックデザ インの分野を超えた全てのひとに共通する根源的な問いも読者に対して投げかけます。
第1章「グラフィックデザイナーとは何か」
「グラフィックデザイナーとは何か」という問いから出発し,現代を生きる1人の「個」としてのデザイナーの肖像を掘り下げます。
第1章目次
定義 田中義久
仕事と活動 平野篤史
地域性 宮田裕美詠
第2章「媒介者としてのあり方」
「媒介者としてのあり方」をテーマに,何か「と」何か,誰か「と」誰かの間をつなぎ,そこに関係性を構築していく媒介者としてのデザイナー像 に焦点を当てます。
第2章目次
本の物質性 中島佑介 と 田中義久
庭を見る 宮田識 と 平野篤史
印刷の原点 熊倉桂三 と 宮田裕美詠
第3章「共同作業のエクササイズ」
第3部では,3人以上という構成単位,すなわち広い意味での「社会」と向き合うことについて,3人が共同で考えるためのエクササイズを試みています。
付録では、JAGDA会長の浅葉克己氏の寄稿、第1回目のJAGDA新人賞の受賞者葛西薫氏へのインタビューも収録、両氏の文章を通して「新しさはいかに世界に登場するか」というテーマを検証します。
exhibition : Noritake [NEWSLESS PAPER]
イラストレーター、Noritakeによる[NEWSLESS PAPER]はある1日の新聞の中の見出し、写真、広告、テレビ欄などすべての要素を手描きの点と線に描き換えたニュースのない新聞。輪転機で印刷したその新聞を手作業でページを組み、再製本した作品が今回の新しい作品です。
手描きの点と線の羅列がランダムに続くこの本は、作品が描かれていない作品集とも、 使い道のないノートともいえ、その用途の曖昧さの中で、ページをめくる感触、 印刷された点と線を追う感覚が際立っていく楽しみがあります。
あらゆる作品の画像や情報が、画面上で手に入る現代に印刷/製本された物質が放つ 魅力を部分的に際立たせたこの本の佇まいを、より空間的に展開したディスプレイを POSTのギャラリーに期間限定で設けます。
「僕はこの空間に作ったものが取り込まれてしまうことにワクワクしています。
主張するのは、ほどほどに、この空間に、一過性のノイズのようなものを加えて
みたいと思います。」
Noritakeによる実験的な作品と、POSTの空間の相互作用をぜひご覧ください。
NEWSLESS PAPER
2013年6月1日~16日
月曜定休
会期中、NEWSLESS PAPERの販売に合わせ、展示に合わせて制作したオリジナルグッズも合わせて販売します。
Noritake www.noritake.org
NEWSLESS PAPER (BOOK)
3.150 yen(tax-in)
Published & Design by Noritake
Edit by Soichi Suzuki
400pages
W148 × D16 × H210 (mm)
edition fink Book Details
昨日からスタートしたedition finkからは、造本の変わった本がいろいろと出版されています。
この本は、スイスのアーティストAnselm Stalderの作品集。1980年代から活躍し、現在はベルンの美術学校での学長を務めるアーティスト。
彼はペインティングの作品を制作していますが、1990年代からはよりコンセプチュアルなアプローチを試み、近年は言語とペインティングの関連性をテーマにした作品を発表しています。
その彼の作品集は、必然的にテキストが多くなっていますが、テキストの中で出てくる作品は注釈として図版が収録されています。
この本は、その図版の収録の仕方に特徴があります。
テキストページ内に出てくる図版は、すべてその対応するページにカラー印刷の大きな複製が差し込まれているという形式。テキストページでは、通常だと印刷コストの理由などで白黒図版になってしまう事が多く、図版の大きさにも制約が出てきますが、この本は別で印刷したカラー図版を挟み込むという事でその問題点を解決。たくさんの紙がいろいろな所に挟み込まれる事で、本を閉じた時にふくらみができて、本の形にも特徴を与えています。
この本は、スイスの写真学校と一緒に制作した作品集。
現代の写真家やアーティスト、デザイナーなど7人の作品が1冊にまとめられたこの本は、評論、作品ページ、広告の三つのコンテンツがあります。
コンテンツによって紙のサイズを変えているので、本の構成が造本に反映されており、さらにコンテンツそれぞれ、7人の作品に合わせてそれぞれ適正な紙を選択する事が、ページによって紙が違うというブックデザインの特徴を作っています。
それぞれ異なったサイズ、紙を使うという、間違えると乱雑になりかねないこの内容を、簡易的にノリ綴じするというラフな方法をあえて採用する事で、さまざまなコンテンツを収録しながらも1冊の本として統一感の取れた仕上がりに。
この本は、Pascal Schwaighoferの作品集。いくつかのプロジェクトと作品シリーズ、テキストをまとめた本は、それぞれのコンテンツごとに作ったサイズの違う小冊子を中綴じした作り。
1つのフォーマット内に複数のコンテンツをまとめるのではなく、それぞれのコンテンツを見せるための適正紙面サイズを活かす事が、そのまま特徴的な造本になっています。
いずれも特徴的な形の本ですが、奇を衒ったものではなく、内容やコンセプトに沿って作られているので、どの本もしっくりと馴染みの良い本に仕上がっています。
著者であるアーティストと密にコミュニケーションを取りながら、それぞれの内容に合った編集やデザインで本を作るedition finkだからこそできるバランス感覚。ここで紹介した本以外にも面白い作りの本が多数ありますので、ぜひ店頭でご覧になってください。
edition fink
5月21日より、恵比寿のPOSTでは新しい出版社特集がスタートします。
特集10回目は、スイスを拠点にする出版社、[edition fink]を取り扱います。
edition finkはスイスのチューリッヒを拠点とする出版社で、1994年に設立されました。
主にコンテンポラリーアートの作品集や、アーティストブックを出版しています。
著者のアーティストとの密接な共同作業によって1冊の本を作り上げていく事で、
コンセプチュアルで美しい造本、編集の本を出版し続けています。
edition fink
Verlag für zeitgenössische Kunst
www.editionfink.ch
左より
Pascal Schwaighofer [Opayaz] 2012
Zilla Leutenegger [ZILLA] 2004
Daniel Robert Hunziker [ ALWAYS LATE WHERE I'M LIVING] 2008
今回は、最新作から絶版のものまで、約60タイトルが並びます。
これまで日本ではまとめて紹介されることのなかったスイスグラフィックの先端を担うEdition Finkの出版物、店頭でぜひご覧ください。
会期:2013年5月20日(火)~7月上旬(予定)
定休日:毎週月曜日
会場:POST(limArt)
One and three books
「One and three books 一つと三つの書物」を6/4に刊行します。
「One and three books 一つと三つの書物」
現代のグラフィックデザイナーたちの実践現場は、商業デザイン、文化的デザイン、展覧会のプロジェクト、自主制作、グラフィックデザイン教育、執
筆など、時代と共にその職能領域や分野を変化させ、今なお拡張し続けています。
3部の構成からなる本書は、2013年度にJAGDA新人賞を受賞した3人(田中義久、平野篤史、宮田裕美詠)の若いデザイナーたちのあり
のままの姿に焦点をあて、3人の3通りの生き方を同時並列的に取りあげることで、現在のグラフィックデザインの様式、潮流を検証し、時代の変
遷に合わせてその定義をつねに変化/拡張してきた「グラフィックデザイン」という職能、それ自体の定義について問いかけていきます。
さらに、現代を生きるデザイナーたちの姿を通じて、「今の時代に何を考え、社会に対してどう関わり、生きていくか」という、グラフィックデザ
インの分野を超えた全てのひとに共通する根源的な問いも読者に対して投げかけます。
発売は6/4、クリエイションギャラリーG8で開催される「JAGDA新人賞展」会場での先行販売です。
第1章「グラフィックデザイナーとは何か」
「グラフィックデザイナーとは何か」という問いから出発し,現代を生きる1人の「個」としてのデザイナーの肖像を掘り下げます。
第1章目次
定義 田中義久
仕事と活動 平野篤史
地域性 宮田裕美詠
第2章「媒介者としてのあり方」
「媒介者としてのあり方」をテーマに,何か「と」何か,誰か「と」誰かの間をつなぎ,そこに関係性を構築していく媒介者としてのデザイナー像
に焦点を当てます。
第2章目次
本の物質性 中島佑介 と 田中義久
庭を見る 宮田識 と 平野篤史
印刷の原点 熊倉桂三 と 宮田裕美詠
第3章「共同作業のエクササイズ」
第3部では,3人以上という構成単位,すなわち広い意味での「社会」と向き合うことについて,3人が共同で考えるためのエクササイズを試みています。
付録では、JAGDA会長の浅葉克己氏の寄稿、第1回目のJAGDA新人賞の受賞者葛西薫氏へのインタビューも収録、両氏の文章を通して「新しさはいかに世界に登場するか」というテーマを検証します。
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One and three books
A5変型 200ページ
部数 初版2,000部
定価 本体2,500 円+ 税
ISBN 978-4-9907173-0-8
第1章 「グラフィックデザイナーとは何か」
第2章 「媒介者としてのあり方」
中島佑介と田中義久/宮田識と平野篤史/熊倉桂三と宮田裕美詠
第3章 「共同のエクササイズ」
書物のデザイン/展示空間のデザイン/告知物のデザイン
付録 「新しさはいかに世界に登場するか」
浅葉克己(JAGDA会長) 寄稿
葛西薫インタビュー(第1回目のJAGDA新人賞を受賞)
広告 広告主による、グラフィックデザインをテーマにした文章のみで構成した実験的な広告
発行日 2013 年6月4日
企画 田中義久、平野篤史、宮田裕美詠
デザイン 田中義久
編集者 古賀稔章
協力 株式会社竹尾/八紘美術
後援 公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会
発行: 株式会社limArt
プロフィール
田中義久 TANAKA Yoshihisa
1980年静岡県生まれ。2004年武蔵野美術大学卒業。主な受賞に、PromaxBDA Design Global Excellence
Awards銀賞(2012)、red dot award(2010)、PromaxBDA
Asia金賞(2011)など。また飯田竜太(彫刻家)とのアーティストユニット「Nerhol」としても活動中。
平野篤史 HIRANO Atsushi
1978年神奈川県生まれ。2003年多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。MAQ(マック)を経て、2004年ドラフト入社。
2004年TDC賞受賞。
宮田裕美詠 MIYATA Yumiyo
1973年富山県生まれ。富山美術工芸専門学校卒業。クロス勤務を経て、2002年よりフリー。STRIDE主宰。
+
古賀稔章 KOGA Toshiaki
1980年福岡県生まれ。編集者。
東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、同博士課程在籍。ルネサンス・初期近代のタイポグラフィを研究。2004~2009年までデザイン誌
「アイデア」の編集者を務める。現在は、アーティストやデザイナーとの共同作業を通じて、出版物の生産・流通のモデルを再構築する実験的プロジェ
クトを展開している。
第2章対談者略歴
中島佑介/Yusuke Nakajima ―
1981年生まれ,長野県出身。株式会社limArt代表取締役。早稲田大学商学部入学と同時に上京。学生時代にワタリウム美術館の「オンサンデーズ」に
て古書について学ぶ。卒業後の2002年,共同経営者の廣田佐知子とともに早稲田のラ・ガルリ・デ・ナカムラ内に古書 &
インテリアショップ,limArtをオープン。2005年恵比寿にlimArtを移転。2011年代々木VILLAGE内にlimArtの姉妹店
「POST」をオープン。現在,恵比寿の旧limArtの場所に移転したPOSTのブックセレクト及び,ディレクターを務める。
宮田 識/Satoru Miyata ―
1948年千葉県生まれ。1966年神奈川工業高校工芸図案科卒業,日本デザインセンター入社。1978年株式会社宮田識デザイン事務所設立。1989年
株式会社ドラフトに社名変更。東京アートディレクターズクラブ会員。主な受賞に,1969年日宣美奨励賞,1981年朝日広告賞,1982年ADC最高
賞,1987年ADC賞,1988年 ADC賞/朝日広告賞,1992年朝日広告賞,1998年朝日広告賞,2007年日本宣伝賞山名賞,2011年
ADC会員賞がある。
本に関する問い合わせ先
POST/株式会社 limArt
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F
TEL:03-3713-8670
mail:mail@limart.net
Next Feature
5/21、来週の火曜日より新しい出版社の特集がスタートします。
今回はスイスの出版社Edition FInk
Edition Finkは1994年設立の、スイス・チューリッヒを拠点とするインディペンデントな出版社。
アーティストブックやカタログなど、コンテンポラリーアートブックに特化したラインナップを擁しています。アーティストとの密な協力のもとに、書籍のデザインや製作を行っている点が特徴的で、内容に加え、優れたブックデザインがラインナップ。
今回は、現在手に入るタイトルが全て並びます。一部は絶版の書籍もありますので、どうぞお楽しみに。
Steidlの特集は今週一杯になりました。こちらも未見の方はぜひお越し下さい。
[BIRDS] [ENTRADA DRIVE] / Jim Dine
1960年代にアメリカで隆盛したポップアートの代表的なアーティストであるJim Dine(ジム=ダイン)。
一般的には画家として知られていますが、その他にも彫刻・版画・イラスト・パフォーマンス・舞台デザイン・詩など数多くの表現方法があり、そのひとつとして写真を撮っています。
[Entrada Drive]とは、カリフォルニア州・サンタモニカにある地名。
冬の少しの間この地で暮らしていたDineと妻は、その営みのなかで有機的なフォルムをした植物に目を向けていたようです。
生命力あふれる佇まいや彫刻のような確かな存在感を放つようすを、微細な濃淡でもって豊かな表現へと昇華させています。
[Birds]は、Dineの幼少期の経験 ― 突然カラスが話しかけて来たように感じ、恐怖心とともに鳥への興味が募ったというエピソードがもとになっており、この記憶をモノクロ写真の興味深い作品へと一変させています。
ほの暗い空間で鋭利な視線を向ける鳥たちはどこか近寄りがたさを感じさせつつも、いつしか見る側を引きこんでいるから不思議です。
しっとりとした紙質を袋とじ製本した装丁が、趣のある世界観を演出しています。
上段:BIRDS
- 88 pages, 36 tritone plates
- 29.5 cm x 31.5 cm
- Japanese bound, Hardcover, jacket
下段:ENTRADA DRIVE
- 48 pages, 44 tritone plates
- 29.5 cm x 31.5 cm
- Clothbound hardcover with dust jacket
AA Publications
イギリス・ロンドンの私立建築学校AAスクール(Architectural Association School of Architecture)その学校の出版部門がAA Publicationsです。
AAスクールは1847年に設立、1901年に昼間学校としてオープン、1917年に現在のBedford Squareに校舎を構えました。レム=コールハースやザハ=ハディド、アーキグラムメンバーたちやリチャード=ロジャースもこの学校の卒業生でした。
AA Publicationsは年間8〜10タイトル、建築やランドスケープ、都市計画などに関する良質な書籍を出版してきています。
1981年以降、年2回刊行されるAAスクールのジャーナル・AA Filesは、編集長・トーマス=ウィーバーのもと、建築に関する独創性の高い魅力あふれる記述を掲載。
アカデミックなリサーチ/講義プログラム/展覧会やイベントといったAAスクールの取り組みにフォーカスするのと同時に、世界的にも引けを取らない建築に関する学識が満載です。
このAA Publicationsの特集が決まりました。8月末頃のスタートを予定しています。
MEDIA:web magazine
ウェブマガジンCONTRAST MAG.に、Steidl特集について掲載されました。
出版社が歩んできた歴史的背景をひもときながら、各方面から信頼を得ている高い印刷技術の特色についてふれています。
特集とあわせてぜひご覧下さい。
In stock now
好評につき店頭で完売していたタイトルが追加で入荷しました。
左より
イギリスの出版社・MACK創始者のMichael Mack氏がディレクターを務めていたレーベル[SteidlMACK]のタイトルのひとつ[MEC,]。
Robert Frankがイヌイット居住地区を訪れた際にその特徴的な風土を印象的に捉えた[Pangnirtung]。
ぜひ店頭でご覧下さい。
From Craft to Art / Robert Doisneau
代表作「パリ市庁舎前のキス」やピカソのポートレイトなどで知られる、Robert Doisneau(ロベール=ドアノー)。 昨年、生誕100年を記念した展覧会が開催されていたことも記憶に新しいことでしょう。
労働階級の家庭に生まれ生粋の職人気質をもちあわせた彼は、その時代を生きる 人々のありふれた日常を見つめ続けてきました。 質素な建築物がたたずむ郊外の景色。 俯瞰的な視点から切り取ったパリの街並。 絶妙な距離感でおさめたポートレイト。 こうした何気ない情景を、ユーモアを添えて視覚的にもドラマチックにあらわす ことに長けた稀有なフォトグラファーとして、写真史にその名を刻んでいます。
当時のパリの風情がありありと伝わってくる写真は、 そこに長年の間拠点をおき、その空気を肌で感じながら気の赴くままにシャッ ターを切り続けた彼だからこそ捉えられるもの。 ヒューマニズム写真家と称されるDoisneau。 人間味あふれる写真は、彼の人柄そのものを表しています。
Tritone plates throughout
[Los Alamos Revisited] William Eggleston
1965年から74年にかけて、写真家・William Eggleston(ウィリアム=エグルストン)は キュレーター・Walter Hopps(ウォルター=ホップス)の運転する車でアメリカ国内を共に旅してまわりました。 この道中で撮られた写真は編集され、アーティストプルーフ3部・エディション総数5部という極めて少部数、 かつダイトランスファー・プリント付きという豪華な仕様のポートフォリオブックとなり、またこれに加えて13枚のダイトランスファー・プリントがリリースされました。
Hoppsは展望として[Los Alamos]シリーズの包括的な展覧会を計画していたのですが、 結局のところ実現に至ることはなく、 やがてこのネガの大半はお蔵入りとなります。
時がたち、2005年にHoppsが他界した後、彼の妻・Carolineが#83と記された箱を発見しました。その中には行方不明になったネガと、[Lost and Found Los Alamos]と呼ばれる手製の説明書がまとめて保管されていたのです。 こうして全て揃ったネガを改めて見返し、ついにコンプリート・セットが完成しました。
この3巻セットのシリーズは、ヴィンテージ加工を施したような褪せた色合いを施した装幀が独特の風情を漂わせています。ブックカバー3色のもとになったのでは?と思われるショットが本書に収録されているのも見逃せません。長年のあいだ人目に触れずにいたにもかかわらず、Egglestonの捉える世界は現代を生きる私たちの琴線にもふれるものばかり。
Egglestonの写真集は数多く存在しますが、これだけ多くのビジュアルで構成され、 かつ大判の判型をしたものは類をみないのではないでしょうか。
[Los Alamos Revisited] William Eggleston
Vol. 1: 192 pages / Vol. 2: 168 pages /Vol. 3: 228 pages
3 volumes
32 cm
x
31.5 cm
new arrival
本日、ドイツのSteidlより追加タイトルが入荷しました。
新しい4タイトルに加えて、店頭で在庫のなくなっていたタイトルも追加で入荷しています。また、出版社で在庫が少なくなっているBruce Davidson [BLACK & WHITE] William Eggleston [Los Alamos revisted]も届きました。
左上より
BLUMEN / Collier Schorr
BLACK & WHITE /Bruce Davidson
Nationalgalerie / Thomas Demand
Birds / Jim Dine
LITTLE BLACK JACKET / Karl Lagerfeld and Carine Roitfeld
Los Alamos revisted / William Eggleston
A Message for You
/ Guy Bourdin
Valencia / Robert Frank
[Exhibition]
4/27より、併設のギャラリーでは写真家・松田有加里の写真展がスタートします。
写真家・松田有加里は、長い年月を経てその役割を終えつつある建造物などを被写体として単なる哀愁とも違う、被写体に向けられた敬意を感じさせる詩的な作品を発表しています。
本展は2003年から撮影されたフランスと日本を舞台に撮影された銀塩写真で構成される写真展です。
松田有加里
PIANO、ORGAN の講師、演奏家を経て2003~2009に京都造形芸術大学にて写真を学ぶ。
2010年より国内外のギャラリーにて個展を開催。http://www.yukari-matsuda.com/
また、今回の展覧会と同タイトルの写真集「FANTASIA]も会場で販売します。
音楽を学んで来た彼女らしい、詩的で静謐な写真を会場でぜひご覧ください。
Fantasia
4/27 Sat - 5/12 Sun 12:00-20:00
月曜休
[Steidl] Shopping bag is just arrived!
Steidlのショッピングバッグが到着。早速店頭で展開しています。
今回のテーマカラーは、歴史ある出版社の風格がただようような落ち着きのある赤茶。輪郭線でのデザインをほどこした面と、反対側には特集で取扱うタイトルの一部がリストアップされています。
販売価格:840円(税込)
new arrivals next week
23日の火曜日に、またSteidlから新しい本が入荷することになりました。
今回は4タイトル。
左より
Robert Doisneau : FROM CRAFT TO ART
Robert Adams : Tree Line Hasselbrad Award 2009
Donald Judd
Harry Callahan : SEVEN COLLAGES
また今回の入荷に合わせて、店頭で在庫のなくなっていたSaul Leiterの作品集やKarl Lagerfeldの[LITTLE BLACK JACKET]、Thomas Demandの[Nationalgalerie]も入荷します。
[Park/Sleep] Robert Frank
言わずと知れた代表作[The Americans]をはじめ、20世紀のアメリカ写真界を牽引してきたRobert Frankも、
STEIDLに絶大なる信頼を置く写真家のひとり。
彼もまた、長らく絶版となっていたタイトルの再版や往年の作品をもとにした写真集など、
その多くをSTEIDLから出版しています。
2010年以降、Frankはビジュアルダイアリーのシリーズを展開しています。 これまで[Tal Uf Tal Ab](2010年)、[You Would](2012年)をリリースし、いずれも好評を博していましたが、 これを踏まえて今年3月にリリースされたのが、第3弾の[Park/Sleep]。 スリップケースに収められたソフトカバーの本書には、おなじみのコラージュや新旧のスナップショットを織り交ぜながら、 所々に会話の断片や本人の内心を書き留めたような散文がちりばめられています。
ポートレイトのなかには、STEIDL創始者・Gerhard Steidlや、 本書の共編者でありニューヨークを拠点に活動する日本人フォトグラファー・A- chan(アーチャン)など、 彼とも身近な人物の姿がたびたび見かけられます。 テーマ性の高い他のタイトルと比べると、Frankの見たものや感じたことがより伸びやかに表現されていて、 観る側も肩肘張らずにページをめくっていけるようなゆるやかな魅力があります。
text by Robert Frank
Book design by Robert Frank, A-chan and Gerhard Steidl
- 72 pages
- 20.5 cm x 25 cm
- Tritone and four-colour process Otabind softcover, housed in a slipcase
[The Mill] Matthias Schaller
「重要な作品が生み出される場所は、いつだってわたしたちを魅了する。もしだれかがそうした特別な場所へ足を踏み入れたら、すぐさまその人物の手がかりや、そこをまとう偉大さを探しまわることになる。」(Andreas Beyer)
アトリエには、スペースのプロフェッショナルである建築家の設計した建物やスタイリストが設えたコーディネートとはひと味違った、長い年月をそこで過ごす事でしか生まれてこない味わいがあります。歳月とともにアーティストたちの感性がちりばめられていった特別な場所に魅力を感じる人も多いのではないでしょうか?
本書は、ドイツ現代写真の基礎を築いたベッヒャー夫妻の生活と制作の拠点を捉えた写真集。彼らは1961年から2003年のあいだ、ドイツ・デュッセルドルフのKaiserwerthに位置する元々は紙の断裁所だった建物をアトリエとして過ごしていました。写真家・Matthias P. Schallerが2001年2月から2002年9月のあいだに訪れて撮った写真で構成されています。
白を基調とした空間に黒と茶系の落ち着いた色合いの什器が置かれ、保存用の箱や小物には以外にもグリーンやオレンジのものが使われています。適度に整頓され、緩やかなルールで統一された空間は秩序を感じる引き締まった印象で、まさにベッヒャー夫妻らしい設え。
コンテンツに加えて端正なブックデザインと美しい印刷が秀逸なこの写真集、まさにSteidlにしか作れない一冊です。
Matthias Schaller [ The Mill]
Essay by Thomas Weski
120 pages, 55 colour plates
29 cm x 23.5 cm
Hardcover with dust jacket
Saul Leiter [Early Color]
1950-60年代にニューヨークで展開された、詩人・画家・ダンサー・ミュージシャンなどのあらゆる表現者によるグループ[New York School] は、アクションペンティングや抽象表現主義、ジャズミュージックや実験音楽などという新しい文化を生み出しました。 このNew York Schoolに貢献したことや、EsquireやHarper's bazaar、Vogueと いった雑誌を手がけたファッションフォトグラファーとして知られるSaul Leiter(ソール=ライター)。
当初は画家を志しニューヨークへとわたりましたが、そこで幸運にも抽象表現主義画家・Richard Pousette-Dart(リチャード=ポウセットダート)と出会い、 次第に写真家としての才能を開花させていきます。 そのひとつとして、1948年にいち早くカラー写真での試みをあらわしていくことになります。 その類稀な表現に注目したアメリカの写真家・画家・キュレーターであるEdward Steichen(エドワード=スタイケン)が、 1953年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)でライターのカラー写真作品の展覧会を開催したことはあまり知られていません。
本書[Early Color]では、初めてこれらの一連の作品がよみがえることになりました。 抽象的なフォルムやラディカルで革新的な構成は、当時のカラー写真特有の低彩度の色合いともあいまって、 写真家と画家の両方として制作を重ねてきたライターだからこそなし得る独特な世界観を繰り広げています。
introduction by Martin Harrison
168 pages, 100 colour plates
20 cm
x
20 cm
Clothbound hardcover with dust jacket