[Exhibition] 万代洋輔 / ”A Certain Collector B” Launch Exhibition

Added on by Yusuke Nakajima.

このたびPOSTでは、Newfaveより刊行された万代洋輔の初の出版物「A Certain Collector B」のローンチエキシビジョンを開催します。

万代洋輔は1980年生まれの写真を主に扱う美術家です。
これまで「”Friday, September 9 - Friday, October 7, 2016”」(TARO NASU、東京、2016年)、「通行人間」(CAPSULE、東京、2015年)、「あばら骨しか信頼してないじゃないですか俺」(TARO NASU、東京、2014年)をはじめ、多くの個展を開催、グループ展に参加するなど、2000年代より積極的な活動を行っています。

万代の作品は朽ち果てた物を独自の感性で再構築し、写真に収めた『蓋の穴』シリーズがよく知られています。
人里離れた森などで不法投棄された物たちを一晩かけて組み上げ、朝の光でカメラに収めたこの作品は、その対象物の持つ不穏さや行為の孤独さとは裏腹に、どこかあっけらかんとしたユーモアを漂わせています。

untitled ( from the series "A Certain Collector B") type C print 2016
©Yosuke Bandai Courtesy of TARO NASU

初の出版物となる今作『A Certain Collector B』は、近年万代が取り組んでいる、道端に落ちている物を蒐集し、フラットベッドスキャナーの上で再構成したイメージ群で構成されています。
時に生物の死骸をも含むこれらのイメージは、スキャナーの発する光に照らされ奥行きなどのスケール感を失う代わりに、3DCGのモデリング画面のような浮遊感を伴った、新しい物質へと再生しているように見えます。

本書は架空の蒐集家である”B”のアルバムというコンセプトで制作されました。
極めて感覚的でありながら、同時に自身の行為を俯瞰して見る万代のバランス感覚を体現する一冊となっています。

エキシビジョンでは書籍の他、一点限りのスペシャルエディションのキーボックス、『コレクターB』プリント作品、アーティストグッズの展示販売をいたします。

untitled (from the series "A Certain Collector B") type C print 2016
©Yosuke Bandai Courtesy of TARO NASU

【展覧会】
万代洋輔 / ”A Certain Collector B” Launch Exhibition
会場:POST (150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 2-10-3-1F)
会期:2016年2月17日(金) ~ 3月5日(日) 12:00 ~ 20:00 月曜休み
協力:TARO NASU

*オープニングレセプション:2月17日(金) 18:00 ~ 20:00
 

【書籍概要】 
A Certain Collector B
作家:万代洋輔 
デザイン:塚原敬史
仕様:B5 判変型 / 62P
定価:5,800円+税
発売年 : 2016年
出版社 : Newfave

 

【作家略歴】
万代洋輔 | Yosuke Bandai1980年 東京生まれ、東京にて制作活動。 
主な個展に 2016年「Friday, September 9 - Friday, October 7, 2016」TARO NASU 、2015年「通行人間」CAPSULE 、2014年「あばら骨しか信頼してないじゃないですか俺」TARO NASU 、2012年「病める万代、無類無敵の情熱」AI KOWADA GALLEY 、グループ展に2017年「シルバニアファミリービエンナーレ2017」XYZ collective 、2016年「囚われ脱獄、囚われ脱獄」statements 、2015年「Continuous Temporality Vol.2 『Mortal』」gallery COEXIST-TOKYOなど。 
その他に「Super Open Studio NETWORK」や「Ongoing Collective」の活動にも参加している。
今年の2月には、初の出版物「A Certain Collector B」をNewfaveより刊行。そのローンチエキシビジョンをPOSTにて開催。10月には、愛知県美術館 APMoA Project, ARCHにて個展を開催予定。

 

※万代洋輔へのインタビュー
http://post-books.info/news/2017/2/14/interview-yosuke-bandai

謹賀新年2017

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2017年のPOSTの営業は、本日1/5(木)よりスタートしました。

旧年中には、多くの方々に足をお運びいただき、また気にかけていただきありがとうございました。
本年も皆さまにとって素晴らしき一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

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明日1/6(金)から1/15(日)の間、年末まで開催しておりましたエレナ・トゥタッチコワ写真展「In Summer: Apples, Fossils and the Book」を再構成して、会期延長いたします。
(詳細:http://post-books.info/news/2016/12/21/exhibition-elena-extension

年明けでご多用とは存じますが、どうぞお誘い合わせのうえおいでください。

[Exhibition]エレナ・トゥタッチコワ / In Summer: Apples, Fossils and the Book: 会期延長&展示替えのお知らせ

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この度、エレナ・トゥタッチコワ「 In Summer: Apples, Fossils and the Book」の会期を、ご好評につき展示替えして延長することとなりました。
別会場で展示していた映像作品「In Summer, With My Dinosaurs」を中心に、POSTの空間を再構成してお贈りします。
新作の映像作品を見逃してしまった方にも、じっくりとご覧頂ける機会となります。ぜひ新年にご高覧下さい。

©Elena Tutatchikova

エレナ・トゥタッチコワ「In Summer: Apples, Fossils and the Book」会期延長&展示替え

会場:POST (150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 2-10-3)
会期:2017年1月6日(金) ~ 1月15日(日) 12:00 ~ 20:00 月曜休み(祝日は通常営業)

©Elena Tutatchikova

[Information] 2016年12月〜2017年1月 年末年始営業の日程

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日頃より弊店・POSTに関心をお寄せいただきありがとうございます。
2016年12月〜2017年1月の年末年始営業は以下のとおりです。

2016年12月29日(木)まで         通常営業(12:00-20:00)
2016年12月30日(金)〜2017年1月4日(水)   年末年始休業(終日閉店)
2016年1月5日(木)より           通常営業(12:00-20:00)

皆さまのご来店を心よりお待ち申し上げます。

[Exhibition] エレナ・トゥタッチコワ / In Summer: Apples, Fossils and the Book

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このたびPOSTでは、エレナ・トゥタッチコワの初写真集『林檎が木から落ちるとき、音が生まれる』(torch press)の刊行に合わせた展覧会を開催します。

©Elena Tutatchikova

モスクワ出身で東京在住のエレナ・トゥタッチコワ。『林檎が木から落ちるとき、音が生まれる』はトゥタッチコワが幼少期の記憶をテーマに、ロシアの自然に囲まれて暮らす兄妹たちのかけがえのない夏の日々を、美しい風景とともに2009年から継続的に撮りためてきた作品群です。ロシアには夏の期間、祖父母が住む田舎の家や、「ダーチャ」と呼ばれる自然の家で過ごす習慣があり、寒い冬が訪れる土地で、夏という季節は特別な意味を持ちます。そして太陽が輝く夏がいつの間にか始まり去って行くように、あどけない少年少女たちも知らず知らずのうちに成長し大人になっていきます。そんなささやかな、けれど誰もが経験するであろう変化を、“林檎が落ちる音”という言葉が暗喩しています。刹那的でありながら懐かしく、記憶の奥に柔らかく触れる写真たち。国境を越えた普遍的な感性によって、清々しい一冊が生まれました。

POSTでは、今夏撮影し、写真集にも収録されている新作「Treasures」と、写真集から選んだ作品とともに展示します。

――林檎が木から落ちた、それだけのこと。木にいたときも誰の目にも触れず、落ちても草の中に隠れたままの小さな林檎。その音だけがいつまでも記憶に残った。アーニャが11歳になった年の夏の終わり、彼女の髪の毛が一番長く伸びた8月のことだった。(あとがきより抜粋)

©Elena Tutatchikova

©Elena Tutatchikova

【展覧会】
エレナ・トゥタッチコワ「In Summer: Apples, Fossils and the Book」
会場:POST (150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 2-10-3)
会期:2016年12月9日(金) ~ 29日(木) 12:00 ~ 20:00 月曜休み

*オープニングレセプション:12月10日(土) 18:00 ~ 20:00

【関連イベント】
記憶をめぐる詩の朗読&トークイベント
ゲスト:エレナ・トゥタッチコワ、ぱくきょんみ、須永紀子、乙益由美子
日時:2016年12月20日(火) 18:30 ~ 20:00(開場 18:00)
会場:POST  / 参加費無料・要予約
トゥタッチコワの作品を通して、3人の詩人たちが詩を朗読します。
その詩を通して、トゥタッチコワとともに、写真の作品世界に触れていきます。

参加をご希望の方は post@post-books.jp まで
・お名前
・お電話番号
・参加人数を明記の上、お申し込みください。 

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【同時企画】
エレナ・トゥタッチコワ「In Summer, With My Dinosaurs」
会場:nani (151-0063 渋谷区富ヶ谷 1-43-12 suyama design 1F)
会期:2016年12月3日(土) ~ 18日(日) ※営業日は土日 12:00 ~ 18:00
子どもたちの夏の冒険を撮った新作映像「In Summer, With My Dinosaurs」を、写真作品とともに展示します。

©Elena Tutatchikova

【書籍概要】 ※2016年12月中旬発売予定

林檎が木から落ちるとき、音が生まれる
エレナ・トゥタッチコワ 著
デザイン:須山悠里
仕様:A4 判変型 / 仮フランス装 / 72P

言語:日本語 /英語
定価:2,500円+税 ISBN978-4-907562-09-6 C0072
発売年 : 2016
出版社 : torch press

※プリント付きスペシャルエディションを販売します。
写真集 + 六ツ切 1 枚 + 特装函 / ed.20 / 予価 25,000円+税 〜 

 

【作家略歴】
エレナ・トゥタッチコワ/ Elena Tutatchikova
1984年、モスクワ生まれ、東京在住。モスクワでクラシック音楽や日本の歴史を学んだ後、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻で学ぶ。自然と人間の関わりや文化的現象を通じて、人間の記憶がどのように形成されるかに関心を抱き、地域のリサーチを重ねることで土地や個人の物語を採集し、写真、映像、音、テキストによるインスタレーションとして構成している。主な展覧会には、個展「After an Apple Falls From the Tree, There is a Sound」POETIC SCAPE(東京、2015)、東京写真月間「To the Northern Shores」MUSEE F(東京、2015)、グループ展「はじまりのしじま“In the Beginning, Silence was Always Silence”」Takuro Someya Contemporary Art (東京、2015)、茨城県北芸術祭(2016)等がある。 

[Exhibition] A-chan /Salt’n Vinegar

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このたびPOSTでは、A-chan [Salt’n Vinegar]の刊行に合わせた展覧会を開催いたします。

写真集" Salt’n Vinegar "は、2011年から2014年にかけて彼女の日常を写し撮った作品がまとめられています。
彼女の雄弁かつ静かな感性は、普段そこにあるもの、蛇口から水が出たり、道を行き来する人、スーパーマーケットの棚、捨てられたポテトチップスの袋などへ小さな美しさを見出します。
"うまくいかないことがあって、厚い雲の中をクロールしてる期間、裏庭の老人と話したり、公園へ散歩に行った。その日々がストーリーになった。でももしかしたら瞬きした一瞬の想いかもしれない。"
モノクロ写真とカラー写真で構成された"Salt’n Vinegar "は、前作、2012年Steidlから出版されたカラー写真集" VIBRANT HOME "、モノクロ写真集"OFF BEAT"の集大成といえます。
日本では5年振りとなる彼女の新作をぜひ会場でご覧ください。

会期:2016.11.18 (Fri) - 12 . 04 (Sun)
Open 12:00 - 20:00 月曜休
オープニングレセプション: 11.18 (Fri) 19:00 - 21:00

トークイベント:
11.19 (Sat) 18:30 - 20:00 (開場 18:00)
ゲスト/佐内正史
参加費/1,000円 要予約
参加をご希望の方はpost@post-books.jpまで 
・お名前
・お電話番号
・参加人数
を明記の上、お申し込みください。

Artist Profile
日本で生まれ育つ。佐内正史のアシスタントを経て、1998年、雑誌やCDジャケットなどコマーシャルの仕事と並行し、自身の制作活動を始める。以後、東京、ニューヨークのギャラリーで作品を発表する。
2007年、ニューヨークに移住。同年から現在まで、Robert Frankのアシスタント兼プリンター、エディターとして "Tal Uf Tal Ab" (2010)、 "Pangnirtung" (2011) 、 "You Would" (2012) 、"What you have seen" (2015) などに携わる。

[Feature] Roma Publications

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本日11/5(土)より、オランダ・アムステルダムを拠点にする出版社・Roma Publications(ローマ・パブリケーションズ)の特集がスタート。
今秋に刊行された最新刊を始め、約60タイトル超が並びます。
ぜひお手にとってご覧ください。

[Exhibition] PLETHORA MAGAZINE EXHIBITION

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この度POSTでは、デンマーク、コペンハーゲン発のアートマガジン「PLETHORA MAGAZINE」(プレソラマガジン)の展示を開催します。

本雑誌は、70×50cmという雑誌の概念を覆す規格外のポスターサイズ。さらに記録的文章から慎重に吟味しながら、現代芸術家を取り上げる異色の編集内容、ファインアート、ヒンドゥー教寺院の伝統的な印刷技術に対する深い情熱から生まれた出版物です。デジタルプリントが急速に進む現代において、慎重に選定されたコンテンツの数々は、写真やアートワークの良さを最大限に生かすため、内容に合わせて異なる紙と印刷手順を踏み製作されています。「PLETHORA MAGAZINE」は雑誌という枠に収めることができない完成度で、まさに芸術作品と呼ぶに値する作品です。

今回の展示ではすでに絶版となっている1号から最新号の4号まで、全てが揃います。世界のクリエイターから注目を集まる本誌を、ぜひ会場でご覧ください。

©PLETHORA MAGAZINE

会場:POST
   東京都渋谷区恵比寿南2-10-3-1F
   T 03 3713 8670
   W http://post-books.info
会期:2016年10月28日(金)-11月13日(日) 
時間:12:00-20:00 月曜休
[PLETHORA MAGAZINE 公式サイト] http://www.plethoramag.com/

Talk Event [OTANI NIEUWENHUIZE]

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現在開催中の大谷臣史とオランダ人写真家のヨハン・ニューウェンハウゼによるコラボレーションプロジェクト[OTANI NIEUWENHUIZE]、展覧会最終日にアーティストトークを開催します。

このトークでは、大谷とニューウェンハウぜの二人がトランザクティブ・メモリー(対人交流的記憶)を基本とした本プロジェクトの成り立ちについてや、日蘭のデュオとして編集を通じ狭窄を成立させていくプロセス、今日のオランダの写真のシーンについてなどを話します。

世界の中でも、現代写真文化の中心地となっているオランダで活躍してきた二人によるトークセッション、ぜひご参加ください。

 

登壇者:大谷臣史/ヨハン・ニューウェンハウゼ
聞き手:中島佑介(POST)

日程:2016年10月23日(日)
時間:18:00開場/19:00-20:30
定員:30名
参加費:無料
要予約

参加をご希望の方はpost@post-books.jpまで

・お名前
・お電話番号
・参加人数

を明記の上、お申し込みください。

[Traveling Exhibition] 津田直[IHEYA・IZENA]写真展:D&DEPARTMENT 4店舗巡回

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2016年8月〜9月にPOSTでスタートした津田 直写真展[IHEYA・IZENA]が、同時期に開催されたD&DEPARTMENT OKINAWAののち、ソウル・北海道・福岡へと巡回します。

[IHEYA・IZENA]  © Nao Tsuda 2016, Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

【巡回展会期】

D&DEPARTMENT SEOUL by MILLIMETER MILLIGRAM (ソウル)
会期 2016年10月7日(金)~11月6日(日)
時間 11:30-20:00(月曜定休)
リンク https://goo.gl/chhsx6
*トークイベント
 日時 2016年10月7日(金)20:00スタート
 参加費 15000ウォン

D&DEPARTMENT HOKKAIDO by 3KG(北海道)
会期 2016年10月15日(土)~11月6日(日)
時間 12:00-20:00(月曜定休)
リンク http://www.d-department.com/jp/archives/shops/35802 
*トークイベント
 日時 2016年10月15日(土)18:30スタート
 参加費 1000円(要予約)

D&DEPARTMENT FUKUOKA (福岡)
会期 2016年11月17日(木)~12月18日(日)
時間 11:00-20:00(水曜定休)
*トークイベント
 日時 2016年11月下旬開催予定  (※トークイベントお申込み、詳細は追って公開いたします。)

※巡回展の概要、トークイベントの日程やお申込などの詳細はこちらからご覧ください。

[Exhibition] 大谷臣史 / ヨハン・ニューウェンハウゼ [OTANI NIEUWENHUIZE]

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このたびPOSTでは、日本人写真家の大谷臣史とオランダ人写真家のヨハン・ニューウェンハウゼによるコラボレーションプロジェクト[OTANI NIEUWENHUIZE]を開催します。

2016年9月30日(金)〜10月23日(日)
12時〜20時 月曜休
オープニングレセプション:9月30日(金) 19時〜21時
アーティストトーク:10月23日(日) 18時30分開場 19時〜20時30分

大谷とヨハンは、互いの仕事における共通点や違いに強い結びつきを感じています。街の中を歩き、本能的に、続けざまに撮影をするスタイル、および自らのアーカイブを使用し、様々な街や時間の写真を組み合わせるという取り組み方が共通している一方、二人は異なる概念や興味を持ち、大谷は記録という観点から撮影し、ニューウェンハウゼは対照を抽象的に表現する、という特徴の違いがあります。

両者は写真を言語として捉えます。彼らが興味をもっているのは真実を明かすことや一面的な話を伝えることよりも、毎回異なる解釈ができるようなストーリーを伝える方法です。ある人は作品の中にユーモアや美を見出し、またある人は馬鹿馬鹿しさを見出す。それを意識的に感じ取る人もいれば、無意識に感じ取る人もいるでしょう。[OTANI NIEUWENHUIZE]は二人のアーティストの間に生まれた言語あるいは通用語と考えることができます。

哲学者アンディー・クラークとデイヴィッド・チャーマーズの交換記憶(transactive memory)理論によると、二人組みで作業をすると、個人でそれぞれ作業をした時よりも大きな集合的記憶が生まれるそうです。友達同士で旅をするかのように街を歩き回ることで、両者は物事を無意識に、断片的に記憶し、残りのことは相手が覚えているだろうという感覚を抱きます。大谷臣史とヨハン・ニューウェンハウゼは、同じ時に同じ対象物を撮影することで両者の間に生まれる集合的記憶を探るのです。

二人のアーティストはOTANI NIEUWENHUIZEプロジェクトを通し、自らが観光客に扮し、文化が「消費」される場所を撮影することで日蘭の文化や文化観光に触れます。オランダではアムステルダムにある国立美術館、南部にあるテーマパーク・エフテリング、日本では太宰府天満宮、出島、長崎の旧オランダ商館を、さらに日蘭両国の文化を象徴する長崎のハウステンボスを撮影します。

現地では二人での撮影と単独の撮影を交互に繰り返します。二人は個人の視点で空間を読み解きながら撮影を行い、各所を調査します。このようにして、その場所に対する集合的記憶が生まれるのです。そして写真を選定することで作品に新たな意味が宿り、最終的なフォルムが完成します。さらに両者の写真を組み合わせることで、見る者が解釈し、独自のストーリーを生むための新たな文脈やスペースが作品に与えられるのです。

出版物は5冊のマガジンから成り、そこでは二人による写真の編集が重要な役割を持っています。オランダの撮影箇所はニューウェンハウゼが、日本の撮影箇所は大谷が、そしてハウステンボスに関しては両者が共に監修を行いました。

大谷とニューウェンハウゼの目標は、このプロジェクトを通してアーティストとしての視野を広げることです。他者からの意見やアイディアに耳を傾けることで、自らの仕事やその方法について自問します。

このプロジェクトは、彼らにとって一種の「遊び」でもあります。一方の写真家が写真を見せ、もう一方が連想するイメージを頼りに答えます。カードゲームでは最高の手札をすぐに見せないのと同じで、彼らの「遊び」の結末、つまり二人が共有する視覚的記憶も時間をかけて徐々に構築されていきます。そこには力強い作品と、両者のイメージの間に生まれた対話の記録、および解釈のための新たなスペースが生まれます。

プロジェクトツアーはアムステルダムの写真フェアUnseenと代官山フォトフェアでのブックプレゼンテーションから始まり、恵比寿POSTでの個展ののち、福岡・太宰府天満宮宝物殿での個展、パリのブックフェアOffprint Paris、アントワープのIbasho Galleryでの個展とArt Rotterdamへの出展へと続いていきます。

日本では初となる発表の場に、ぜひご来場ください。

津田直フィールドワークシリーズ外函、不良品の交換について

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2014年からlimArtから刊行してきた津田直によるフィールドワークシリーズ完結に合わせ制作した外函ですが、初回納品分の一部に不具合がございました。現在、再制作に向けて準備を整えております。


すでに外函をお持ちのお客様には、交換のご対応をさせていただきます。交換の方法は以下の通りです。

1店頭での交換
すでに受け取られている函を、POSTの店頭までお持ち下さい。不具合のない外函に交換をいたします。

2配送での交換
店頭にお越しいただくのが難しい場合は、配送での交換も承ります。件名を「津田直BOX SET外函交換依頼」としていただき、e-mailアドレスpost@post-books.jpまで、郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をおしらせ ください。 ご配送時の送料は無料です。

上記の方法いずれの場合も、交換は10月下旬から順次ご対応させていただきます。
先にご購入いただいた皆さま、店頭で外函をお受け取りくださった方々にはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。

ご不明な点がございましたらpost@post-books.jpまでお問い合わせくださいませ。

担当:中島
 

[THE TOKYO ART BOOK FAIR]

Added on by Yusuke Nakajima.

来週末に迫ったThe Tokyo Art Book Fair、POSTは3出版社のブースをホストします。

Steidl(ブース番号I-30)
今年のブックフェアでは[Steidl Book Award Japan]もスタートしたドイツのSteidl社。この秋に刊行された10タイトルや、出版社と深い繋がりを持つアーティストたちの作品集など、約50タイトルが並びます。

Gagosian Gallery(ブース番号I-31)
一昨年からTABFに参加している世界のトップギャラリーのひとつ、Gagosian。今年はPOSTがホストして、新タイトルを含む25〜30タイトルが並びます。

Roma Publications(ブース番号I-32)
今年はオランダの気鋭出版社、Roma Publicationsの本も並びます。カレル・マルテンスの新刊やExperimental Jetset のデザインした写真集など今週刷り上がったばかりの4タイトルを含む、約30タイトルが並びます。

いずれも1Fの「インターナショナル・セクション」にブースがあります。ぜひご来場ください。

[Information] 8/20(土) 営業時間の変更

Added on by Yusuke Nakajima.

本日8/20(土)は津田直スライド&トークイベントの開催にともない、通常営業は17:30までとなります。ご来店の際はご注意ください。
※講義は満席のため申込を締め切りました。ご参加者の受付は18:00より承ります。

[Exhibition] 津田直: Box Set

Added on by Yusuke Nakajima.

本日8/19(金)より、津田直[IHEYA・IZENA]がスタートしました。

2014年の[SAMELAND]、2015年の[NAGA]と、3連作として発表してきた津田直のフィールドワークシリーズは今回刊行する写真集で完結します。それに合わせ、3冊を束ねたボックスセットを作りました。

展覧会にご来場いただく際に、過去にお求めいただいた[SAMELAND]と[NAGA]の2冊をお持ちいただき、[IHEYA・IZENA]を会場でご購入いただいたお客さまにも外函を無料で差し上げます。(数に限りがございますので、無くなり次第終了とさせていただきます)

[SAMELAND / NAGA / IHEYA・IZENA] Box Set
9,000円 + 税

Sold Out

初日19時からはレセプションパーティーも開催、ぜひご来場ください。

会期:2016年8月19日(金)〜9月17日(土) 月休み
時間:12:00~20:00

オープニングレセプション:2016年8月19日(金) 19:00~21:00

展覧会詳細:http://post-books.info/news/2016/8/2/exhibition-iheya-izena

[Talk Event] 津田直スライド&トークイベント「南方の光と影、水の香り」

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津田 直[IHEYA・IZENA]の刊行に合わせ、作家によるスライド&トークイベントを開催します。

[IHEYA・IZENA]  © Nao Tsuda 2016.

トークイベント「南方の光と影、水の香り」
日時:2016年8月20日(土) 18:00開場 / 18:30スタート
会場:POST 150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
登壇者:津田 直
定員:35名
※定員に達しましたので、お申込を終了しました。

[Exhibition] 津田直: IHEYA・IZENA

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この度POSTでは、写真家 津田直による新作写真集[IHEYA・IZENA]の刊行に合わせた写真展を開催いたします。
[IHEYA・IZENA]は、limArtから刊行された[SAMELAND](2014)、[NAGA](2015)に続く、フィールドワークから生まれた写真集の第三弾となります。

[IHEYA・IZENA]  © Nao Tsuda 2016.

沖縄本島北西部に位置する二つの小島、伊平屋島と伊是名島。

津田は四年前に拠点を九州へ移しましたが、それは南方へと繋がる道を開くためだったのかもしれません。数年間をかけ二つの島を訪れ、島に住む人々との交流を重ねながら、暮らしの中に潜む小さな行いに目を向けていきました。それらは、天を仰ぐクバの茂み、お盆に先祖 を迎え・送りをする人々、供物が捧げられた聖域での祈り、古から受け継がれてきた神事に見る神人と子供の姿、就学のため春には島を離 れるという少女の踊り、雨水の滴る月桃の花、風の岩からの眺め...、という姿で現れてきました。

[IHEYA・IZENA]  © Nao Tsuda 2016.

2014年からスタートした津田直のフィールドワークのシリーズは、本書をもって一つの目標地点に到達します。
北欧のサーメ人たちを被写体にした[SAMELAND]、ミャンマーの北西部に住むナガ族を被写体にした[NAGA]、そしてこの度刊行する[IHEYA ・ IZENA]の三作品は、地理的には遠く離れていますが、いずれの土地にも人々の暮らしの中心には現代の社会が失いかけている信仰の存在があり、これらの辺境とも言える小さな地域に残っている文化や生き方を知ることで、我々に“今日の在り方”を見つめ直すきっかけを与えてくれているのではないでしょうか。
フィールドワークシリーズの最後となる本書の刊行に伴って開催される展覧会は、本書の刊行元であるlimArtが運営するアートブックショップ[POST]、47都道府県に1か所ずつ拠点をつくりながら、物販・飲食・出版・観光などを通して、47の「個性」と「息の長い、その土地らしいデザイン」を見直し、全国に向けて紹介する活動を行い、沖縄にも店舗を設ける[D&DEPARTMENT]との共同開催となります。
現代の社会が再考すべき価値観をフィールドワークのシリーズで提示する、津田 直の新しい試みをぜひご高覧ください。

[IHEYA・IZENA]  © Nao Tsuda 2016.

【展覧会】
会場:POST
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
T 03 3713 8670
W http://post-books.info/
会期:2016年8月19日(金)〜9月17日(土) 月休み
時間:12:00~20:00

オープニングレセプション:2016年8月19日(金) 19:00~21:00

トークイベント:2016年8月20日(土) 18:00開場 / 18:30スタート
場所:POST
定員:35名
参加費:1,000円
※定員に達しましたので、お申込を終了しました。

 

会場:D&DEPARTMENT OKINAWA by OKINAWA STANDARD
沖縄県宜野湾市新城2-39-8 2階
T 098 894 2112
W http://www.d-department.com
会期:2016年9月9日(金)〜10月4日(火) 水休み
時間:11:00~19:30

トークイベント:2016年9月10日(土) 18:00開場 / 18:30スタート

 

共催
POST
D&DEPARTMENT PROJECT

協力
伊平屋村役場 一般社団法人いぜな島観光協会
Taka Ishii Gallery Photography / Film

[IHEYA・IZENA]  © Nao Tsuda 2016.

【写真集概要】
タイトル:IHEYA・IZENA
写真:津田直
テキスト:津田直、豊見山愛
アートディレクション&デザイン:田中義久
発行:limArt
仕様:182mm x 220mm 144ページ フルカラー 75図版 日英バイリンガル
初版 1,000部
ISBN:978-4-9907173-6-0
価格:3,000円+税

 

豊見山愛
沖縄県立博物館・美術館 美術館主任学芸員。浦添市美術館、沖縄県立芸術大学図書・芸術資料館を経て、現職。
おもな展覧会:「岡村吉右衛門コレクション 台湾原住民の染織」(1997年、沖縄県立芸術大学図書・藝術資料館)、現職では「名渡山愛順が 愛した沖縄」(2009年)、「いのち ― 宮良瑛子」(2016年)、「山元恵一 Le fragment du rêve(夢のかけら)」(2016年)などの展覧会や、戦前期から現代の沖縄女性アーティストを紹介するシンポジウム「沖縄から女性美術を考える」(2010年)を企画。

田中義久
Graphic Designer / Nerhol。美術館をはじめ、コマーシャルギャラリーのV.I計画や、アーティストの作品集の装丁、デザインを手がける。また飯田竜太(彫刻家)とのアーティストデュオ「Nerhol」としても活動中。
http://nerhol.com

津田直
1976年神戸生まれ。ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続け
ている写真家。2001年より国内外で多数の展覧会を中心に活動。シリーズに、『近づく』(2001-2004)、『漕』(2005-2009)、『SMOKE LINE』(2008)、『果てのレラ』(2009)、『Storm Last
Night』(2010)、『REBORN』(2010-)、『Earth Rain House』(2012)、『Grassland Tears』(2015-)がある。また最近では、現代美術のフィールドを越えて他分野との共同制作や雑誌連載、講演会、 特別授業を行うなど活動は多岐にわたる。 2010年、芸術選奨新人賞(美術部門)受賞。主な作品集に『漕』(主水書房)、『SMOKE LINE』(赤々舎)、『Storm Last Night』(赤々舎)がある。2014年にフィールドワークから生まれた写真集第一弾『SAMELAND』(limArt)、2015年に第二弾『NAGA』(limArt)を上梓。大阪芸術大学客員准教授。http://tsudanao.com