この度、POSTでは、津田 直の写真展[NAGA] を開催します。
「NAGA」は、前作「SAMELAND」に続く、フィールドワークから生まれた写真集の第二弾となります。
密林に覆われた山道、丘陵に並ぶ竹で編まれた家々、鮮やかな色彩の民族衣装と入れ墨、闇夜の儀式、動物の顔が彫り込まれた木製ドラム、歌い踊る人影、跪き祈りを捧げる子供達…
撮影地となったミャンマー・ザガイン管区は、インドとミャンマーに跨りナガ族が暮らす地域です。奥深い山の尾根に住まう彼らは狩猟採集を中心とし、外の世界と距離を置き、独自の自然信仰を受け継ぎ生きてきました。日々山の中を歩き獲物を捕らえ、逞しく暮らす彼らの身体性や身に纏う赤と黒を基調とした力強い色彩の布地などに惹きつけられ、津田は二度に渡りナガ族の土地を訪れることになります。その中で津田は、近代化の流れを受けキリスト教文化へと変容していったナガ族の生き方と出会ってゆきます。古くはモンゴロイドに属するナガ族は、我々のルーツと照らし合わせてみても、案外かけ離れた存在ではないのかもしれません。
本展は、津田がミャンマー北西部で撮影した写真で構成される新作写真集「NAGA」の出版に合わせて開催される展覧会です。
会場では写真集の先行販売に加え、オリジナルプリントの展示、会期中には作家によるトークショーも開催いたします。
前作[SAMELAND] につきましては、下記のリンクをご参照ください。
http://post-books.info/news/2014/1/9/exhibition-sameland
【展覧会】
会期 2015年2月3日(火)〜2月22日(日)
時間 12:00〜20:00
会場 POST
協力 Taka Ishii Gallery Photography / Film
TCK
【レセプション】
日時 2015年2月3日(火) 18:30〜20:30
会場 POST
【トークショー】
日時 2015年2月4日(水) 20:00〜21:30
【作家略歴】
津田直
1976 年神戸生まれ。ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている写真家。
2001 年より国内外で多数の展覧会を中心に活動。
主なシリーズに、『近づく』(2001-2004)、『漕』(2005-2009)、『SMOKE LINE』(2008)、『果てのレラ』(2009)、『Storm Last Night』(2010)、『REBORN』(2010-)、『Earth Rain House』(2012)がある。
また最近では、現代美術のフィールドを越えて他分野との共同制作や雑誌連載、講演会、特別授業を行うなど活動は多岐にわたる。
2010 年、芸術選奨新人賞(美術部門)受賞。主な作品集に『漕』(主水書房)、『SMOKE LINE』(赤々舎)、『Storm Last Night』(赤々舎)がある。
2014 年にフィールドワークから生まれた写真集第一弾『SAMELAND』(limArt)を上梓。
大阪芸術大学客員准教授、大阪経済大学客員教授。
http://tsudanao.com
【写真集概要】
[NAGA]
写真:津田直
テキスト:飯沢耕太郎、津田直
アートディレクション/デザイン:田中義久
発行:limArt
182mm x 220mm
144ページ フルカラー 65図版
日英バイリンガル
初版 1000部
ISBN:978-4-9907173-5-3
価格:3,000円+税:2/3(火)~2/22(日)POSTでの展覧会会期中の特別販売価格
3,200円+税:2/23(月)以降の通常価格
【略歴】
飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
写真評論家。きのこ文学研究家。1954年、宮城県生まれ。
1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。
主な著書に『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書 1996)、『デジグラフィ』(中央公論新社 2004)、『きのこ文学大全』(平凡社新書 2008)、『写真的思考』(河出ブックス 2009)、『深読み! 日本写真の超名作1 0 0』(パイインターナショナル 2012)、『きのこ文学ワンダーランド』(DU BOOKS 2013)、『写真集が時代をつくる!』(シーエムエス 2014) などがある。
田中義久(たなか・よしひさ)
1980年生まれ。2004年武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業、2008年独立。
美術館をはじめ、コマーシャルギャラリー等の展示V.I 計画や、アーティストの作品集の装丁、デザインを手がける。
作品集を手がけた作家は、川内倫子、Terri Weifenbach、DarenAlmond、ホンマタカシ、津田直、花代、Scheltens&Abbenes、SANNESANNES、herman de vries、Wim Crouwel、小山泰介、大沼茂一、丹羽良徳、山下麻衣+小林直人、平川紀道など。
2014年より武蔵野美術大学ギャラリーαM のアートディレクターに就任。
主な受賞に2013年JAGDA 賞、JAGDA 新人賞、BACON PRIZE 2013、2012年PromaxBDA DESIGN GLOBAL EXCELLENCE AWARDS / SILVER(アメリカ)、2010年red dot award(ドイツ)、2009年TDCPrize Nominee work がある。
また飯田竜太(彫刻家)とのアーティストユニット「Nerhol」としても活動中。
www.nerhol.com