ARTS&SCIENCEが展開するARTS&SCIENCE DAIKANYAMAと&SHOP Kyotoの両店舗では、POSTがセレクトした書籍が展示・販売されております。
お近くにお出かけの際はせひご覧ください。
&SHOP Kyoto
ARTS&SCIENCE DAIKANYAMA
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ARTS&SCIENCE DAIKANYAMA
日頃よりPOSTに関心をお寄せいただきありがとうございます。
2020年の年内最終営業日は12月27日(日)となります。 新年は1月5日(火)より営業開始いたします。
なお休業中にオンラインストアにてご注文いただきました商品の発送は1月5日(火)以降となります。
今年も1年ご愛顧いただきありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
来る年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますように。
10月2日(金)よりスペクターブックス(Spector Books)の特集が始まります。
スペクターブックスはドイツのライプツィヒを拠点に活動している出版社で、2011年に設立されました。
彼らは本というメディアを「集積された知識の成果のためのステージ」と捉えており、アート、セオリー、デザインの交差点に位置した出版活動を行なっています。
バウハウスに関連した書籍など、デザインの領域の本が充実している一方、写真を使った実験的な作品集などさまざまなジャンルの本を発表し続けています。
今回は2014年以降に出版されたタイトルの中から75タイトルを紹介する予定です。
この機会にみなさまのお越しをお待ちしております。
協力 : twelvebooks
この度POSTでは、写真家・川内倫子による作品集『as it is』の出版を記念し、展覧会を開催いたします。
©︎Rinko Kawauchi
【展覧会概要】
川内倫子「as it is」
会期:2020年9月4日(金)~2020年10月11日(日)
会場:POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:11:00-19:00
定休日:毎週月曜日
©︎Rinko Kawauchi
『as it is』は、川内倫子が自身の出産から約3年間、子育ての中で出会った子どもの姿や身近な風景を撮りためて 構成した新作写真集となります。初写真集『うたたね』(2001年)から20年という歳月の中で、日常の出来事か ら外の世界へとまなざしを向けながら、近作『Halo』(2017年)では、遠い宇宙を感じさせるイメージを切り開 いてきました。そこから『as it is』ではもう一度、自身の子どもや家族とともに、目の前の日常風景を見つめ直し、原点に立ち返っています。
3歳になるまでの子どもは、自我が芽生え始めながらも社会とは無縁に生きる、生の塊のような眩しさを持ち合わ せています。本作は、現在進行形で綴る家族の物語でありながら、子どもという生命力溢れる存在の普遍性にも 迫っています。四季の移り変わりを通じて出会う自然と光の美しさ、暮らしの中で見つける小さな生き物たち、 初めて体験する死という出来事―それらのささやかな物事に宿る生命の美しさと、その気づきから積み重なって いく日々。何気ない日々の切実さを改めて大切に思う現在だからこそ、これまでの風景が違う層を見せながら、 新しい時代を生きる私たちに寄り添います。
会場では作品集『as it is』の先行販売も行います。
この機会にみなさまのお越しをお待ちしております。
【写真集概要】
タイトル:as it is
アーティスト:川内倫子
デザイン:若林亜希子
仕様:230 x 180mm/ソフトカバー(フランス装)
144P+テキスト差し込み18P
言語:日本語
定価:3,000円+税
ISBN978-4-907562-24-3 C0072
https://www.torchpress.net/product/2125/
©︎Rinko Kawauchi
【作家略歴】
川内倫子(Rinko Kawauchi) 1972年、滋賀県生まれ。写真家。2002年、『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞受賞。2009年に第25 回ICPインフィニティ・アワード芸術部門を受賞するなど、国際的にも高い評価を受け、国内外で数多くの展覧会を 行う。
主な個展に、2005年「AILA + Cui Cui + the eyes, the ears,」 カルティエ現代美術財団(パリ)、2012年「照度 あ めつち 影を見る」東京都写真美術館、2016年「川が私を受け入れてくれた」熊本市現代美術館などがある。著作は 写真絵本『はじまりのひ』(2018年)、作品集『Halo』(2017年)など多数。
©︎Rinko Kawauchi
この度POSTでは、 G/P+abpによる展覧会、「NEOTOKYOZINE」を開催いたします。
【展覧会概要】
「NEOTOKYOZINE」
会期:2020年8月1日(土)~2020年8月30日(日)
会場:POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:11:00-19:00
定休日:毎週月曜日
主催: G/P+abp、 POST
G/P+abpは、静岡県浜松市にあるG/P galleryと、その出版部門であるartbeat publishersの総称で、2008年の発足から、若手写真アーティストの発掘、サポート、プロデュースに注力してきました。 NEOTOKYOZINEとは、G/P+abpがFUJI XEROXとのコラボレーションにより出版する、写真集のニュープラッ トフォーム・プロジェクトです。
世界のアートブックフェアの盛り上がりとZINEカルチャーの興隆の背景には、安価に高品質な印刷を行うことを 可能にしたデジタル出力機の進化があります。
今回FUJI XEROXの協力により、ハイエンドプロ市場向けデジタルプリンター「Iridesse Production Press」を利用し、必要数に応じた部数のみを継続的に制作できる仕組みを取り入れました。 その新たなシステムを活用したのが、このNEOTOKYOZINEプロジェクトです。
展覧会では、ZINEの展示販売の他に、インスタライブなどのイベントを予定しております。
この機会にみなさまのお越しをお待ちしております。
【出展作家】
伊藤桂司、岡田佑里奈、五木田智央、後藤繁雄、小林健太、鈴木親、港千尋、横田大輔、and more
7月14日(火)より、新しい出版社特集が始まりました。
今回特集をするのはベルギーのブリュッセルを拠点に活動している、Triangle Books。設立されたのは2013年と比較的最近で、アーティストブックやリミテッドエディションを中心に出版を行なっています。
この特集では彼らが過去に出版した37タイトル全てを展示しており、その中にはすでに貴重なタイトルとなっているものも含まれます。
この機会に、みなさまのお越しをお待ちしております。
※新型感染症の拡大防止のためスタッフはマスクを着用し、店内にはアルコールスプレーを設置しております。ご来店いただくお客様にもご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
5月27日より、ヴォルフガング・ティルマンス氏が主催するBetween Bridgesによる、2020Solidarityを開始致します。
020Solidarity by Between Bridgesと題されたこのプロジェクトは、現在の危機的状況に直面している世界の文化的・音楽的施設、コミュニティプロジェクト、その他のインディペンデントスペースを支援するために設立されたものです。
Between Bridgesは写真家のヴォルフガング・ティルマンス氏が主宰する非営利団体で、民主主義、LGBT、アートに関しての知識を広め、理解を得ることを目的としています。
このプロジェクトには数週間で40名以上のアーティストが集まり、彼らがデザインしたポスターをオンライン上で購入することができます。このプロジェクトの立ち上げに際し、日本からは9つのアートスペースが参加することとなりました。
これらのポスターを販売した際の収益は参加施設に贈られ、それぞれの組織またそこに参加するアーティストが現在の危機に対応するために必要と判断した場合に使用されます。
価格:1枚 6,000円(税込)
サイズ:A2 (594 x 420mm)
販売期間:5月27日 - 6月30日
お渡し時期:8月下旬
2020Solidarityのポスターは、以下の参加スペースのウェブサイトから購入することができます。40種類以上のポスターから行われた各団体のセレクトはそれそれにバリエーションがあるので、ぜひ色々な団体のサイトをご覧ください。
ダイトカイ
amala
ASAKUSA
Clinic
IACK
POST
torch press
twelvebooks
Utrecht
Anri Sala / Hearsay (2020)
Luc Tuymans / Technicolor (2012)
現在開催中のNoritakeによる展覧会「WORKS」は会期を6月14日(日)まで延長することとなりました。
また、6月2日(火)からは通常営業を予定しております。営業時間に関しては改めてご案内いたします。
この度、東京都からの外出自粛要請期間の延長を受け、当初5月6日(水)までとさせて頂いていた臨時休業期間を、6月1日(月)まで延長することとなりました。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解頂けますようお願い致します。
この度POSTでは、イラストレーターのNoritakeの初作品集「WORKS」の刊行を記念し、 展覧会を開催いたします。
【展覧会概要】
Noritake: WORKS
会期:
5月1日(金)~ Instagram、オンラインストアにて展覧会スタート
5月7日(木)~ 実店舗での展覧会オープン予定
6月14日(日)まで
※会期が上記日程まで延長となりました。
※コロナウィルスの感染拡大状況により、実店舗での展覧会スケジュールが変更になる可能性がございます。
最新情報は弊社SNSにてご確認くださいませ。
※オープン時は混雑を避けるため、お客様の入店数を制限させていただく場合がございます。ご理解の上、ご来店くださいませ。
※ 実店舗の休業中もオンラインでのご購入、お問い合わせは随時承っております。
会場:POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:12:00-20:00
定休日:毎週月曜日
オンラインストア:www.post-books.shop
Instagram:@post_books
Noritakeは、自主的にプロダクト制作や出版、展示による活動を展開し、イラストレーターの新しいロールモデ ルを実践している点でも注目されています。いち個人が「絵を描くこと」を通じてどのように社会と関係を結べ るのか。Noritakeの活動のあり方は、イラストレーションという行為を改めて社会の中に生産的に位置付けよう としているのではないでしょうか。
デビューから現在にいたるNoritakeの仕事を400ページ以上の圧倒的なボリュームでまとめた初の単著作品集が 「WORKS」です。
「それぞれのプロジェクトが時間や空間を超えて書物という形態の中に編成されることで、どのように解釈され、 どのようなコンテクストに接続されるのか。本書もそのような意味で世界に対して投げかけられたプロジェクト であり、Noritakeのプロダクトである。」
(本書序文より)
本展は、本書に収録された作品群を抜粋し、空間に再編成することで、本書でのプロジェクトを立体的に構築しようとする試みです。また、本展に合わせて制作されたシルクスクリーン作品や「WORKS」特装版も先行販売いたします。
「WORKS」スペシャルエディション
【作品集概要】
タイトル:WORKS
編集:室賀清徳
デザイン:坂田佐武郎(neki inc.)
撮影:成田舞(neki inc.)
通常版
体裁:A5判、並製、432ページ
発行:グラフィック社
刊行日:2020年4月
ISBN:9784766133363
価格:3,200円+税
Special Edition
体裁:A5判、上製、432ページ
ハードカバー函入り、初版500部限定
発行:Noritake
刊行日:2020年5月
定価:8000円+税
【略歴】
Noritake
イラストレーター
モノクロドローイングを軸に広告、書籍、雑誌、 ファッション、壁画など国内外で活動。 デザインやディレクション、作家活動もおこない、 その活動は多岐にわたる。 イラストをもちいたノートなどのプロダクト制作も精力的におこなう。
https://noritake.org/
新型コロナウィルスの感染拡大と、東京都からの外出自粛要請を受け、POSTの実店舗は4月11日(土)以降、5月6日(水)の間臨時休業とさせていただきます。
(当初、4月14日(火)以降の営業再開を予定しておりましたが、状況を鑑み、臨時休業を延長いたしました)
この間もオンラインストア(https://post-books.shop/)はご利用いただけますのでぜひご利用ください。
メールでのお問い合わせも受け付けております。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいませ。
新型コロナウィルスの感染拡大と、東京都からの外出自粛要請を受け、POSTのオンランストアと実店舗は当面の間、以下のように変更いたします。
[オンラインストア] https://post-books.shop/
外出が難しい際にもご来店と同様にご利用いただけるよう、すべてのご注文を送料無料でお届けいたします。
オンラインストアには、本の中をご覧いただける動画を随時追加しております。ご来店が難しい際の内容確認にご活用ください。
※配送は「クリックポスト」「エコ配」「宅配便」のいずれかでお届けいたします。配送業者の指定や、日時指定は承ることができません。ご了承くださいませ。
※送料無料は、予告なく終了することがございます。
※ご注文いただいてから出荷までに、通常よりも時間がかかる可能性がございます。
[実店舗]
4月4日以降、営業日時を以下のように変更いたします。
営業日:火曜日ー金曜日 12時ー19時
休業日:土曜日、日曜日、月曜日
急なお知らせとなってしまいご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解くだいますようお願い申し上げます。
ショーウィンドウのテキストより:
“A book is like a garden carried in the pocket.” from Arabic Proverb
“A book must be axe for the frozen sea within us.” by Franz Kafka
現在開催中の展覧会、アバロス村野敦子「Fossa Magna - 彼らの露頭と堆積」 に関連したトークイベントを3月22日、3月25日に予定しておりましたが、この度開催を延期することと致しました。楽しみにしていてくださった方に、心よりお詫び申し上げます。
現在の時点で、4月上旬以降の開催を予定しておりますので、日程が決まり次第、再度お知らせいたします。
また、店舗の方は通常通り営業をしております。
この度POSTでは、写真作家・アバロス村野敦子による書籍の出版を記念し、「Fossa Magna - 彼らの露頭と堆積」を開催いたします。
© Atsuko Murano Abalos
【展覧会概要】
アバロス村野敦子「Fossa Magna - 彼らの露頭と堆積」
会期:2020年3月6日(金)~2020年4月19日(日)
会場:POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間:12:00-20:00
定休日:毎週月曜日
オープニングレセプション:2020年3月6日(金) 18:00 -20:00
※会期が延長となりました。
アバロス村野敦子は2017年度キヤノンマーケティングジャパン主催の写真家オーディション「SHINES」にて、 造本家・町口覚によって選出されました。その後2年の制作期間を経て、町口が編集・造本設計した写真集が完成。 昨年の11月に開催された世界最大規模の国際的な写真フェア「PARIS PHOTO 」で発表されました。
本書は日本列島の本州中央部を横断している地溝帯、「フォッサマグナ」が中心テーマとなっています。その地 溝帯を発見したドイツ人地質学者のエドムント・ナウマン、彼がフォッサマグナを発見した時のエピソードに心 惹かれリサーチと撮影を行なったアバロス村野敦子、そして彼女の夫であるアバロス・ カルロが書いたテキスト。 3つの要素が重なり合い、多層的な特徴を持つ作品集となりました。
展覧会では、本の世界観を立体的に表現し、また仕様が変更された同書を販売いたします。 展覧会初日にはレセプションパーティーの開催も予定しております。 みなさまのお越しをお待ちしております。
【写真集概要】
タイトル:
Drifting across the sea,
Searching for a place to belong.
Finding a new home,
And calling it their own.
Just like the Fossa Magna,
Years gone by,
Layer by layer,
Unseen, but to be known.
アーティスト:アバロス村野敦子
編集・造本設計:町口覚
デザイン:浅田農(MATCH and Company Co., Ltd.)
テキスト:英語(別冊:日本語)
発行年:2020年
【写真集仕様】
・POST Edition (in Black & White) 限定100部
B5変形判
ソフトカバー
167mm x 257mm
全68ページ
日本語訳冊子付き
¥ 3,000 (税抜)
・POST Special Edition (in Color) 限定10部
B5変形判
ハードカバー(赤色バージョン)
176mm x 263mm
全68ページ
日本語訳冊子付き
¥ 9,000 (税抜)
【関連トークイベント】
※トークイベントの開催は延期となりました。
日時:2020年3月22日(日) 14:00- 15:30
登壇者: 竹之内耕、四方幸子、アバロス村野敦子
参加費:1,000円 (当日、現金のみ)
日時:2020年3月25日(水) 18:30- 19:45
登壇者 町口覚、田中義久、アバロス村野敦子
参加費:1,000円 (当日、現金のみ)
会場:POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
ご参加をご希望の方は、post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加希望日
・参加人数 を明記のうえお申し込みください。
※イベントの開催はキャンセルとなる場合がございます。ご了承ください。
© Atsuko Murano Abalos
【展覧会テキスト】
東京という大都市の下に「大きな溝」が横たわっている。
東京を含む日本列島の本州中央部に横たわる地溝帯のことを「フォッサマグナ」(ラテン語でFossa=溝、 Magna=大きな)といいます。名付け親であるドイツ人地質学者のエドムント・ナウマン(Edmund Naumann, 1854-1927)は明治初期に来日した際、日本の地質研究の調査の途中で立ち寄った長野・野辺山にて一夜を過ご しました。翌朝、出発しようと外にでたときにその目に飛び込んできたのは、立ちはばかる大壁のような南アル プスでした。そして、自身はその壁の下の幅広い低地の縁に立っている。巨大な地溝帯、すなわちフォッサマグ ナの存在に気がついた瞬間でした。
人々が漠然と見ていた光景が、彼の目には違う意味をもつものとして映っていた--。写真を通じて「みること 」についてを繰り返し考えてきたアバロス村野敦子は、ナウマン氏の発見当時のエピソードに強く惹きこまれま した。彼の「みたもの」の正体を探し求め、自らも「みたい」。内奥から湧き上がるその希求に突き動かされ、 フォッサマグナにまつわるリサーチと撮影をはじめました。 それを続けるうちに、彼女は「『みている』と思っているものの多くを本当にはみていないのだ」と幾度となく 思いました。けれどもみえないものの存在が「理解」や「感覚」によってみえてくる。フォッサマグナの露頭 (=地表に露出した箇所)を通じて、「みえ」やその「差」について考察するようになりました。「私たちはそ れでもやはり 「みること」で何かに繋がってゆけるのだ」と。
やがて、彼女は自らが暮らす東京での日常に目を向けるに至りました。地殻変動による隆起、海底火山の噴火、 噴火物の堆積によって溝が埋められ、ついにはその陸地がふたつの分断された土地をつなげる。こうした過程を 経てできた新しい土地のうえにある東京で、これからも生活は続き、同時に地殻変動も絶えずなされていく。 日々立ち現れるイメージを「露頭」に、そして積み上がっていくものを「堆積」と捉え、これからもずっと、層 をなすように作品制作を積み重ねていくのです。
写真集の中面において、写真イメージ同士の隙間を埋めるように配置されたテキストは、夫のアバロス・カルロ によるもの。ふたりの何気ない日常の断片が垣間見られることばのかけらたちが、本作の持つ多層的な内容の一 部をなし、「溝を埋める」という重要な装置として機能しています。
© Atsuko Murano Abalos
【作家略歴】
プロフィール
兵庫県宝塚市出身。聖心女子大学文学部卒業後、商社勤務を経て渡米。留学先であるアート・インスティチュー ト・オブ・シアトル(AIS)ではコマーシャル・フォトグラフィを専攻し、同校卒業後はシアトルの白黒写真専門ラ ボでプリンターとして経験を重ねる。帰国したのちは日本国内で商業写真撮影、海外での雑誌取材を中心とした 活動を展開し、その後本拠地をシンガポールに移す。2013年以降は活動の場を東京に戻し、現在は写真作家とし て表現の幅を広げる。
作家活動
アバロス村野敦子の芸術的実践は、「人々が人生で出くわすさまざまな出来事」に着目することからはじまる。 かつて自らが経験してきたこと、現在我が身に起こっていること、世界で起こっていること...。主に本人が実際 に体験したり見聞した出来事を基礎として、ドキュメンタリー的手法を用いながらまるで物語を紡ぐようにオリ ジナルの作品世界をつくりあげる。複数の写真、ときに学術的著述や散文的なテキストが差し込まれることによ り生まれる表現は、ひとつのまとまりでこそ成立し、コンセプトを的確に訴求する役目を果たす。この点におい て、写真の機械性を活用した作品だと言えるだろう。コンセプトをかたどるシークエンスは、作家のみならず、 鑑賞者をも含む各人の体験にあまねく通底する共通項、すなわち相似性を暗に示す。
【トークイベント】
2020年3月22日(日) 14:00- 15:30
トーク:「フォッサマグナ- みえることとみえないことの往還」
竹之内耕(たけのうち・こう)
新潟県糸魚川市フォッサマグナミュージアム学芸員 専門は地質学(理学博士)。 フォッサマグナや糸魚川-静岡構造線、自然災害など過去から現在に至る地殻変動 を研究。「フォッサマグナってなんだろう」(展示解説・フォッサマグナミュージアム)執筆。
四方幸子(しかた・ゆきこ)
キュレーティングおよび批評 京都府出身。現在、オープン・ウォーター実行委員会ディレクター、美術評論家連盟主催2020年度シンポジウム 実行委員長、多摩美術大学および東京造形大学客員教授、明治大学兼任講師、IAMAS(情報科学芸術大学院大学) 非常勤講師、Montalvo Arts Center(米国)滞在キュレーター(2019ー2022)。アートと科学を横断する数々の 展覧会やプロジェクトをキヤノン・アートラボ(1990-2001)、森美術館(2002-04)、NTTインターコミュニケー ション・センター[ICC](2004-10)キュレーター、またインディペンデントとして国内外で実現。国内外の審査 員・共著多数。近年の仕事に、札幌国際芸術祭2014アソシエイト・キュレーター、KENPOKU ART 2016 茨城県 北芸術祭キュレーター、AMIT(Art, Media and I, Tokyo)(2014-2018)ディレクターなど。
2020年3月25日(水) 18:30- 19:45
町口覚(まちぐち・さとし)
グラフィックデザイナー、パブリッシャー 1971年東京都生まれ。デザイン事務所「マッチアンドカンパニー」主宰。森山大道、蜷川実花、大森克己、佐内 正史、野村佐紀子、荒木経惟などの写真集をはじめ、映画・演劇・展覧会のグラフィックデザイン、文芸作品の 装丁などを幅広く手掛け、常に表現者たちと徹底的に向き合い、独自の姿勢でものづくりに取り組んでいる。 2005年、自ら写真集を出版・流通させることに挑戦するため、写真集レーベル「M」を立ち上げると同時に、写 真集販売会社「bookshop M」を設立。2008年より世界最大級の写真の祭典「PARIS PHOTO」にも出展しつづけ、 世界を視野に“日本の写真集の可能性”を追求している。2009年・2015年に造本装幀コンクール経済産業大臣賞、 2014年東京TDC賞など国内外の受賞多数。
田中義久(たなか・よしひさ)
グラフィックデザイナー 1980年静岡県生まれ。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。主な仕事に美術館などの文化施設のVI計画、 ブックショップの共同経営、アートフェなどのアートディレクションのほか、アーティストの作品集や共同制作 なども行なっている。また、飯田竜太(彫刻家)とのアーティストデュオ「Nerhol」としても活動し、国内外で 展覧会を開催している。
© Atsuko Murano Abalos
現在 POST で開催中の展覧会、「Symphony その森の子供 mushrooms from the forest」の関連イベントとして、2 月 22 日(土)にホンマタカシによるライブイベントを開催いたします。
日程: 2020 年 2 月 22 日(土)
時間: 18:00-19:00
場所: POST
150-0022
東京都渋谷区恵比寿南 2-10-3
参加無料、要予約
参加をご希望の方は、post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加人数
を明記のうえお申し込みください。
みなさまのお越しをお待ちしております。
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ホンマタカシのイベントによく出没する、 謎の覆面バンド、ディアリベンジが、
今回の展示に合わせて新ユニット、キラーマッシュルームとして演奏します。
音の菌糸が飛び散るかもしれないので、ご注意ください、笑
#覆面バンド #ノイズ #エクスペリメンタル #エレクトロニカ
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1月25日より、ホンマタカシ「Symphony その森の子供 mushrooms from the forest」の刊行を記念し、展覧会を開催いたします。
Fukushima #45 © Takashi Homma
【展覧会概要】
ホンマタカシ「Symphony その森の子供 mushrooms from the forest」
会期: 2020年1月25日(土) - 2020年2月23日(日)
会場: POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間: 12:00 - 20:00
定休日: 毎週月曜日
協力: Case Publishing、TARO NASU
2011年にホンマタカシが発表した「その森の子供 mushrooms from the forest」は、東日本大震災直後にホンマ が被災地である福島の森に入り、その森とそこに生えていたキノコを撮影したシリーズです。キノコには放射性 物質を吸収しやすいという生理性質があり、政府は汚染がひどい地域に生えているキノコの出荷を制限しました。 代々木のBlind Gallery(現在は閉廊)のオープニング展でこの作品は発表され、同タイトルの写真集も刊行されました。
Fukushima #48 © Takashi Homma
今回の「Symphony その森の子供 mushrooms from the forest」は、「その森の子供 mushrooms from the forest」の新装版です。 福島だけではなく、チェルノブイリや、その事故の影響を受けたスカンジナビア、また音楽家のジョン・ケージ が暮らしていたストーニーポイントと、4つの森に入り、そこにあるキノコを撮影しました。
今回の展覧会では、インスタレーションと作品の展示販売を行います。また、2月6日にはDOVER STREET MARKET GINZA 7Fのローズベーカリー 銀座にて作家によるトークイベントも開催いたします。
日程: 2020年2月6日(木)
ゲスト:飯沢耕太郎(写真評論家)
会場: BIBLIOTHECA
〒104-0061 東京都中央区銀座6-9-5 ギンザコマツ西館 DOVER STREET MARKET GINZA 7F
ローズベーカリー 銀座
時間:18:30 - 20:00(受付開始18:00)
参加無料、要予約
ご参加をご希望の方は post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加人数
を明記のうえお申し込みください。
みなさまのお越しをお待ちしております。
Scandinavia #12 © Takashi Homma
タイトル: Symphony その森の子供 mushrooms from the forest
著者: ホンマタカシ
判型: 296ページ / 328 x 258 mm
ソフトカバー:初版500部 /価格: 7,200円
ハードカバー:限定300部 サイン・ナンバリング入り / 価格:13,800円
プリント付き特装版:4種・各10部限定 /価格:38,000円
(価格はいずれも税抜き)
テキスト: 日本語・英語
発行日: 2019年
ISBN: 9784908526343
出版社: Case Publishing
<福島>
2011年3月11日、マグニチュード9.0の東日本大震災の地震による津波で、東京電力福島第一原子力発電所は全交 流電源を喪失した。原子炉を冷却できなくなり、メルトダウンが発生し、爆発炎上、大量の放射性物質が広範囲 に撒き散らされた。この事故はチェルノブイリと同等のレベル7の大事故だった。福島県では約14万人以上の人 が避難させられた。同年秋、政府は福島県や放射能汚染のひどい東北~中部地方の森の野生のキノコの摂取、出 荷を制限した。キノコはセシウムなど放射性物質を吸収しやすい生理特性を有している。2011年秋以降、断続的 に福島県の森に入り撮影した。現在、道路などは除染が進んでいるが、全ての森を除染することは不可能である。 スーパーなどの流通が管理された農産物よりも、本来、品質や鮮度が良いはずの「道の駅」などで売られている 野生のキノコから、基準値を超えるセシウムをはじめとする放射性物質が検出された(2018年秋)。放射性セシ ウム137の半減期は、およそ30年と言われている。
<スカンジナビア>
スカンジナビア=北欧には、日本と同じく豊かなキノコの食文化がある。キノコの種類は日本より多いと言われ ている。国土に占める森林の割合は日本とほぼ同様70%弱。そして「自然享受権」というものがある。自然享受 権とは、どこの森でも、そこが誰かの所有地であろうと、所有者に危害を与えない限り、自由にキノコやベリー を収穫していいという権利である。夏~秋に北欧の国のマーケットに行くと、屋台いっぱいの黄色いカンタレー ル(あんず茸)が売られている。しかしほとんどの国民は習慣的に自分で森に行って、キノコもベリーも収穫す る。1986年、チェルノブイリの事故が発生した。事故が起きてから2日間、スウェーデンの方向に風が吹いてい たため、チェルノブイリの放射性物質の全体の5%がスウェーデンに降り注いだ。ヨーロッパの中で、旧ソ連を除 きスウェーデンがもっとも放射能汚染がひどかった。政府は直ちに、野生のキノコとベリー、トナカイやヘラジ カの肉の摂取規制をおこなった。ちなみにトナカイは北欧北部に住むサーメ人の主な食料源にして収入源である。 写真は2011年から2015年にスウェーデン、フィンランドで撮影した。
<チェルノブイリ>
1986年4月26日 旧ソ連(現在はウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号機で、人為的原因で原子炉が爆発 炎上するという大きな事故が起こった。当初、旧ソ連は、この事故を隠蔽しようとしたが、スウェーデンで放射 線の数値が異常に上がり、28日になって事故を公表した。火災の消火に10日間かかり、その間中、放射性物質は ヨーロッパに広く拡散した。事故があった4号機は、現在、コンクリートと鉄板で固められ、「石棺」と呼ばれて いるが、廃炉には全く手をつけられていない。約20万とも30万とも言われる人が避難させられた。事故から30年 あまり経った今、アメリカのドラマ「チェルノブイリ」の人気から、「ゾーン」と呼ばれる約30キロ圏内に、世 界中から観光客がガイドつきの日帰りツアーで訪れている。撮影のときに案内してくれたガイドは面白半分に、 依然「ホットスポット」と呼ばれる放射線の高濃度ポイントをわざと車で通り、ガイガーカウンターが鳴り響く のをアトラクションとして披露した。チェルノブイリから約110キロ離れた首都キエフのホテルでも、ガイガーカ ウンターの数値は通常より高かった。一方で、人間が居なくなったゾーン内では植物が生い茂り、野生動物が増 え、彼らの楽園になっているという報告もある。2017年撮影。
<ストーニーポイント>
「キノコに熱中することによって、音楽について多くを学ぶことができる。私はそういう結論に達した。この目 的のために、私は最近、田舎に引っ越してきた。」音楽愛好家たちの野外採集の友(1954年) ニューヨーク郊外、マンハッタンから車で約90分のストーニーポイントに「ザ・ランド」と呼ばれる芸術家のコ ミュニティーがあった。現代音楽家にして実験音楽家のジョン・ケージ(1912-1992年)は、1954年にそこに移 り、16年にわたって暮らした。そのコミュニティーの周りは木が生い茂り、キノコが豊富に生えていた。ケージ は、キノコの文献を買い集め、毒キノコを食べ病院に入院し、ニューヨーク菌類学会の設立に関わり、イタリア のテレビクイズ番組でキノコについて全問正解し賞金を得たこともある。来日したときには軽井沢でキノコ狩り をした。ケージは人に、何故キノコが好きなのか?と問われて、「辞書で musicの1つ前が mushroom だったから 」と答えたことがある。2017年、2018年撮影。
僕はこれら4つの森に入って、その森のキノコ達の微小な声に耳を澄ませた。実際、そうすることしかできなかっ た。そこには確かに、いくつかの音の波があった。そしてそれらは、4つの森にお互いに響き合っているとしか思 えなかった。
ーホンマタカシ(写真家)
2019年の年内最終営業日は12月29日(日)となります。
新年は1月5日(日)より営業開始いたします。
なお休業中にオンラインストアにてご注文いただきました商品の発送は1月5日(日)以降となります。
今年も1年ご愛顧いただきありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
この度 POST では、Sylvia Bataille(シルビア・バタイユ)の展覧会「Trees - Images of timelessness」を開催します。
©︎Sylvia Bataille
シルビア・バタイユ「Trees - Images of timelessness 」
会期: 2019年12月10日(火) - 2020年1月19日(日)
会場: POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 2-10-3
時間: 12:00 - 20:00
定休日: 毎週月曜日
※年内最終営業日は 29 日(日)、年始は 5 日(日)より営業いたします。
シルビアはフランスに生まれ、現在はパリを拠点に活動しています。約 2 年前に POST で 開催した彼女の日本初となる展覧会「AUTOROUTE」では、近い彼女の心象風景を的確に 表現するためのモチーフとして疾走する車を描いたシリーズを銅版画で発表しました。2 度 目となる今回も、版画で制作された作品を展示します。
今回の作品のモチーフとして採用された木々は、フランスの中心部にある、気候の厳しい山にまばらに生えていたものでした。それぞれの木々がそこに存在している有り様が、彼らの物語を伝えるものだと彼女は感じたと言います。
シルビアはピンホールカメラを用いてその木々を撮影し、独特な質感が魅力となった像を用いて版画の作品に仕上げました。「AUTOROUTE」にも通じる、静寂とある種の狂気を感じさせる作品群をぜひご覧ください。
Sylvia Bataille(シルビア・バタイユ)
1963年フランス生まれ。メゾチントを用いた銅版画のほか、写真やイラストレーションなども手掛ける。2010年にはChamalières Triennale、2011年にはSaint-Maure Estam Biennaleで優秀賞を受賞。近年の展覧会に[pinehole photographs /Indian Heritage Gallery](2018)、[mezzotints and pinhole photographs /Univer Gallery] (2017)などがある。
この度POSTでは、深瀬昌久(ふかせまさひさ)の写真展、「家族」を開催致します。
©Masahisa Fukase Archives
[展覧会概要]
深瀬昌久「家族」刊行記念特別展
会期: 2019年11月15日(金) - 2019年12月8日(日)
会場: POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間: 12:00 - 20:00
定休日: 毎週月曜日
主催: Masahisa Fukase Archives, MACK, twelvebooks
1991年に Inter Press Corporation より刊行された『家族』が、この度イギリスの出版社MACKより新装版として出版されたことを記念し、展覧会を開催いたします。
今回の展覧会は、先月3日間限定でタカ・イシイギャラリー 東京 ビューイングルームで開催された「家族」のヴィンテージプリントの特別展示の巡回展となります。
[写真集概要]
深瀬昌久「家族」
通常版
定価: 7,800 円(税別)
判型: 96 ページ / ハードカバー / 310 x 230 mm / モノクロ
テキスト: 英語 / 日本語
発行: 2019年9月
出版社: MACK
国内流通: twelvebooks
ISBN: 978-1-912339-57-0
書籍詳細: https://www.twelve-books.com/products/family-by-masahisa-fukase
特装版
定価: 72,000 円(税別)
深瀬昌久アーカイブスによる落款印 / ナンバリング入りプリント付 プリント仕様
印刷: コロタイププリント(制作:便利堂)
用紙サイズ:260 x 170 mm / 画像サイズ : 199 x 149 mm
判型: 96 ページ / スリップケース入りハードカバー / 310 x 230 mm / モノクロ
発行部数: 150 部
テキスト: 英語 / 日本語
発行: 2019年9月
出版社: MACK
国内流通: twelvebooks
ISBN: 978-1-912339-57-0SE
書籍詳細: https://www.twelve-books.com/products/family-by-masahisa-fukase-special-edition
[写真集解説]
「ピントグラスに映った逆さまの一族のだれもが死ぬ。その姿を映し止める写真機は死の記録装置だ」 —深瀬昌久
1971 年 8 月、深瀬昌久は妻の洋子を伴って北海道北部の美深町に降り立った。彼の故郷でもあるそこを訪れるの は実に十数年ぶりのことだった。深瀬の家族は3代にわたって写真館を経営する家系で、弟の了暉が3代目を引き継いでいた。弟と妹に家族ができたことですっかり大所帯に成長した一家と再開した深瀬は、彼らを写真館の写場 (撮影スタジオ)に集めて家族の記念写真を撮影することにした。しかしそれは単なる家族写真の形式に留まらなかった。腰巻きひとつを身につけた半裸姿の妻を家族の中に投入したのである。 この異様な家族写真はその後、妻だけでなく様々な女性モデル達を迎え入れては深瀬の手によって撮影が継続された。定点撮影されることによって家族の年々の変化が精密に確かめられ、それは一家族の歴史の断片を物語る記録として成立するが、その一方では随所に深瀬が仕込んだ虚構が混じる。こうして出来上がった奇妙な家族写真について深瀬が「三代目くずれである私の、パロディー」と言い表していることからも分かるように、家族写真に相応しくない要素を混入させることによって伝統的な家族写真の形式を皮肉ることも目的のひとつであった。 深瀬家を巡る撮影は5年にわたって続けられた後に中断されるが、1985 年に深瀬の父・助造の年老いた姿がきっ かけとなって再び開始された。その2年後に迎えた父の葬儀の日にも撮影され、1989 年に深瀬写真館が廃業を迎えた日、すなわち家族四散を迎えた日を最後に完結した。当初こそ伝統的な家族写真のパロディとして軽快に撮影が開始された本作は 20 年近く月日をかけて撮影されることによって、結果的には一家の栄枯盛衰を残酷なほど克明に記録するものに仕上がった。
本書は、1991 年に Inter Press Corporation より刊行された写真集『家族』の新装版である。深瀬が生前に手がけた最後の1冊でもあった本作が四半世紀以上の月日を経て、装い新たに生まれ変わる。深瀬写真館で撮影された家族の肖像写真が撮影年順に収録され、巻末には原版に収録された深瀬による自伝と、深瀬昌久アーカイブスの創設者兼ディレクターを務めるトモ・コスガによる本作解説が収録される。
この度POST店内・ mini galleryにて、チューリッヒ芸術大学ファインアート学部と東京工芸大学芸術学部写真学科の学生による1日限りの展覧会を開催いたします。
本展では、2週間にわたる学生の交流ワークショップとして実施された、両校の学生で構成される各グループが、「公共」と「プライベート」の間にある「スペース」について、概念や変容を調査・協働し、そこからローテクな自費出版形式である “ジン(zine)”の持つ可能性を探求し制作されたzineの展示をいたします。
なお店頭で展示されるzineは販売も行なっております。ぜひ足をお運びください。
また当日18時より、レセプションパーティーも開催いたします。
お誘い合わせのうえ、お気軽にご参加ください。
【展覧会概要】
「ZINE IN TOKYO」
会場: POST
150-0022
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 11月1日(金)
*レセプション: 18:00-20:00
〈参加作家〉
伊藤 颯, 柳 香穂, 藤谷 将哉, 横山 渚, 荏原 陸, 黒瀧 倫太郎, 荻原 涼子, 中崎 大河, 鈴木 冬生, 篠田 優, 高田 有輝 & ジュン・フィッシャー、カタリーナ・バイヤー、スプファンザ・ブラファリット、ダヴィット・キュルシュタイナー、ラーク・リング、トビアス・リュッツィ、サラ・ルッツ、ミシャ・シュレーゲル、マーク・シウミン、ヨナタン・シュタイガー、フラーヴィア・トラックスラー、レオニー・ヴォールゲムス& 川島 崇志 & ナディア・グラフ、ガブリエル・シャード、富安 隼久