1960年代にアメリカで隆盛したポップアートの代表的なアーティストであるJim Dine(ジム=ダイン)。
一般的には画家として知られていますが、その他にも彫刻・版画・イラスト・パフォーマンス・舞台デザイン・詩など数多くの表現方法があり、そのひとつとして写真を撮っています。
[Entrada Drive]とは、カリフォルニア州・サンタモニカにある地名。
冬の少しの間この地で暮らしていたDineと妻は、その営みのなかで有機的なフォルムをした植物に目を向けていたようです。
生命力あふれる佇まいや彫刻のような確かな存在感を放つようすを、微細な濃淡でもって豊かな表現へと昇華させています。
[Birds]は、Dineの幼少期の経験 ― 突然カラスが話しかけて来たように感じ、恐怖心とともに鳥への興味が募ったというエピソードがもとになっており、この記憶をモノクロ写真の興味深い作品へと一変させています。
ほの暗い空間で鋭利な視線を向ける鳥たちはどこか近寄りがたさを感じさせつつも、いつしか見る側を引きこんでいるから不思議です。
しっとりとした紙質を袋とじ製本した装丁が、趣のある世界観を演出しています。
上段:BIRDS
- 88 pages, 36 tritone plates
- 29.5 cm x 31.5 cm
- Japanese bound, Hardcover, jacket
下段:ENTRADA DRIVE
- 48 pages, 44 tritone plates
- 29.5 cm x 31.5 cm
- Clothbound hardcover with dust jacket