「One and three books 一つと三つの書物」
現代のグラフィックデザイナーたちの実践現場は、商業デザイン、文化的デザイン、展覧会のプロジェクト、自主制作、グラフィックデザイン教育、執
筆など、時代と共にその職能領域や分野を変化させ、今なお拡張し続けています。
3部の構成からなる本書は、2013年度にJAGDA新人賞を受賞した3人(田中義久、平野篤史、宮田裕美詠)の若いデザイナーたちのあり
のままの姿に焦点をあて、3人の3通りの生き方を同時並列的に取りあげることで、現在のグラフィックデザインの様式、潮流を検証し、時代の変
遷に合わせてその定義をつねに変化/拡張してきた「グラフィックデザイン」という職能、それ自体の定義について問いかけていきます。
さらに、現代を生きるデザイナーたちの姿を通じて、「今の時代に何を考え、社会に対してどう関わり、生きていくか」という、グラフィックデザ
インの分野を超えた全てのひとに共通する根源的な問いも読者に対して投げかけます。
発売は6/4、クリエイションギャラリーG8で開催される「JAGDA新人賞展」会場での先行販売です。
第1章「グラフィックデザイナーとは何か」
「グラフィックデザイナーとは何か」という問いから出発し,現代を生きる1人の「個」としてのデザイナーの肖像を掘り下げます。
第1章目次
定義 田中義久
仕事と活動 平野篤史
地域性 宮田裕美詠
第2章「媒介者としてのあり方」
「媒介者としてのあり方」をテーマに,何か「と」何か,誰か「と」誰かの間をつなぎ,そこに関係性を構築していく媒介者としてのデザイナー像
に焦点を当てます。
第2章目次
本の物質性 中島佑介 と 田中義久
庭を見る 宮田識 と 平野篤史
印刷の原点 熊倉桂三 と 宮田裕美詠
第3章「共同作業のエクササイズ」
第3部では,3人以上という構成単位,すなわち広い意味での「社会」と向き合うことについて,3人が共同で考えるためのエクササイズを試みています。
付録では、JAGDA会長の浅葉克己氏の寄稿、第1回目のJAGDA新人賞の受賞者葛西薫氏へのインタビューも収録、両氏の文章を通して「新しさはいかに世界に登場するか」というテーマを検証します。
-----------------------------------
One and three books
A5変型 200ページ
部数 初版2,000部
定価 本体2,500 円+ 税
ISBN 978-4-9907173-0-8
第1章 「グラフィックデザイナーとは何か」
第2章 「媒介者としてのあり方」
中島佑介と田中義久/宮田識と平野篤史/熊倉桂三と宮田裕美詠
第3章 「共同のエクササイズ」
書物のデザイン/展示空間のデザイン/告知物のデザイン
付録 「新しさはいかに世界に登場するか」
浅葉克己(JAGDA会長) 寄稿
葛西薫インタビュー(第1回目のJAGDA新人賞を受賞)
広告 広告主による、グラフィックデザインをテーマにした文章のみで構成した実験的な広告