[Exhibition] Keiichi Sumi / egg

Added on by Yusuke Nakajima.

この度POSTでは、自身が内装を手がけたインテリアショップ「push me pull you」のオーナーである澄敬一が、世界中から集めた卵のコレクションをまとめた書籍「egg」の刊行を記念した展覧会を開催いたします。
また11月8日(土)には澄と、本書の出版社 FRAGILE BOOKS主宰者の櫛田理によるトークイベントも実施いたします。

【展示概要】
Keiichi Sumi / egg

会場: POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 2025年11月1日(土)~2025年11月30日(日)
時間: 11:00-19:00
定休日: 毎週月曜日

オープニングレセプション
11月1日(土)17:00~19:00
参加費無料、予約不要となりますので、この機会にぜひご参加くださいませ。

トークイベント
11月8日(土)

15:30 受付開始
16:00 トーク開始
17:30 トーク終了

定員:25名
参加費:1,000円
登壇者: 澄 敬一、櫛田理(聞き手)
参加をご希望の際は、以下のフォームよりお申し込みください。
https://20251108-sumikeiichi-talkevent.peatix.com

 

澄が卵の形をしたものを集め始めたのは、自身がデザインした池尻大橋のインテリアショップ「push me pull you」を始めた頃、近所に捨てられていた壊れた鳩時計を修理して飾ったのがきっかけでした。「そこに鳥がいるなら、卵も欲しい」と思ったそうです。
それから数年後、骨董市で偶然数百個のカラフルな卵型マラカスを見つけ、その中から白いものだけを選んで買ったといいます。尋常ではない数の卵と出会ったことで、収集に火がついたのかもしれません。

収集するうちに澄は、集めているのはどれも大量生産品だが、同じ形のものは一つもないということに気づきました。卵の輪郭はシンプルで、世界のだれもが似たような卵らしさを感じることができるのに、設計する人や地域、時代や用途によって、アールの取り方や重心の位置が違ってくる。量産品のなかにも個性が潜んでいると感じたそうです。

本書に収められている品数は160個。重複しているものを合わせると、250〜300個ほどのコレクションにもなります。素材は木、金属、陶器、プラスチック、布などさまざまで、用途は知育パズル、食品サンプル、装飾品、裁縫道具、調理用具など多岐にわたります。ちなみに最も古いものは、1892年頃にシカゴ万博に出品するために作られた「コロンブスの卵」だそうです。

「卵には永遠に崩れない『かたち』があるような気がしています」と語る、おそらく世界のだれよりも卵の形をしたものをコレクションしている澄の、一つひとつの卵に向けられたまなざしをぜひ本展で感じてください。

 

【書籍概要】
『egg』
定価:7,700円(税込) 
出版社:FRAGILE BOOKS
ISBN: 978-4909479-10-5
部数:限定800部
発行年: 2025年

『egg』[特装版]
澄の「エッグ・コレクション」の中からタグ付きの偽卵1個と本書をセットにして、澄が制作した木箱に収めています。

定価:50,000円+税
出版社:FRAGILE BOOKS
部数:限定9箱
発行年: 2025年
『egg <postcard book>』
POSTでの展示に合わせて、澄の「エッグ・コレクション」の中から50種類の偽卵をセレクトし、仮製本したもの。一枚いちまい切り離せば、ポストカードとして使用できる。

定価:3500円+税 
出版社:FRAGILE BOOKS
部数:200部
発行年: 2025年



澄敬一(すみ・けいいち/Keiichi Sumi)
1964年、北海道函館生まれ。父はトラピスチヌ女子修道院の修繕や増改築を手がける工務店を経営していた。18歳で上京し、早稲田大学工学部建築専門学校で学ぶ。その後、設計事務所を3年で退社。それからおよそ10年間、ビルの窓拭き清掃員として働きながら、ヨーロッパや中近東などを放浪する。2002年、自ら内装したインテリアショップ「push me pullyou」を池尻大橋に開店。ファッションブランド「vêtements」、ギャラリー「LA GALERIE DES NAKAMURA」、セレクトショップ「Haberdashery」、撮影スタジオ「Lion Building」、「折形デザイン研究所」など数多くの内装やインテリアデザインを手がける。2004年、パートナーの松澤紀美子と「petitcul」を早稲田に開店し、現在に至る。
instagram @keiichi_sumi


櫛田理(くしだ・おさむ/Osamu Kushida)
1979年、東京生まれ。編集者。松岡正剛の編集工学研究所を経て、2014年に独立。株式会社EDITHON代表。エディター、コレクター、パブリッシャーとしてFRAGILE BOOKSを主宰する他、MUJI BOOKSディレクター、BON BOOKディレクター、銀座七丁目書店ディレクターなどを務める。これまで企画編集した本は、松岡正剛の『編集手本』、無印良品の文庫「人と物」全シリーズ、BONBOOK出版レーベル、49 ⼈で分け持つ本『絵本・⽅眼⼦句集』、エディションナンバーごとに形態変化する写真集『still life』、など多数。
web: https://www.fragile-books.com/
instagram: @fragile_books