Exhibition [Todd Hido]

Added on by Yusuke Nakajima.

7/12より特集がスタートしたNazraeli Pressの協力のもと、8月中旬にアメリカを拠点に活躍する写真家Todd Hido(トッド・ハイド)の展示を開催することになりました。

We are pleased to announce that we have the exhibition of American Photographer Todd Hido in the middle of this August, with the support by Nazraeli Press. 

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トッド・ハイドは1968年生まれ、現在はサンフランシスコを拠点に活動しています。これまでには、郊外のロードサイドに佇む住宅を夜間に撮影したシリーズ[House Hunting](2001)、モーテルで無名のモデルたちを撮影した[BETWEEN THE TWO](2006)車内から荒涼とした風景を撮影したシリーズ[A ROAD DEVIDED](2010)など、多くの作品集をナツラエリ・プレスから出版しており、いずれも高い評価を得ています。

彼の作品は、一体どこなのか分からない匿名性を持ちながらも、その場所、その時間にしか存在しなかったであろう濃密な空気と時間を、そっくり写しとったような緊張感と重厚さに満ちた作品で、断片的な記憶になぜか残っている映画的なシーンのような強烈なイメージを写真に定着させています。1枚の中に物語を感じさせるこれらの美しい作品群は、アメリカの写真ギャラリー[ROSE GALLERY]で取り扱われグッゲンハイム美術館やホイットニー美術館、サンフランシスコMoMAなど30以上の美術館にコレクションされています。

 

TODD HIDO (b.1968, Kent, OH) is a San Francisco Bay Area-based artist who received his M.F.A. from the California College of Arts and Crafts in 1996 and his B.F.A. from the School of the Museum of Fine Arts, Boston, and Tufts University. His photographs have been exhibited internationally, including solo exhibitions at the Cleveland Museum of Art, and the Kemper Museum of Contemporary Art in Kansas City, and are included in numerous museum collections, including the Whitney Museum of Art, Guggenheim Museum, San Francisco Museum of Modern Art, and the Los Angeles County Museum of Art, as well as in many other public and private collections. His work has been featured in Artforum, The New York Times Magazine, Eyemazing, Wired, The Face, I-D, and Vanity Fair.

In 2001 an award-winning monograph of his work titled House Hunting was published by Nazraeli Press and a companion monograph, Outskirts, was published in 2002. His third book, Roaming, was published in 2004. His first book focusing on portraits and nudes, Between the Two, was published in 2006. His latest monograph A Road Divided was published in 2010. He is an adjunct professor at the California College of Art, San Francisco, California. 

(Biography from Bruce Silverstein Gallery)

今回の展示は、彼の作品がまとめて紹介される日本では初の機会となります。

現代のアメリカを代表する写真家の一人、トッド・ハイドの日本初となる個展 にぜひお越し下さい。

 

Todd Hido exhibition

2013年8月13日(火)〜9月1日(日)

会場: POST  東京都渋谷区恵比寿南2-10-3

2-10-3-1F Ebisuminami Shibuya-ku Tokyo Japan

Tel:03-3713-8670

 

Nazraeli Press

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7/12(金)より、出版社特集第11弾として、
Nazraeli Press(ナツラエリ・プレス)のタイトルが店頭に並びました。

Nazraeli Pressは美的感覚を重視して選定されたアーティストの写真集に特化して、500~2000部程度の少部数で発行しています。これらはいずれもクロス貼りや箔押しなどの上質な装幀により、きわめて品がよく印象深いものに仕上がっています。

Robert AdamsやMichael Kenna など錚々たる写真家のタイトルはさることながら、畠山直哉や鈴木理策など、日本人写真家のタイトルを多く手がけているのも特徴です。

POST_Nazraeli Press

POST_Nazraeli Press

[Publication Information]

Nazraeli Pressは1989 年、Chris Pichler(クリス・ピヒラー)によりドイツのミュンヘンにて設立された。
1997 年にアメリカに移転。現在はオレゴン州ポートランドを拠点とする。
今までに400 冊以上のコンテンポラリー・フォトグラフィーに重点をおいた美術書を出版。

多くの日本人を含む国際的なアーティストのリストには、有名、新進気鋭のアーティスト両方のバランスをとるプログラムを維持することに努めている。

Nazraeli Pressは、紙、木材、プラスチック、金属などの一般材料をユニークに適用し、大量生産されるオブジェクトに手作業の要素を取り入れることで知られている。現在は年間に約30冊のタイトルを出版。

出版物のフォーマットはポストカード・サイズから大判のモノグラフに及ぶ。
伝統的な製本に加えて、巻物、アクリル製の箱に入ったカード、オリジナル写真が入ったポートフォリオなどのユニークなフォーマットも使用。

限定版シリーズには“One Picture Books” と “Six by Six”がある。

www.nazraeli.com

 

左より
Terri Weifenbach / Between Maple and Chestnut
Paul Outerbridge / New Color Photographs
Lisa kereszi /  Fun and Games
Todd Hido / Excerpts from Silver Meadows

 

今回は、大判の判型でダイナミックなビジュアルでみせるタイトルを中心に約50タイトルが並びます。

かねてより写真に造詣の深い人たちの間では定評のある出版社の、美しく良質な写真集をまとめてご覧いただける機会です。

ぜひ足をお運びください。

 

[Column] CONTRAST MAG. / one and only publishers

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ウェブマガジン [CONTRAST]でPOSTのコラムがスタートしました。

one and only publishers / No.1 edition fink

one and only publishers / No.1 edition fink

特集する出版社の取り組みや特色のある本について紹介していきます。
コラムを読み進めることで、それぞれの出版社や本に秘められた魅力や世界観を深く知るきっかけになるはずです。

店頭での特集とあわせてぜひご覧ください。

[Exhibition] 稜線展

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この度、デザイナー・大原大次郎と写真家・ホンマタカシによる展覧会「稜線展」を開催する運びとなりました。
大原はホンマの山の写真を用いて登山の記譜をもとに字母を探り記述したドローイングシリー ズ「稜線」を、ホンマは自身の山の写真をもちいたアートワークを展示いたします。


澄んだ空気が伝わってくるようなすがすがしい青空と荘厳な印象をはらむ裾野のラインとが織りなす、壮観なランドスケープ。
ホンマが捉えた息を呑む美しい山の光景に、大原がいわば登山者の道しるべである記譜を記すことで、突如蛇行した複数の線が本来の機能から離れたところにあらわれてきます。このいささか頼りないラインが山の稜線をたどるようにして描かれるようすは、どこか人の手あとを感じさせる味わい深さがあります。


こうしてふたりの共同作業でつくられた情景は、これまで見ていた山の写真のなかに広がる景観に奥行きを与え、いつの間にか鑑賞者をその世界へと引き込みます。
会場では二人が2011 年に制作したZINE『稜線』を再編集したものを販売いたします。

書籍概要
『稜線』
サイズ  195mm x 255mm  販売価格 1,680 円(税込)  ※書籍に関するお問い合わせはinfo@betweenthebooks.com まで。

書籍概要

『稜線』 サイズ  195mm x 255mm
 販売価格 1,680 円(税込)
 ※書籍に関するお問い合わせはinfo@betweenthebooks.com まで。
会期 2013年7月27日(土)~8月11日(日)

会場 POST(limArt co.,ltd.)
   東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F

レセプション 2013年7月27日(土) 18:00-20:00

 

 

略歴


ホンマタカシ(写真家)
最新作の『BABYLAND RECONSTRUCTION』では、ホンマの写真を大原が再構築した作品も掲載されている。
http://betweenthebooks.com


大原大次郎
1978 年神奈川県生まれ。omomma 代表 / グラフィックデザイナー。
タイポグラフィを基軸としたデザインワークや映像制作に従事するほか、フィールドワーク<文字採集>、チャンスオペレーションによる言葉あそび<文字くじ>、重力を主題としたモビールシリーズ<もじゅうりょく>など、展覧会、ワークショップ、出版や対話の場を通して、言葉や文字の新たな知覚を探るデザインプロジェクトを積極的に展開する。
http://omomma.in/

[edition fink] DM is arrrived

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edition fink特集のDMが届きました。
早速店頭に設置しています。

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今回は2種類のレイアウト。

鮮やかさと深みとのバランスが絶妙な発色のブルーは、 
エッジの効いた出版社の個性がよく体現されています。

Noritake [NEWSLESS PAPER] : Items

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現在開催中のイラストレーター・Noritakeによる[NEWSLESS PAPER]では、
今展にあわせて作成した関連アイテムを展開しています。
会期中は会場での販売のほか、通販も承ります。

展示とあわせてご覧下さい。

 

BOOK

タブロイド「NEWSLESS PAPER」を手作業でページを組み、再製本した作品。3150yen(tax-in) 400 pages W 148 x H 210 (mm) 

タブロイド「NEWSLESS PAPER」を手作業でページを組み、再製本した作品。

3150yen(tax-in) 

400 pages W 148 x H 210 (mm) 

TABLOID

 

ある一日の新聞の中の見出し、写真、広告、テレビ欄など、すべての要素を手書きの点と線に書き換えたニュースのない新聞。輪転印刷機での印刷。315yen(tax-in) 8 pages W 405 x H 545 (mm)

ある一日の新聞の中の見出し、写真、広告、テレビ欄など、すべての要素を手書きの点と線に書き換えたニュースのない新聞。輪転印刷機での印刷。

315yen(tax-in) 

8 pages W 405 x H 545 (mm)

TOTEBAG

「NEWSLESS PAPER」のタイトルをシルクプリントしたトートバッグ。2,625 yen(tax-in)W 450 x D 135 x H 365 (mm)

「NEWSLESS PAPER」のタイトルをシルクプリントしたトートバッグ。

2,625 yen(tax-in)

W 450 x D 135 x H 365 (mm)

BADGE : adverts / TV / text

NEWSLESS PAPER」から、テレビ欄/テキスト/広告ページを抜き出したバッジ。420 yen(tax-in) W 57 x H 57 (mm)   

NEWSLESS PAPER」から、テレビ欄/テキスト/広告ページを抜き出したバッジ。

420 yen(tax-in) 

W 57 x H 57 (mm)

 

 

 

PEN 

「NEWSLESS PAPER」とNoritakeのロゴ「N」マークをプリントした油性ボールペン。210 yen(tax-in) H 138 (mm) 

「NEWSLESS PAPER」とNoritakeのロゴ「N」マークをプリントした油性ボールペン。

210 yen(tax-in) 

H 138 (mm) 

[One and three books] website set up

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書籍[One and three books]の特設ウェブサイトをアップしました。

[One and three books] website

[One and three books] website

本のテーマカラーを踏襲した配色が印象的なウェブサイトでは、
概要や目次を掲載し、本書のダイジェストをつかむことができます。
また、コンテンツのなかで言及される関連事項についてはリンク先を照会できる仕様となっています。

本書にまつわる情報や取扱店舗など、今後こちらで随時発信する予定です。

ぜひ本書とあわせてご覧下さい。

One and three books 「一つと三つの書物」

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One and three books、本日発売になりました。​

JAGDA新人賞展での会場先行販売をスタート。

その後全国の書店でもお取り扱いいただきます。​

One and three books

A5変型 206ページ
部数 初版2,000部
定価 本体2,500 円+ 税
ISBN 978-4-9907173-0-8

「One and three books 一つと三つの書物」

現代のグラフィックデザイナーたちの実践現場は、商業デザイン、文化的デザイン、展覧会のプロジェクト、自主制作、グラフィックデザイン教育、執 筆など、時代と共にその職能領域や分野を変化させ、今なお拡張し続けています。
3部の構成からなる本書は、2013年度にJAGDA新人賞を受賞した3人(田中義久、平野篤史、宮田裕美詠)の若いデザイナーたちのあり のままの姿に焦点をあて、3人の3通りの生き方を同時並列的に取りあげることで、現在のグラフィックデザインの様式、潮流を検証し、時代の変 遷に合わせてその定義をつねに変化/拡張してきた「グラフィックデザイン」という職能、それ自体の定義について問いかけていきます。
さらに、現代を生きるデザイナーたちの姿を通じて、「今の時代に何を考え、社会に対してどう関わり、生きていくか」という、グラフィックデザ インの分野を超えた全てのひとに共通する根源的な問いも読者に対して投げかけます。

第1章「グラフィックデザイナーとは何か」
「グラフィックデザイナーとは何か」という問いから出発し,現代を生きる1人の「個」としてのデザイナーの肖像を掘り下げます。

第1章目次
定義 田中義久
仕事と活動 平野篤史
地域性 宮田裕美詠

第2章「媒介者としてのあり方」
「媒介者としてのあり方」をテーマに,何か「と」何か,誰か「と」誰かの間をつなぎ,そこに関係性を構築していく媒介者としてのデザイナー像 に焦点を当てます。
第2章目次
本の物質性 中島佑介 と 田中義久
庭を見る 宮田識 と 平野篤史
印刷の原点 熊倉桂三 と 宮田裕美詠

第3章「共同作業のエクササイズ」
第3部では,3人以上という構成単位,すなわち広い意味での「社会」と向き合うことについて,3人が共同で考えるためのエクササイズを試みています。

付録では、JAGDA会長の浅葉克己氏の寄稿、第1回目のJAGDA新人賞の受賞者葛西薫氏へのインタビューも収録、両氏の文章を通して「新しさはいかに世界に登場するか」というテーマを検証します。


exhibition : Noritake [NEWSLESS PAPER]

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イラストレーター、Noritakeによる[NEWSLESS PAPER]はある1日の新聞の中の見出し、写真、広告、テレビ欄などすべての要素を手描きの点と線に描き換えたニュースのない新聞。輪転機で印刷したその新聞を手作業でページを組み、再製本した作品が今回の新しい作品です。

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手描きの点と線の羅列がランダムに続くこの本は、作品が描かれていない作品集とも、 使い道のないノートともいえ、その用途の曖昧さの中で、ページをめくる感触、 印刷された点と線を追う感覚が際立っていく楽しみがあります。

 あらゆる作品の画像や情報が、画面上で手に入る現代に印刷/製本された物質が放つ 魅力を部分的に際立たせたこの本の佇まいを、より空間的に展開したディスプレイを POSTのギャラリーに期間限定で設けます。

 

 

「僕はこの空間に作ったものが取り込まれてしまうことにワクワクしています。
主張するのは、ほどほどに、この空間に、一過性のノイズのようなものを加えて
みたいと思います。」

 

 

Noritakeによる実験的な作品と、POSTの空間の相互作用をぜひご覧ください。

 

NEWSLESS PAPER

2013年6月1日~16日

月曜定休

会期中、NEWSLESS PAPERの販売に合わせ、展示に合わせて制作したオリジナルグッズも合わせて販売します。

Noritake www.noritake.org

NEWSLESS PAPER (BOOK)

3.150 yen(tax-in)

Published & Design by Noritake

Edit by Soichi Suzuki 

400pages

W148 × D16 × H210 (mm)

 

edition fink Book Details

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昨日からスタートしたedition finkからは、造本の変わった本がいろいろと出版されています。​

​この本は、スイスのアーティストAnselm Stalderの作品集。1980年代から活躍し、現在はベルンの美術学校での学長を務めるアーティスト。

彼はペインティングの作品を制作していますが、1990年代からはよりコンセプチュアルなアプローチを試み、近年は言語とペインティングの関連性をテーマにした作品を発表しています。​

​その彼の作品集は、​必然的にテキストが多くなっていますが、テキストの中で出てくる作品は注釈として図版が収録されています。

この本は、その図版の収録の仕方に特徴があります。​

テキストページ内に出てくる図版は、すべてその対応するページにカラー印刷の大きな複製が差し込まれているという形式。テキストページでは、通常だと印刷コストの理由などで白黒図版になってしまう事が多く、図版の大きさにも制約が出てきますが​、この本は別で印刷したカラー図版を挟み込むという事でその問題点を解決。たくさんの紙がいろいろな所に挟み込まれる事で、本を閉じた時にふくらみができて、本の形にも特徴を与えています。

この本は、スイスの写真学校と一緒に制作した作品集。​

​現代の写真家やアーティスト、デザイナーなど7人の作品が1冊にまとめられたこの本は、評論、作品ページ、広告の三つのコンテンツがあります。

コンテンツによって紙のサイズを変えているので、本の構成が造本に反映されており、​さらにコンテンツそれぞれ、7人の作品に合わせてそれぞれ適正な紙を選択する事が、ページによって紙が違うというブックデザインの特徴を作っています。

それぞれ異なったサイズ、紙を使うという、間違えると乱雑になりかねないこの内容を、簡易的にノリ綴じするというラフな方法をあえて採用する事で、さまざまなコンテンツを収録しながらも1冊の本として統一感の取れた仕上がりに。​

この本は、​Pascal Schwaighoferの作品集。いくつかのプロジェクトと作品シリーズ、テキストをまとめた本は、それぞれのコンテンツごとに作ったサイズの違う小冊子を中綴じした作り。

1つのフォーマット内に複数のコンテンツをまとめるのではなく、それぞれのコンテンツを見せるための適正紙面サイズを​活かす事が、そのまま特徴的な造本になっています。

いずれも特徴的な形の本ですが、奇を衒ったものではなく、内容やコンセプトに沿って作られているので、どの本もしっくりと馴染みの良い本に仕上がっています。

著者であるアーティストと密にコミュニケーションを取りながら、それぞれの内容に合った編集やデザインで本を作るedition finkだからこそできる​バランス感覚。ここで紹介した本以外にも面白い作りの本が多数ありますので、ぜひ店頭でご覧になってください。

edition fink

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5月21日より、恵比寿のPOSTでは新しい出版社特集がスタートします。

特集10回目は、スイスを拠点にする出版社、[edition fink]を取り扱います。

edition finkはスイスのチューリッヒを拠点とする出版社で、1994年に設立されました。
主にコンテンポラリーアートの作品集や、アーティストブックを出版しています。
著者のアーティストとの密接な共同作業によって1冊の本を作り上げていく事で、
コンセプチュアルで美しい造本、編集の本を出版し続けています。

edition fink

Verlag für zeitgenössische Kunst

www.editionfink.ch

左より
Pascal Schwaighofer [Opayaz] 2012
Zilla Leutenegger [ZILLA] 2004
Daniel Robert Hunziker [ ALWAYS LATE WHERE I'M LIVING] 2008

今回は、最新作から絶版のものまで、約60タイトルが並びます。

これまで日本ではまとめて紹介されることのなかったスイスグラフィックの先端を担うEdition Finkの出版物、店頭でぜひご覧ください。

会期:2013年5月20日(火)~7月上旬(予定)
定休日:毎週月曜日 
会場:POST(limArt) ​

One and three books

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「One and three books 一つと三つの書物」を6/4に刊行します。

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「One and three books 一つと三つの書物」

現代のグラフィックデザイナーたちの実践現場は、商業デザイン、文化的デザイン、展覧会のプロジェクト、自主制作、グラフィックデザイン教育、執 筆など、時代と共にその職能領域や分野を変化させ、今なお拡張し続けています。

3部の構成からなる本書は、2013年度にJAGDA新人賞を受賞した3人(田中義久、平野篤史、宮田裕美詠)の若いデザイナーたちのあり のままの姿に焦点をあて、3人の3通りの生き方を同時並列的に取りあげることで、現在のグラフィックデザインの様式、潮流を検証し、時代の変 遷に合わせてその定義をつねに変化/拡張してきた「グラフィックデザイン」という職能、それ自体の定義について問いかけていきます。
さらに、現代を生きるデザイナーたちの姿を通じて、「今の時代に何を考え、社会に対してどう関わり、生きていくか」という、グラフィックデザ インの分野を超えた全てのひとに共通する根源的な問いも読者に対して投げかけます。

発売は6/4、クリエイションギャラリーG8で開催される「JAGDA新人賞展」会場での先行販売です。

第1章「グラフィックデザイナーとは何か」
 「グラフィックデザイナーとは何か」という問いから出発し,現代を生きる1人の「個」としてのデザイナーの肖像を掘り下げます。

第1章目次

定義 田中義久
仕事と活動 平野篤史
地域性 宮田裕美詠

第2章「媒介者としてのあり方」
「媒介者としてのあり方」をテーマに,何か「と」何か,誰か「と」誰かの間をつなぎ,そこに関係性を構築していく媒介者としてのデザイナー像 に焦点を当てます。

第2章目次
本の物質性 中島佑介 と 田中義久
庭を見る 宮田識 と 平野篤史
印刷の原点 熊倉桂三 と 宮田裕美詠


第3章「共同作業のエクササイズ」

第3部では,3人以上という構成単位,すなわち広い意味での「社会」と向き合うことについて,3人が共同で考えるためのエクササイズを試みています。​

付録では、JAGDA会長の浅葉克己氏の寄稿、第1回目のJAGDA新人賞の受賞者葛西薫氏へのインタビューも収録、両氏の文章を通して「新しさはいかに世界に登場するか」というテーマを検証します。

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One and three books

A5変型  200ページ
部数 初版2,000部
定価 本体2,500 円+ 税
ISBN 978-4-9907173-0-8

第1章 「グラフィックデザイナーとは何か」
第2章 「媒介者としてのあり方」       

     中島佑介と田中義久/宮田識と平野篤史/熊倉桂三と宮田裕美詠

第3章 「共同のエクササイズ」        

     書物のデザイン/展示空間のデザイン/告知物のデザイン

付録  「新しさはいかに世界に登場するか」

     浅葉克己(JAGDA会長) 寄稿 
     葛西薫インタビュー(第1回目のJAGDA新人賞を受賞)

広告  広告主による、グラフィックデザインをテーマにした文章のみで構成した実験的な広告


発行日  2013 年6月4日
企画   田中義久、平野篤史、宮田裕美詠
デザイン 田中義久
編集者  古賀稔章
協力   株式会社竹尾/八紘美術
後援   公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会
発行:  株式会社limArt


プロフィール

田中義久 TANAKA Yoshihisa 
1980年静岡県生まれ。2004年武蔵野美術大学卒業。主な受賞に、PromaxBDA Design Global Excellence Awards銀賞(2012)、red dot award(2010)、PromaxBDA Asia金賞(2011)など。また飯田竜太(彫刻家)とのアーティストユニット「Nerhol」としても活動中。


平野篤史 HIRANO Atsushi 
1978年神奈川県生まれ。2003年多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。MAQ(マック)を経て、2004年ドラフト入社。 2004年TDC賞受賞。


宮田裕美詠 MIYATA Yumiyo 
1973年富山県生まれ。富山美術工芸専門学校卒業。クロス勤務を経て、2002年よりフリー。STRIDE主宰。



古賀稔章 KOGA Toshiaki
1980年福岡県生まれ。編集者。
東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、同博士課程在籍。ルネサンス・初期近代のタイポグラフィを研究。2004~2009年までデザイン誌 「アイデア」の編集者を務める。現在は、アーティストやデザイナーとの共同作業を通じて、出版物の生産・流通のモデルを再構築する実験的プロジェ クトを展開している。

第2章対談者略歴


中島佑介/Yusuke Nakajima ― 1981年生まれ,長野県出身。株式会社limArt代表取締役。早稲田大学商学部入学と同時に上京。学生時代にワタリウム美術館の「オンサンデーズ」に て古書について学ぶ。卒業後の2002年,共同経営者の廣田佐知子とともに早稲田のラ・ガルリ・デ・ナカムラ内に古書 & インテリアショップ,limArtをオープン。2005年恵比寿にlimArtを移転。2011年代々木VILLAGE内にlimArtの姉妹店 「POST」をオープン。現在,恵比寿の旧limArtの場所に移転したPOSTのブックセレクト及び,ディレクターを務める。

宮田 識/Satoru Miyata ― 1948年千葉県生まれ。1966年神奈川工業高校工芸図案科卒業,日本デザインセンター入社。1978年株式会社宮田識デザイン事務所設立。1989年 株式会社ドラフトに社名変更。東京アートディレクターズクラブ会員。主な受賞に,1969年日宣美奨励賞,1981年朝日広告賞,1982年ADC最高 賞,1987年ADC賞,1988年 ADC賞/朝日広告賞,1992年朝日広告賞,1998年朝日広告賞,2007年日本宣伝賞山名賞,2011年 ADC会員賞がある。

熊倉桂三/Katsumi Kumakura ― 1947年東京生まれ。凸版印刷を経て,2007年より山田写真製版所取締役技術開発室長,プリンティングアーツディレクター。30年にわたり故亀倉雄策 氏をはじめ,故田中一光氏,永井一正氏,勝井三雄氏,浅葉克己氏など日本を代表するグラフィックデザイナーや,故並河萬里氏,石元泰博氏,十文字美信氏, 白鳥真太郎氏など数多くのフォトグラファー,クリエーターとの共同作業で作品を世に送りだし,厚い信頼を寄せられてきた。現在は,富山と東京の2つの拠点 で,あらたなものづくりに取り組む日々。


本に関する問い合わせ先
POST/株式会社 limArt

東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F 
TEL:03-3713-8670 
mail:mail@limart.net

Next Feature

Added on by Yusuke Nakajima.

5/21、来週の火曜日より新しい出版社の特集がスタートします。​

今回はスイスの出版社Edition FInk

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Edition Finkは1994年設立の、スイス・チューリッヒを拠点とするインディペンデントな出版社。
アーティストブックやカタログなど、コンテンポラリーアートブックに特化したラインナップを擁しています。アーティストとの密な協力のもとに、書籍のデザインや製作を行っている点が特徴的で、内容に加え、優れたブックデザインがラインナップ。

​http://www.editionfink.ch/

今回は、現在手に入るタイトルが全て並びます。一部は絶版の書籍もありますので、どうぞお楽しみに。​

Steidlの特集は今週一杯になりました。こちらも未見の方はぜひお越し下さい。

[BIRDS] [ENTRADA DRIVE] / Jim Dine

Added on by Yusuke Nakajima.

1960年代にアメリカで隆盛したポップアートの代表的なアーティストであるJim Dine(ジム=ダイン)。
一般的には画家として知られていますが、その他にも彫刻・版画・イラスト・パフォーマンス・舞台デザイン・詩など数多くの表現方法があり、そのひとつとして写真を撮っています。

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[Entrada Drive]とは、カリフォルニア州・サンタモニカにある地名。
冬の少しの間この地で暮らしていたDineと妻は、その営みのなかで有機的なフォルムをした植物に目を向けていたようです。
生命力あふれる佇まいや彫刻のような確かな存在感を放つようすを、微細な濃淡でもって豊かな表現へと昇華させています。

[Birds]は、Dineの幼少期の経験 ― 突然カラスが話しかけて来たように感じ、恐怖心とともに鳥への興味が募ったというエピソードがもとになっており、この記憶をモノクロ写真の興味深い作品へと一変させています。
ほの暗い空間で鋭利な視線を向ける鳥たちはどこか近寄りがたさを感じさせつつも、いつしか見る側を引きこんでいるから不思議です。
しっとりとした紙質を袋とじ製本した装丁が、趣のある世界観を演出しています。

上段:BIRDS

  • 88 pages, 36 tritone plates
  • 29.5 cm x 31.5 cm
  • Japanese bound, Hardcover, jacket

下段:ENTRADA DRIVE

  • 48 pages, 44 tritone plates
  • 29.5 cm x 31.5 cm
  • Clothbound hardcover with dust jacket

AA Publications

Added on by Yusuke Nakajima.

イギリス・ロンドンの私立建築学校AAスクール(Architectural Association School of Architecture)その学校の出版部門がAA Publicationsです。​

AAスクールは1847年に設立、1901年に​昼間学校としてオープン、1917年に現在のBedford Squareに校舎を構えました。レム=コールハースやザハ=ハディド、アーキグラムメンバーたちやリチャード=ロジャースもこの学校の卒業生でした。

AA Publicationsは年間8〜10タイトル、建築やランドスケープ、都市計画などに関する良質な書籍を出版してきています。​

1981年以降、年2回刊行されるAAスクールのジャーナル・AA Filesは、編集長・トーマス=ウィーバーのもと、建築に関する独創性の高い魅力あふれる記述を掲載。

アカデミックなリサーチ/講義プログラム/展覧会やイベントといったAAスクールの取り組みにフォーカスするのと同時に、世界的にも引けを取らない建築に関する学識が満載です。

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このAA Publicationsの特集が決まりました。8月末頃のスタートを予定しています。

http://www.aaschool.ac.uk/PUBLIC/AAPUBLICATIONS/

MEDIA:web magazine

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ウェブマガジンCONTRAST MAG.に、Steidl特集について掲載されました。

出版社が歩んできた歴史的背景をひもときながら、​各方面から信頼を得ている高い印刷技術の特色についてふれています。

特集とあわせてぜひご覧下さい。​

In stock now

Added on by Yusuke Nakajima.

好評につき店頭で完売していたタイトルが追加で入荷しました。​

左より
イギリスの出版社・MACK創始者の​Michael Mack氏がディレクターを務めていたレーベル[SteidlMACK]のタイトルのひとつ[MEC,]。
Robert Frankがイヌイット居住地区を訪れた際にその特徴的な風土を印象的に捉えた[Pangnirtung]。

​ぜひ店頭でご覧下さい。​

From Craft to Art / Robert Doisneau

Added on by Yusuke Nakajima.

代表作「パリ市庁舎前のキス」やピカソのポートレイトなどで知られる、Robert Doisneau(ロベール=ドアノー)。 昨年、生誕100年を記念した展覧会が開催されていたことも記憶に新しいことでしょう。

労働階級の家庭に生まれ生粋の職人気質をもちあわせた彼は、その時代を生きる
人々のありふれた日常を見つめ続けてきました。
質素な建築物がたたずむ郊外の景色。
俯瞰的な視点から切り取ったパリの街並。
絶妙な距離感でおさめたポートレイト。
こうした何気ない情景を、ユーモアを添えて視覚的にもドラマチックにあらわす
ことに長けた稀有なフォトグラファーとして、写真史にその名を刻んでいます。
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当時のパリの風情がありありと伝わってくる写真は、 そこに長年の間拠点をおき、その空気を肌で感じながら気の赴くままにシャッ ターを切り続けた彼だからこそ捉えられるもの。 ヒューマニズム写真家と称されるDoisneau。 人間味あふれる写真は、彼の人柄そのものを表しています。

  • Text by Jean-François Chevrier and Agnès Sire
    Tritone plates throughout
  • 224 pages
  • 17 cm x 24 cm
  • Hardcover
  • [Los Alamos Revisited] William Eggleston

    Added on by Yusuke Nakajima.

    1965年から74年にかけて、写真家・William Eggleston(ウィリアム=エグルストン)は キュレーター・Walter Hopps(ウォルター=ホップス)の運転する車でアメリカ国内を共に旅してまわりました。 この道中で撮られた写真は編集され、アーティストプルーフ3部・エディション総数5部という極めて少部数、 かつダイトランスファー・プリント付きという豪華な仕様のポートフォリオブックとなり、またこれに加えて13枚のダイトランスファー・プリントがリリースされました。

    Hoppsは展望として[Los Alamos]シリーズの包括的な展覧会を計画していたのですが、 結局のところ実現に至ることはなく、 やがてこのネガの大半はお蔵入りとなります。

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    時がたち、2005年にHoppsが他界した後、彼の妻・Carolineが#83と記された箱を発見しました。その中には行方不明になったネガと、[Lost and Found Los Alamos]と呼ばれる手製の説明書がまとめて保管されていたのです。 こうして全て揃ったネガを改めて見返し、ついにコンプリート・セットが完成しました。

    この3巻セットのシリーズは、ヴィンテージ加工を施したような褪せた色合いを施した装幀が独特の風情を漂わせています。ブックカバー3色のもとになったのでは?と思われるショットが本書に収録されているのも見逃せません。長年のあいだ人目に触れずにいたにもかかわらず、Egglestonの捉える世界は現代を生きる私たちの琴線にもふれるものばかり。

    Egglestonの写真集は数多く存在しますが、これだけ多くのビジュアルで構成され、 かつ大判の判型をしたものは類をみないのではないでしょうか。

    [Los Alamos Revisited] William Eggleston

    Vol. 1: 192 pages / Vol. 2: 168 pages /Vol. 3: 228 pages
    3 volumes
    32 cm x 31.5 cm ​