[Exhibition / Start] 富安 隼久「Fuchs / TTP」

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本日12/22(土)の18:00より、富安隼久展覧会「TTP / Fuchs」のオープニングレセプションを開催いたします。
ドリンクとともに、富安さんがご持参くださったスイスのお菓子をふるまわせていただきます。
お誘いあわせのうえ、お気軽にご参加ください。

なお、明日12/23(日祝)の本会期スタートに先立ち、会場をご高覧いただけるように開放いたしました。
日中のご来場も歓迎いたします。
連休初日、あいにくの雨模様ですが、どうぞ足をお運びください。

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[Exhibition / Talk Event] 2018/12/23-2019/1/13 富安 隼久「Fuchs / TTP」

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この度POSTでは、日本人写真家である富安 隼久(とみやす はやひさ)の写真展「Fuchs / TTP」を開催いたします。

©Hayahisa Tomiyasu

富安隼久は現在ドイツ・ライプツィヒとスイス・チューリッヒを拠点として活動。本年、イギリスの出版社MACKが主催する過去に写真集出版経験の無い作家の出版支援を目的とする「First Book Award」のグランプリ受賞に伴い、作品集『TTP』を刊行し、注目を集めました。今回会場では、『TTP』より抜粋した作品のスライドと共に、本作の前身かつ制作のきっかけでもある作品『Fuchs』を展覧いたします。

また、12月24日(月休)には写真家 ホンマタカシをゲストに迎え、トークイベントを開催いたします。

*タイトルの「TTP」はドイツ語の「Tischtennisplatte(卓球台)」の略称。「Fuchs」は「狐」を意味する。

[展覧会概要]

富安 隼久 「Fuchs / TTP」
会期:2018年12月23日(日祝) - 2019年1月13日(日)
会場:POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:12:00 - 20:00
定休日:毎週月曜日
共同企画:twelvebooks
※12月30日(日)-1月4日(金):年末年始休業
※12月24日(月休)はトークイベント開催のため、13:00-14:30の間はショップスペースをクローズ、14:30-17:00のみ特別営業

*オープニングレセプション:2018年12月22日(土) 18:00-20:00

[関連イベント]

トークイベント 富安 隼久 × ホンマタカシ

日時:12月24日(月祝) 13:00-14:30(12:30より受付)
会場:POST
参加費:1,000円(税込)

※2018/12/20(木)追記
本イベントは定員に達したため、お申込を締め切らせていただきました。
お問い合わせをいただきありがとうございます。

<略歴>

富安 隼久(とみやす はやひさ)

1982年生まれ、神奈川県出身
2006年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業
2013年ライプツィヒ視覚芸術アカデミーにてディプロム、2016年同校にてマイスターシューラー号取得(ペーター・ピラー教授)
2014-2016年ライプツィヒ視覚芸術アカデミー夜間写真講座非常勤講師
2017年よりチューリッヒ芸術大学芸術・メディア学部助手
近年の主な展示に、∞ (Gallery b2, ライプツィヒ、ドイツ)、The Photographic(UG im Folkwang, エッセン、ドイツ)、フォトロンドン、12.ABP -ドイツ現代写真-(ゲラ美術館, ゲラ、ドイツ)、Verfuerung(ホーフハイム美術館、 ホーフハイム、ドイツ)、Plat(t)form 17(ヴィンタートーアミュージアム, ヴィンタートーア、スイス)などがある。
www.tomiyasuhayahisa.com

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ホンマタカシ

写真家
2011年から2012年にかけて、個展「ニュー・ドキュメンタリー」を日本国内三ヵ所の美術館で開催。
著書に『たのしい写真 よい子のための写真教室』(平凡社)、近年の写真集に「MACK」より刊行したカメラオブスキュラシリーズの作品集『THE NARCISSISTIC CITY』などがある。今年7月に『ホンマタカシの換骨奪胎―やってみてわかった!最新映像リテラシー入門―』(新潮社)を刊行した。
betweenthebooks.com

[写真集情報]
タイトル:TTP

著者:富安 隼久

定価:5,550円(税別)

判型:260ページ / ソフトカバー / 200 x 270 mm
テキスト:英語
発行日:2018年

ISBN:978-1-912339-24-2

出版社:MACK

www.twelve-books.com/products/ttp-by-hayahisa-tomiyasu


日本人写真家、富安隼久(Hayahisa Tomiyasu)の初作品集。ドイツ・ライプツィヒで、当時作者が住んでいた学生寮の部屋の窓から撮影した写真で構成。8階の南向きの部屋から見渡せる公園に置かれた卓球台に焦点を当て、デッドパン・スタイル(※註)を用いて定点観測的に撮影。その間に時刻や季節、公園に訪れる人々が移ろいでいく。タイトル「TTP」を意味する「tischtennisplatte(卓球台)」が本来の卓球台として使われるだけでなく、日光浴であったり、スケートボードの障害物、物干し、子供がよじ登る遊具、ミーティングスポット、賑やかな通りからの避難場所などその用途は数知れず、ページをめくるたびにこの卓球台が異なる表情を見せる。作者の長きに渡る好奇心の結果、人間の行動から滲む習性やユーモア、それぞれの人の持つ独特な気質をこの謙虚に鎮座する卓球台のもとで垣間見ることができる。本書は、イギリスの出版社MACKが主催する過去に写真集出版経験の無い作家の出版支援を目的とする「First Book Award」の2018年グランプリ受賞に伴い刊行。

※註 主観や感傷、ドラマチックな誇張を可能な限り抑え、対象を客観的、中立的に描写する手法

[Talk Event] 2018/12/9(日) ハンス・グレメン × ヤープ・シェーレン

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この度POSTでは、現在店頭で特集中の出版社、Fw:Books(エフダブリュー・ブックス)を主宰し、自身もデザイナーとして活躍するHans Gremmen(ハンス・グレメン)のトークイベントを開催します。

ゲストには、彼が初めて写真集をデザインする機会となった作家、Jaap Scheeren(ヤープ・シェーレン)をお招きし、ブックデザインや彼らの活動についてお話いただきます。

Jaap Scheeren / Jaap Scheeren Cut Shaving

トークイベント ハンス・グレメン × ヤープ・シェーレン

日時:2018年12月9日(日) 18:30‒20:00(18:00より受付)
会場:POST
参加費:1,000円

*要予約。ご参加をご希望の方は post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加人数
を明記のうえお申し込みください。

<登壇者略歴>
Hans Gremmen(ハンス・グレメン)
グラフィックデザイナー、出版社Fw:Books設立者。写真や建築、芸術のフィールドで活躍し、
クライアントにはAperture FoundationやRoma Publications、Darat al Fununなどが連ねている。
これまでに200冊以上の本をデザインし、彼の実験的なデザインによって様々なデザインアワードを受賞している。
http://www.hansgremmen.nl/demo-item


Jaap Scheeren(ヤープ・シェーレン)
写真家。「Fresh anarchy(新鮮な無秩序)」という言葉がふさわしい、いささか不条理的なスタイルは、リアリティと写真の一貫性に対して問いを投げかける。それによって、彼の直感、ロジック、ルールに則った視覚的な世界を発展させてきた。ハンス・グレメンは彼の写真集をデザインしたのが初めての写真集を手がけた機会となり、その後も継続的に共働をおこなっている。
https://www.jaapscheeren.nl/

[Exhibition] Miki Soejima / The Passenger’s Present

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ロンドンを拠点とするアーティストの副島美樹の2作目となる作品集「The Passenger’s Present」がPOSTで特集中のFw:Booksから刊行されます。
出版を記念し、POSTでは11月23日(金祝)より展覧会を開催いたします。

会期中には前作の「Mrs. Merryman’s Collection」から副島の作品を良く知る編集者でアートキュレーターの河内タカ氏をゲストにお迎えし、トークイベントも開催します。

[展覧会概要]

副島美樹 / The Passenger’s Present
会期:2018年11月23日(金祝) - 12月16日(日)
会場:POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:12:00 - 20:00
定休日:毎週月曜日

オープニングレセプション:2018年11月23日(金祝) 19:00-21:00

©Miki Soejima

©Miki Soejima

私の作品は、私たちが今生きている「物語」について、想像することから生まれている。

本作「The Passenger’s Present」では、作者が生まれ育った日本を舞台とする。大きな物語の中で、自分たちの小さな物語をどう紡いでいくのか。写真というメディアと編集を通して、それらに思いをめぐらせる作業を続けている。

2013年以降、東京と沖縄を中心に撮影されたストリート写真は、ロンドンのスタジオで制作された静物写真と組み合わされ、過去と現在の間を行き来する。

作品集「The Passenger’s Present」は、一枚の古い写真で始まる。そこには、国旗の下で踊る人たちが写っている。これは、本作の制作を始めた頃に初めて目にした、作者自身の祖父のアルバムから借りたものだ。「信じるものは、もう何もない」かつて、祖父はそう言っていた。自分自身に言い聞かせるように。1931年から1945年、祖父は当時日本の占領下にあった中国東北部、満州にいた。兵隊として、鉱業会社の事務として、そしてまた、兵隊として。その14年の間に作ったアルバムを、祖父は何冊も残した。

当時を生きた人たちの写真を今見ることは、彼らがどのように生きたのか、また彼らから現代はどう見えるのだろうかと思いをめぐらせることであり、それは同時に、未来の誰かからの、私たちの時代への視線を感じることでもあった。

過去を想像することは、同時に未来からの視線を意識すること。この視点を持つことが、本作を進めていく上での鍵となっていった。

ー副島美樹

©Miki Soejima

©Miki Soejima

[関連イベント]

トークイベント 副島 美樹×河内タカ
11月24日(土) 18:30‒20:00( 18:00より受付)
会場:POST
参加費:1,000円

*要予約。ご参加をご希望の方は post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加人数
を明記のうえお申し込みください。

<略歴>

副島 美樹(そえじま みき)
1980年生まれ、京都出身。
2004年にロンドンへ移住、London College of Communicationで写真の技術を学んだ後、写真を使った作品を制作し始める。2012年、First Book Award を受賞し、『Mrs. Merryman's Collection』をMACKより出版。2014・2015年に Foam Paul Huf Award、2016年にShpilman International Prizeにノミネートされている。近年の主な展示に、Light Work(シラクース、NY)での個展、アルル国際写真祭、Pier94(NY)、Ambika P3(ロンドン)、ロンドン科学博物館、マイケル・ホッペンギャラリー(ロンドン)でのグループ展など。

副島美樹は、写真の説得力、そして私たちの住んでいる世界の基盤となっている構築された物語を導き、紐解くという可能性に取り組んでいる。作品は私たちが物語やイメージを消費する方法や、それらがどのように私たちの生活に影響するかを批判的に反映させるために、写真というメディウムのもつ特徴を取り入れて表現へと昇華させている。


河内 タカ(かわち たか)
高校卒業後、サンフランシスコのアートカレッジへ留学し、卒業後はニューヨークに拠点を移し、現代アートや写真のキュレーションや写真集の編集を数多く手がける。長年に渡った米国生活の後、2011年1月に帰国。2016年に自身の体験を通したアートや写真のことを綴った著書『アートの入り口 アメリカ編』(太田出版)、及び『同 ヨーロッパ編』を刊行。便利堂の東京オフィスを拠点にして、写真の古典技法であるコロタイプの普及を目指した海外事業部に席を置き、ソール・ライターやラルティーグのポートフォリオなどを制作した。

[写真集概要]

タイトル:The Passenger’s Present
著者:副島美樹
デザイン:ハンス・グレメン
定価:5,800円(税別)
判型:128ページ / ソフトカバー / 280 x 200mm
テキスト:英語
発行日:2018年
ISBN:978-94-90119-67-6
出版社:Fw: Books
写真集のご購入はこちら

[mini gallery] 2018/11/1- Chopped Liver Press

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11/1(木)より、POST店内・mini galleryにて、イギリスとベルリンを拠点とするアーティスト・デュオ、Broomberg & Chanarin(ブルームバーグ&チャナリン)による出版プロジェクト・Chopped Liver Press(チョップド・リバー・プレス)のフェアがスタート。
共同企画:twelvebooks

本展の中心をなすアートワークは、ニューヨーク・タイムズ紙からセレクトされた紙面に作家が過去に影響やインスピレーションを受けた引用や格言がレイアウトされ、それぞれ100枚ずつシルクスクリーンで印刷しています。土台となる紙面が一枚ずつ異なるページであることから、エディションが存在しながらも一枚一枚は完全なるユニーク・エディションとなります。

また、Chopped Liver Pressの日本の代理店を務めるtwelvebooksが、ジャパンエディションとして50枚限定のリミテッドポスターを制作。
世界で唯一現存する絶滅鳥類“ドードー”の卵を撮影した作品に、イタリア系ユダヤ人アーティストであり活動家のカルロ・レーヴィによる言葉 “THE FUTURE HAS AN ANCENT HEART(未来にはいにしえの心が宿っている)” をシルバーの箔押しで印刷しています。作家のサイン、ナンバリング入り。

このほか、Broomberg & Chanarinの関連書籍をご覧いただけるスペースをご用意いたしました。
ぜひ足をお運びください。

Broomberg & Chanarin

南アフリカ ヨハネスブルク生まれのアダム・ブルームバーグ(b.1970)とイギリス ロンドン生まれのオリバー・チャナリン(b.1971)によるアーティスト・デュオ。これまでにポンピドゥー・センター(2018, パリ) やハッセルブラッド・ センター(2017, スウェーデン)フーメックス美術館(2014, メキシコ)、アントワープ州立写真博物館(2014, アントワープ)、アムステルダム市立美術館(2006, アムステルダム)などで個展を開催する他、横浜トリエンナーレ(2017)やドクメンタ(2017, カッセル)、ニューヨーク近代美術館(2014, ニューヨーク)、テート・モダン(2015, ロンドン)、光州ビエンナーレ(2012, 韓国)、KW, Institute for Contemporary Art(2010, ベルリン)など国際的なグループ展にも数多く参加。テートやニューヨーク近代美術館、アムステルダム市立美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館、国際写真センター、オンタリオ美術館などに作品が所蔵されている。2013年に作品集「War Primer 2」 (MACK)でドイチェ・ベルゼ写真賞をアーティスト・デュオとして初めて受賞し、2014年には作品集 「HOLY BIBLE」(MACK)にてICPインフィニティ・アワードを受賞。自ら出版社「Chopped Liver Press」 を運営。
2014年11月よりLISSON GALLERY(ロンドン)に所属。
www.broombergchanarin.com
www.choppedliverpress.com

[New Publisher] 2018/10/31- Fw: Books

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10/31(水)より、オランダ・アムステルダムを拠点とするFw: Books(エフダブリュー・ブックス)の出版社特集がスタート。

今回は出版社の創立10周年に合わせて限定アイテム「Return to Sender」を用意しました。
主宰のHans Gremmen(ハンス・グレメン)は通信販売で発送し、受取人の事情によって配達できず差し戻しになった貨物を開封せずに、すべてそのまま保管していました。
その中には既に絶版となって入手困難・貴重になっている写真集も多く含まれています。この「Return to Sender」の中には、市場価格が15万円以上となっている写真集を含む、絶版のタイトルが梱包されています。

詳細・オンラインからのご購入はこちら

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To Celebrate the 10th anniversary of FW books, we are pleased to deal in limited item, it’s called [Return to sender].
It is a package which was supposed to be delivered but returned to FW:Books due to several reasons of participants.

Hans Gremmen who is a graphic designer and an owner of FW books has kept all of the packages unopened and stored it for long time. In those packages, there are books that are our of print, and difficult to find or get now.
[Return to Sender] include 1 copy of out of print title from the list below, some of them are valued over 1,300 dollars today.

[Pop Up Event] 2018/10/27-11/11 POST×SLOWHOUSE 感じる本と魅せる収納

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この度、東京・天王洲にあるSLOWHOUSEにて、ポップアップストア「感じる本と魅せる収納」を開催する運びとなりました。

店頭でも反響の高いタイトルや、マスターピースとも言える普遍的な魅力を携えたタイトルなど、いずれもたたずまいの美しく、インテリアとも親和性の高いアートブックを選びました。
ぜひ足をお運びください。

POST×SLOWHOUSE 感じる本と魅せる収納
会期:2018/10/27(土) - 11月11日(日)
会場:SLOWHOUSE
   140-0002 東京都品川区東品川2-1-33
   (りんかい線、東京モノレール・天王洲アイル駅より徒歩約5分)
時間:11:00-20:00

[Exhibition / Start] Marijn van Kreij / Nude in the Studio

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本日10/26(金)より、Marijn van Kreij(マライン・ファン・クライ)の展覧会「Nude in the Studio」がスタート。

作家もオランダ・アムステルダムより来日し、今夜19:00からのオープニングレセプションに参加します。
お誘い合わせのうえ、ふるってお出かけください。
皆さまのご来場をお待ちしています。

[Exhibition] Marijn van Kreij / Nude in the Studio

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この度POSTでは、オランダ・アムステルダム在住のアーティスト、Marijn van Kreij(マライン・ファン・クライ)の展覧会「Nude in the Studio」を開催いたします。

©︎2018 Marijn van Kreij All Right Reserved

マラインはオランダ・アムステルダム在住の作家で、ドローイング、ペインティング、コラージュ、映像作品など様々な方法で作品を発表しています。
過去にはアムステルダム、ベルリン、ハーレム、ロンドン、チューリッヒなど、様々な都市での展示経験があり、2013年にはダッチ・ロイヤル・アワード、2016年にはABN AMROアートアワードを受賞するなど、注目を集めているアーティストです。

本展では、ピカソが描いた彼のスタジオ風景に対する、オマージュのドローイング作品とその作品集を発表致します。

ピカソは1955年に自身のスタジオを、カンヌにある20世紀前半に建てられたヴィラへと移します。
そのスタジオにはアールヌーヴォー様式の大きい窓があり、庭のサボテンやユーカリ、ヤシの木を望むことができたと言います。
ピカソはその窓からの景色をインテリア・ランドスケープと呼び、作品に多数残しています。
マラインはピカソの後期の作品集を多く収集しており、そこで目にしたのがこのインテリアランドスケープでした。
彼は反復と変化を通して’’描く’’という行為自体に着目しているアーティストであるので、
画集のなかで一枚気になる絵に出会うと、それを何枚も書き続けます。
反復と少しずつの変化が生じた作品が一堂に並ぶと、一つのかたまりのように見えてくるのです。
描くということを運動としてとらえているマラインの作品は、ギャラリーの壁に掛けられても生き生きとその空間に変化をもたらします。

©︎2018 Marijn van Kreij All Right Reserved

また、本展と同タイトルの作品集は、作品が描かれたポストカードをリングバインド(製本)したもので、このデザインは彼が以前友人からもらった一枚のポストカードがインスピレーションとなっています。
そのポストカードがきっかけで一緒に海岸まで散歩に出かけた女性が、今のパートナーであり、そのポストカードも本の中から切り取られたものだったと言います。

今回の展示は6月から9月にオランダのMarresで行われたものと同じシリーズですが、展示空間と作品、またそこに訪れる人によってお互いを変化させると考えているマラインは、東京という街での展示によって引き起こされる相互作用をとても楽しみにしています。

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<展覧会概要>
Marijn van Kreij / Nude in the Studio
会期:2018年10月26日(金) - 11月11日(日)
オープニングレセプション:2018年10月26日(金) 19:00-21:00
会場:POST
   〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:12:00 - 20:00
定休日:毎週月曜日
協力:オランダ大使館

<書籍概要>
タイトル:Nude in the Studio
著者:Marijn van Kreij
デザイン・編集:Akiko Wakabayashi
定価:2,000円(税別)
判型:28ページ / リングバインド / 210 x 170mm
テキスト:英語
発行日:2018年

ISBN:978-90-828134-2-5

発行元:Marres, Maastricht

<作家略歴>
Marijn van Kreij(マライン・ファン・クレイ)

オランダ生まれ、アーティスト。
ドローイング、ペインティング、コラージュ、オブジェクト、スライドプロジェクション、音と映像作品など様々なジャンルの作品を組み合わせて展示や本で発表する。
また多くの場合、他のアーティストやデザイナー、作家やミュージシャンと共に活動する。
http://www.marijnvankreij.nl

[Exhibition] 渡部睦子 / NETTING AIR ー FROM THE LOW LAND:空を編むー低い土地から

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この度POSTでは、オランダ・アムステルダムを拠点に活動するアーティスト・渡辺睦子の展覧会「NETTING AIR ー FROM THE LOW LAND:空を編むー低い土地から」を開催します。



渡部はアートを介し異なる国や文化、コミュニティを訪れ、「地元の人に何かを教えてもらう」ことをキーワードにさまざ まな形態を用いて作品の制作を試みています。アムステルダムにあるロイドホテル&カルチャーエンバシーで初めてのアーティスト・イン・ レジデンスの作家として制作した《ロイド・ライフ》(2010年)や、2018年には老舗写真美 術館であるハウス・マルセイユ写真美術館(オランダ)で展示を開催するなど、精力的に発表の場を広げています。 はじめてとなる作品集の発売を記念した本展では、ハウス・マルセイユ写真美術館で展示された新作《The Third House Owner》のプレビュー・バージョンの映像作品や、代表作のひとつ 「Survival Net Project」を、POSTの空間ならではの鮮やかな構成で紹介します。

Installation view of The Third House Owner, 2018, Huis Marseille Museum for Photography, Amsterdam
© Chikako Watanabe

<展覧会概要>
渡部睦子 / NETTING AIR ー FROM THE LOW LAND:空を編むー低い土地から
会期:2018年9月28日(金) - 10月21日(日)
オープニングレセプション:2018年9月28日(金) 19:00-21:00
スペシャル・パフォーマンス:MAMIUMU
会場:POST
   〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:12:00 - 20:00
定休日:毎週月曜日
協力:オランダ大使館

<書籍概要>

23年の間に制作してきた作品の中から「Survival Net Project」、「Tide」、「Lloyd Life」、「Island Tracing」、「Dog Folly」の5つのプロジェクトを選び、アイデア・スケッチや、リサーチの様子、 実際の展示風景やパフィーマンス写真などと共に、自身が書き下ろしたふんだんなテキストを交え、構成された作品集。

5プロジェクトごとに、彼女の制作に関わってきたアートディレクターや知識人による寄稿文 も収録。巻末には主だった活動一覧を写真とテキストで掲載し、これまでの制作を多角的に掘り下げた一冊となりました。

執筆陣:アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ(言語学者)、マシャ・ルーシンク(美術史家)、スザンヌ・オクセナー(キュレーター / アーティスティック・ディレクター)、原久子(アートプロデューサー)、イヴォンヌ・トゥイスク(アラード・ピアソン博物館財務責任者)

タイトル:Netting Air - From the Low Land 空を編むー低い土地から
著者:渡部睦子
執筆:アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ、マシャ・ルーシンク、スザンヌ・オクセナー、 原久子、 イヴォンヌ・トゥイスク

デザイン:ヒロイクミ
定価:4,800円(税別)
判型:B5判タテ / ハードカバー(コデックス装) / 142ページ
テキスト:日英
発行日:2018年9月

ISBN:978-4-908062-21-6

発行元:HeHe / ヒヒ



<作家略歴>

渡部睦子(Chikako Watanabe)


1969年愛知県刈谷市生まれ。
1992年京都市立芸術大学美術学部工芸陶磁器科卒業、1994年同大学大学院美術研究科修了。
2002年ライクスアカデミー(オランダ国立芸術アカデミー)アムステルダム修了。
1995年よりオランダを拠点に活動。
制作するプロセスを重視し、偶然にそこで見つけたものから生まれてきた作品は、新しいコミュニケーションのツールとなっている。その土地で出会った年齢や職業など多岐にわたる人々や、またミュージシャンやクリエイターとのコラボレーションを重ねながら、記憶と現実が交 錯する「場」を創造している。
美術館やギャラリーのみならず、公共空間でも作品制作を依頼され、国内外で展示・発表している。オランダ・アムステルダム在住。
www.chikahome.nl/

[Talk Event] here and there vol.13 HYACINTH REVOLUTION issue: 発行記念トークイベント

Added on by Yusuke Nakajima.

創刊から15年を超えるバイリンガルのインディペンデント・メディア『here and there』。3年ぶりの最新刊vol.13刊行にあたり、主宰する林央子のパーソナルな編集姿勢をさまざまな側面からゲストとともに考えるトークイベントを開催します。

私は2017年から2018年にかけての冬、いろいろな人にいろいろなタイミングでこえをかけてヒアシンスを育ててもらう、という行為を数ヶ月続けた。…人と出会うこと、人に話しかけること、人とつながることで、どうにもならないと思い込んでいた事態が発展をみたり、好転へのきっかけにつながること。私がしばらく『here and there』をつくらず潜伏していた期間には、そんなことを痛感する体験が何度も訪れました。…結果を予想出来ない事態や、予想をこえた出来事を、ドキドキしながら見守る時間を、ひとりひとりの生活のなかで見せてくださったみなさまに、こころから感謝いたします。この一冊を手にとってくださったみなさまもまた、日々、気がつかないうちに出会いのなかで、新たな種子を蒔いているのです。ちょっと足をとめてあたりをみまわし、そんなことを想像していただくきっかけになればと思ってこの一冊を編んでいました。楽しんでいただければ幸いです。

(林央子 序文「ヒアシンス革命のこと」より抜粋)

<トークイベント>

here and thereの編集

13冊目にあたる最新号HYACINTH REVOLUTION issueにおける参加型メディアとしての編集姿勢と制作過程(主婦・アーティスト・編集者など周囲の人々にヒアシンスの育成を誘いかけながら一冊を編みあげていく作業)について語り明かします。

日時:2018年9月9日(日) 15:00 - 16:30(受付は14:30スタート)
会場:POST 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3-1F
登壇者:伊藤貴弘、林央子
要申込
定員:35名
参加費:1,000円

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プロフィール

伊藤貴弘(いとう・たかひろ)
1986年東京生まれ。武蔵野美術大学美術館・図書館を経て、2013年より東京都写真美術館に学芸員として勤務。主な企画展に「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」「いま、ここにいる」など。森栄喜、ミヤギフトシほか参加予定のグループ展「小さいながらもたしかなこと」を準備中。

林央子(はやし・なかこ)
編集者。1966年生まれ。自身の琴線にふれたアーティストの活動を新聞、雑誌、webマガジンなど各種媒体への執筆により継続的にレポートする。資生堂『花椿』編集部に所属(1988-2001)の後フリーランスになり、2002年『here and there』の出版を開始。著書に『拡張するファッション』ほか。
hereandtheremagazine.com

 

アーティストの本づくりと、編集の自由
アーティストが自主的に企画する本と、編集者が自発的に企画する雑誌。それぞれの作品の個性について語り合いながら、編集の自由について考えます。

日時:2018年9月16日(日) 15:00 - 16:30(受付は14:30スタート)
会場:POST 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3-1F
登壇者:田村友一郎、大谷将弘(PUGMENT)、林央子
要申込
定員:35名
参加費:1,000円

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プロフィール

田村友一郎(たむら・ゆういちろう)
1977年富山県生まれ。熱海市在住。アーティスト。既にあるイメージや素材に独自の関係性を導き出し再構築することで時空を超えた新たな風景や物語を立ち上げる。
damianoyurkiewich.com


PUGMENT(パグメント)
1990年東京生まれの大谷将弘(おおたに・まさひろ)と今福華凛(いまふく・かりん)が設立。ファッションにまつわるイメージと人間の営みにより衣服の在り方が変化する過程を制作行程に組込み、既にあるものに別の視点を持つための衣服を発表する。
pugment.com

参加をご希望の方は post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加希望日:9/9(日) or 9/16(日)
・参加人数
・登壇者への質問事項
を明記のうえお申し込みください。

皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。

[Pop Up Event] 2018/8/1 - 9/30 POST in Kyoto

Added on by Yusuke Nakajima.

2017年11月から2018年1月にARTS&SCIENCEが展開する&SHOP Kyotoにて開催した「POST in Kyoto」。
2018年夏にも開催する運びとなりました。
真夏の暑い時期、じっくり本と向き合っていただけるような機会となれば幸いです。
ぜひ会場へと足をお運びください。

 

POST in KYOTO
会期:2018/8/1(金) - 9月30日(日)
会場:&SHOP Kyoto
   604-0922 京都府京都市中京区木屋町通二条東入東生洲町 482-3
   (地下鉄東西線 京都市役所前駅より徒歩5分)
時間:11:00-19:00

今回は会期前半にPOST、後半にSPOTの特集を軸に展開します。

POST_Radius Books
アメリカ南部のニューメキシコを拠点にする出版社「Radius Books」に焦点をあて、写真と現代美術を主軸にセレクト。密度の濃いコンテンツを端正な佇まいが支える丁寧な編集と冴えたブックデザインを得意とする、完成度の高い美しいアートブックの数々をご紹介します。

SPOT_Yoshihisa TANAKA
一冊の本が出来上がる過程で、仕上がりを決定づける大きな役割を担うデザイナー。本企画ではPOSTのアートディレクターでもある田中義久氏を特集。ここ数年で100タイトルを超える写真集やアートブックのデザインを手がけ、様々な企業、イベント、プロジェクトのアートディレクションでは企画構想や運営から関わっているという田中氏。その取り組みを紹介しつつ、彼の独自性の高い表現をご覧いただきます。
 

[Talk Event] 2018/8/3(金): 市川孝典×小瀬村晶(Akira Kosemura)×中島佑介(POST)

Added on by Yusuke Nakajima.

2018/7/27(金)より開催いたします市川孝典個展「Hello, stranger!」の会期中関連イベントとして、8/3(金)19:00よりトークイベントを開催する運びとなりました。
ゲストには、音楽家のAkira Kosemura(小瀬村晶)氏をお招きいたします。
お誘い合わせのうえ、ふるってご参加ください。

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<トークイベント>
日時:2018年8月3日(金) 19:00 - 20:30(受付は18:30スタート)
会場:POST 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3-1F
登壇者:市川孝典、小瀬村晶(Akira Kosemura)、 中島佑介(POST)
要申込
定員:35名
参加費:1,000円

ご参加をご希望の方は post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加人数
を明記のうえお申し込みください。

プロフィール

小瀬村晶(Akira Kosemura)

1985年6月6日東京生まれ。
在学中の2007年にソロ・アルバム「It’s On Everything」を豪レーベルより発表しデビュー。同年、自身のレーベル「Schole Records」を設立。以降、ピアノや弦楽器、シンセサイザー、フィールドレコーディングを用い、様々なジャンルをクロスオーバーさせた作品を数多く発表し好評を博す。映画音楽や舞台、CMなどでの分野でも活躍し、主な作品に、柳楽優弥が主演した映画「最後の命 (松本准平監督)」、佐藤勝利と橋本環奈がW主演した映画「ハルチカ (市井昌秀監督)」、コンテンポラリーバレエ公演「MANON (キミホ・ハルバート演出/振付)」、au 三太郎 TV-CM、ミラノ万博日本館展示作品などがある。近年では、IKEA、NIKON、KINFOLK、RADOといった国際企業とのコラボレーションも多く、米国音楽メディア「Pitchfork」、豪州最大規模の発行部数を誇る新聞紙「THE AGE」、フランス公共放送「FIP」にてその才能を賞賛されるなど、国内外から注目される作曲家である。2016年には、米アーティスト、デヴェンドラ・バンハートを客演に迎えたシングル「Someday」を発表。2018年7月現在、米テレビシリーズ「Love Is___」の音楽を担当し、オプラ・ウィンフリー・ネットワーク(OWN)にて全米オンエア中。

[New Publisher] Radius Books

Added on by Yusuke Nakajima.

7/10(火)より、新しい出版社の特集がスタートしました。
今回はアメリカのニューメキシコを拠点とする[Radius Books]です。写真と現代美術を主軸とした、丁寧な編集と冴えたブックデザインが特徴的なアートブックがラインナップ。今回は約50タイトルを展開しています。

[Exhibition] KOSUKE ICHIKAWA EXHIBITION by POST “Hello, stranger!”

Added on by Yusuke Nakajima.

この度POSTでは、市川孝典個展「Hello, stranger!」を開催いたします。
また本展の会期中には、QUIET NOISE(東京・池ノ上)にて市川の個展「street cred」を同時開催いたします。

left [POST出展予定作品]:
untitled(scenery) 2018 Ink,acrylic,watercolor and pastel on paper mounted on wood frame 403mmx352mm ©2018 Kosuke Ichikawa All Right Reserved.

right[QUIET NOISE出展予定作品]:
untitled(man) 2018 Ink,acrylic,watercolor and pastel on paper 140mmx120mm ©2018 Kosuke Ichikawa All Right Reserved.

「時間と記憶」をテーマに制作を続けている市川が、今回記憶の断片として紙上に表出したのは、 自身が見たSNSのロード中の画像でした。

ロード中のぼやけた画面の中には、「自身の記憶と他者の記憶の重なり」を感じると言います。
SNSのイメージがスクリーンに立ち現れる前のほんの一瞬、 そしてその「記憶と時間のズレ」から生まれた自身の感情の揺らぎは、 どこか儚く、色っぽい。

今回、市川の作品に魅せられた2つのギャラリーが彼の作品を各々の空間に展示いたします。
POSTでは15点を、QUIET NOISEでは100点を超える小作品を展開します。

それぞれのディレクションを通して、市川孝典の最新作を是非ご高覧ください。


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せっかちな性分ゆえに、SNS上で画像がアップロードされるまでのあのわずかな時間さえもじれったく感じてしまう。
「早く見たい、知りたい」と好奇心が募り、気持ちがはやる。
時が止まったかのように思わせる、あの長い永い待ちのひとときに慣れることなどないのだろう。
そう決め込んでいたわたしに、市川の作品は新しい風をもたらしてくれた。
ロード中のぼやけた他者の記憶は、自らの記憶をたどる時空を超えた旅へと誘ってくれる。
記憶のなかだけでは、知るよしもない他者と自己とが混じり合うことができるのだ。
そう捉えてみると、あの一瞬のもどかしさがドラマチックな邂逅の一幕に変わる。
彼のちょっぴり切なさを感じさせるこの作品は、生き急ぐうちに見落としてきた大切なことをそうっと教えてくれる。
 

POSTストアマネージャー 錦 多希子

[POST出展予定作品]
untitled(flower) 2018 Ink,acrylic,watercolor and pastel on paper mounted on wood frame 600mmx485mm ©2018 Kosuke Ichikawa All Right Reserved. 


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<展覧会概要>
KOSUKE ICHIKAWA EXHIBITION by POST “Hello, stranger!”
会期:2018727()-819()
会場POST
   〒150-0022
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:12:00 - 20:00
   ※2018/7/19(木)更新:DM記載内容に誤りがございました。正しくは上記のとおり20:00までの営業です。訂正してお詫び申し上げます。
定休日毎週月曜日
オープニングレセプション:2018727() 19:00-21:00
 

<トークイベント>
日時:2018年8月3日(金) 19:00 - 20:30(受付は18:30スタート)
会場:POST
登壇者:市川孝典×小瀬村晶(Akira Kosemura)×中島佑介(POST)
詳細はPOSTホームページにてご確認ください。
 

[QUIET NOISE出展予定作品]
untitled 2018 Ink,acrylic,watercolor and pastel on paper 150mmx120mm ©2018 Kosuke Ichikawa All Right Reserved.


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【同時開催】
KOSUKE ICHIKAWA EXHIBITION “street cred” by QUIET NOISE
会期:2018年8月3日(金)-8月12日(日)11:00-20:00 ※土日祝のみ営業・平日アポイント制
会場:QUIET NOISE arts and break
   〒155-0032 東京都世田谷区代沢2-45-2 1F
展覧会URL:http://www.quietnoise.jp/event/kosuke-ichikawa-exhibition-street-cred-by-quiet-noise.html


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曖昧で不鮮明なイメージが鮮明に描かれているこのシリーズを初めて見た瞬間、懐かしいわけがないはずなのになぜか若干の懐かしさを感じ、
そして同時に潜在的にあったのかもしれない遠い記憶や、想像が生み出した無いはずの記憶が頭を一瞬よぎり、その作品の美しさと怖さに涙を流した。
あの体験はなんだったのだろうと今でも思う。

水性インクをメインにパステル、アクリル絵具、淡彩などで描き、そこから更にヤスリで削りまた描きを繰り返す本シリーズは、
他人の記憶から自分の記憶、そしてそれがまた他者の記憶へとすり替えられていくという記憶と時間のズレを表現しており、
鑑賞者の想像力を働かせ、見る人それぞれが様々な感情を生み出す作品であると私は思い、再びこのシリーズの作品たちと対峙できることにとても興奮している。


QUIET NOISEディレクター 井上竜介


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写真:鬼海弘雄

<作家略歴>

市川孝典 / KOSUKE ICHIKAWA


日本生まれ。美術家。
13歳の時に、鳶職で貯めたお金をもって、あてもなく単独でニューヨークへ渡る。 アメリカやヨーロッパ各地を遍歴する間に、絵画に出会い、後、さまざまな表現方法を用いて、独学で作品 制作に取り組む。 帰国後、その類いまれなる体験をした少年期のうすれゆく記憶をもとに、線香の微かな火を使って絵を仕立てる新しいスタイルで発表した作品は、「現代絵画をまったく異なる方向に大きく旋回させた〈線香画〉と称され、メディアに大きく取り上げられるなど、国内外で熱い視線を浴びている。

http://www.ichikawakosuke.com
https://instagram.com/kxixdxs

[Exhibition] Takashi Homma /その森の子供

Added on by Yusuke Nakajima.

7/2より、ホンマタカシが2011年に発表した作品集「その森の子供」を展示販売します。

その森の子供02.jpg

2011年にホンマタカシが発表した「その森の子供」は、震災後の福島の森とそこに生えるきのこを撮影したシリーズです。代々木のBlind Gallery(現在は閉廊)のオープニング展でこの作品は発表され、同タイトルの写真集も刊行されました。

カバーの色は「森」を連想させるグリーンと「きのこ」を連想させるベージュの2色で展開、タイトルと作家名に引かれた消し線が特徴的なブックデザインは田中義久によるもので、彼はこの写真集で2013年のJAGDA賞(ブックデザイン部門)を受賞しています。

950部制作されたソフトカバーの通常版はすでに絶版となっていますが、この度同時期に制作した50部限定の豪華版がギャラリーの倉庫からデッドストックで見つかりました。展示の会期中に会場でのみ販売されていたこの豪華版はハードカバーの仕様で、キャビネサイズのプリントが一枚付属しています。

今回POSTでは、付属するプリントをすべて異なる作品に変更した、特別仕様の豪華版を展示販売します。また、これまでにホンマタカシが出版してきた写真集に、収録作品から1点のプリントが添付したスペシャルエディションも合わせて展示します。

会期:2018年7月3日(火)〜7月22日(日)
営業時間:12:00 〜20:00 月曜休