[Exhibition] Simone Engelen / 27 Drafts

Added on by Yusuke Nakajima.

この度POSTでは、オランダ人写真家Simone Engelen(シモーネ・エンゲレン)の展覧会を開催いたします。

©︎Simone Engelen

【展覧会概要】
Simone Engelen / 27 Drafts

会場: POST
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
会期: 2024年6月14日(金)~2024年7月7日(日)
※好評につき、会期が7月14日(日)まで延長となりました。

時間: 11:00-19:00
定休日: 毎週月曜日

オープニングレセプション: 2024年6月14日(金) 17:00-19:00
参加費無料、事前予約不要ですので、どなたでもお気軽にお越しください。

アムステルダムを拠点に活動するシモーネは、作品制作を通して、心を静める方法を探求しています。
岡山にある臨済宗の禅寺、曹源寺を訪れた経験から、静寂を捉え、呼び起こすことを作品の目的とし、立ち止まって存在の本質に触れるよう鑑賞者に問いかけます。

今回の作品集はデザイナーのハンス・グレメンが主宰する出版社、Fw: Booksから刊行されました。
アメリカで高校生活を送っていたシモーネは、在学中に2人の男性から性的虐待を受けました。このことは、彼女のその後の人生において、人との関わり方を変えただけではなく、親密さという概念に対しての認識が再構築されたきっかけになったと言います。
本書は、自分の身体、アイデンティティ、女性らしさと向き合うという内なる戦いを視覚的に表現した一冊になっています。羞恥心から始まったその戦いは、依存症や感情のコントロール問題の対処法を見つけるきっかけにもなりました。

2022年、自身の母親と一緒にアメリカに戻り、彼女はこの度の集結を見つけます。カメラを使って被写体と距離をとりながら、長い間避けてきた会話に参加しました。
タイトルの「27 Drafts」は、シモーネが加害者に向けて書いたものの、送られることのなかった手紙にちなんだものです。
2006年以降のスナップ写真、高校のイヤーブックの画像、Facebookの映像、日記、そして2022年にアメリカに戻ったときに撮影した写真が掲載された本書を通して、彼女の人生で様々なものが形成されていく時期に大きな影響を与えた、このたったひとつの出来事を共有する方法を模索しています。

悲しみや恥ずかしさという感情を越え、対話のきっかけになるような作品です。
この機会にぜひお立ち寄りくださいませ。

©︎Simone Engelen

©︎Simone Engelen