[Exhibition] 黒田潔: Water

Added on by Yusuke Nakajima.

この度、POST では、イラストレーター/デザイナー黒田潔の新作シリーズ「Water」の展覧会を開催、本展にあわせて同名の作品集を出版します。

 

©Kiyoshi Kuroda All Rights Reserved

動物や植物といった具象的なものを丁寧に描き上げる作品で知られる作者が、今回着目したのは「水」。
グラスに注がれた水、水をかけられたポット、水面から顔をだす北極グマ。水のある典型的な情景から始まり、水から連想したペンキ、コップ、人物…と、物体や事象へと派生していきます。かたちを持たない水が、時間を経て刻一刻と変化していくその一瞬を切り取ると、そこには豊かな表情があらわれます。
これまでの緻密で生命力溢れる作品群とは異なり、余白を持たせながらストレートな筆致で描かれるモノクロームの本作は、鑑賞を通じて各々が自由に想像を広げたり、感情の入り込むような余地があります。
新たな試みへと臨む黒田の新作をぜひご覧ください。

 

【展覧会】
黒田 潔 [Water]
会期 2015年7月31日(金) - 8月16日(日)
時間 12:00 - 20:00 /月休 (※祝日の場合は通常営業)
会場 POST

【オープニングレセプション】
日時 2015年7月31日(金)  19:00-21:00
会場 POST

【トークイベント】
日時 2015年8月7日(金) 19:00-20:30 /開場18:30
会場 POST /要予約/ゲスト:山田 遊(method)
※申込方法などの詳細はこちら

©Kiyoshi Kuroda All Rights Reserved

【アーティストステートメント】

今回の展覧会では、水の流れや泡、水滴や水の歪みといった「水」から派生する作品をモノクロのドローイングで描いた作品を展示します。
水といったかたちの変化するモチーフは、液体の水だけでなく、湿気や湿度といった水分、湿度のある空気感や感情といった目に見えないものも含めて表現しました。
近年中心となっていた動植物の美しいフォルムを精密な描写で描く表現から、かたちを持たない水というモチーフを白黒のシンプルなタッチで描くことで、かたちの捉え方や線の変化など新しい発見と進化が制作していく中で生まれました。

黒田 潔

【作家略歴】
黒田 潔 Kiyoshi Kuroda

1975年東京生まれ。2001年多摩美術大学大学院美術研究科グラフィックデザイン専攻修了後、幾つかのデザイン事務所を経て、2003年にイラストレーターとして活動を開始し、線画で描かれる動植物のアートワークで広告や本の装丁をはじめ、さまざまな分野で活躍を続ける。2009年(株)KABWA設立。大阪成蹊大学客員教授。
今までの展覧会には、「線」TETOKA(2014年/東京)、「オープンスタジオプロジェクト』NANZUKA(2011年/東京)、「MOTアニュアル装飾」東京都現代美術館(2010年/東京)、「Nam June Paik Festival,Now Junp!」ナム・ジュン=パイク・アート・センター(2008年/韓国・龍仁)等がある。
主な作品集に「森へ」(ピエ・ブックス)、古川日出男との共作「舗装道路の消えた世界」(河出書房新社)がある。
http://www.kiyoshikuroda.jp/