edition fink Book Details

Added on by Yusuke Nakajima.

昨日からスタートしたedition finkからは、造本の変わった本がいろいろと出版されています。

この本は、スイスのアーティストAnselm Stalderの作品集。1980年代から活躍し、現在はベルンの美術学校での学長を務めるアーティスト。

彼はペインティングの作品を制作していますが、1990年代からはよりコンセプチュアルなアプローチを試み、近年は言語とペインティングの関連性をテーマにした作品を発表しています。

その彼の作品集は、必然的にテキストが多くなっていますが、テキストの中で出てくる作品は注釈として図版が収録されています。

この本は、その図版の収録の仕方に特徴があります。

テキストページ内に出てくる図版は、すべてその対応するページにカラー印刷の大きな複製が差し込まれているという形式。テキストページでは、通常だと印刷コストの理由などで白黒図版になってしまう事が多く、図版の大きさにも制約が出てきますが、この本は別で印刷したカラー図版を挟み込むという事でその問題点を解決。たくさんの紙がいろいろな所に挟み込まれる事で、本を閉じた時にふくらみができて、本の形にも特徴を与えています。

この本は、スイスの写真学校と一緒に制作した作品集。

現代の写真家やアーティスト、デザイナーなど7人の作品が1冊にまとめられたこの本は、評論、作品ページ、広告の三つのコンテンツがあります。

コンテンツによって紙のサイズを変えているので、本の構成が造本に反映されており、さらにコンテンツそれぞれ、7人の作品に合わせてそれぞれ適正な紙を選択する事が、ページによって紙が違うというブックデザインの特徴を作っています。

それぞれ異なったサイズ、紙を使うという、間違えると乱雑になりかねないこの内容を、簡易的にノリ綴じするというラフな方法をあえて採用する事で、さまざまなコンテンツを収録しながらも1冊の本として統一感の取れた仕上がりに。

この本は、Pascal Schwaighoferの作品集。いくつかのプロジェクトと作品シリーズ、テキストをまとめた本は、それぞれのコンテンツごとに作ったサイズの違う小冊子を中綴じした作り。

1つのフォーマット内に複数のコンテンツをまとめるのではなく、それぞれのコンテンツを見せるための適正紙面サイズを活かす事が、そのまま特徴的な造本になっています。

いずれも特徴的な形の本ですが、奇を衒ったものではなく、内容やコンセプトに沿って作られているので、どの本もしっくりと馴染みの良い本に仕上がっています。

著者であるアーティストと密にコミュニケーションを取りながら、それぞれの内容に合った編集やデザインで本を作るedition finkだからこそできるバランス感覚。ここで紹介した本以外にも面白い作りの本が多数ありますので、ぜひ店頭でご覧になってください。