この度POSTではチリのアーティスト、Fernando Casasempere(フェルナンド・カサセンペーレ)の展覧会を開催します。
カサセンペーレはスペインのバルセロナで彫刻を学んだのち、生まれ故郷であるチリのサンティアゴに戻り、チリや北米での展覧会を重ねながら国際的に活動の場を広げていきました。
1997年にはロンドンに制作の拠点を移し、現在まで活動を続けています。
カサセンペーレは粘土を成形し焼成するという、陶磁器制作における伝統的な原料や製造方法を用いながら、自然と生態学的問題へのコンセプチュアルなアプローチによる作品群を発表しています。
芸術と環境、彫刻作品が生み出される母体となる地球や文化との関係性を問う作品群は、ランドアートの流れを汲みつつ、ラテンアメリカやプレコロンビア期の芸術や建築などを文化的背景とした独創性の豊かな表現として評価されてきました。
この度の展覧会は1992年ハラ ミュージアム アークにて開催の「チリ現代美術展」に出展以来、作家にとって日本における25年ぶりの展覧会となります。
会場のひとつとなるPOSTでは、カサセンペーレによるアーティストブック「RELAVE」と合わせ、「Tectonic Plates」と呼ばれる陶器の塊同士が衝突する小作品や作品制作におけるテストピースを展示します。
本展は渋谷ヒカリエ内「8/ ART GALLERY/ TOMIO KOYAMA GALLERY」にて、3月10日(金)‒ 4月3日(月)に開催のフェルナンド・カサセンペーレ展「痕跡ー記憶」との同時開催となります。
【展覧会】
Fernando Casasempere
会期:2017年3月11日(土)‒ 4月2日(日)12:00 ‒ 20:00 月曜休(祝日の場合は通常営業)
会場:POST 150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
URL:www.post-books.info
オープニングレセプション:2017年3月11日(土) 18:00 ‒ 20:00
後援:チリ大使館 With the support of Embassy of Chile in Japan
【作家略歴】
Fernando Casasempere(フェルナンド・カサセンペーレ)
1958年生まれ、サンディアゴ(チリ)出身、現在はロンドン在住。
バルセロナで彫刻を学んだのち、1980年代から国際的に展覧会を開催。
最近の個展はサマセットハウスの中庭を一万本の陶器の花で埋めつくした「Out of Sync」(Somerset House / ロンドン、2012)、「Falla Ideologico」(Museo de Arte Contemporaneo / サンティアゴ、2012)「、Bricks and Mortar」New Art Center Roches Court、ソールズベリー、2011)など。2016年にはサンティアゴのチリ国立美術館で大規模な個展「Mi Andadura」を開催している。
彼の作品はビクトリア&アルバート博物館(ロンドン)Museu Nacional de Bellas Artes(サンティアゴ)などの美術館にコレクションされている。
http://www.fernandocasasempere.com
Name; RELAVE
Text Enrique Walker. Edited and designed by Malgosia Szemberg Edition of 500 Copies
© Fernando Casasempere
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【同時期開催】
フェルナンド・カサセンペーレ展「痕跡ー記憶」
会期:2017年3月10日(金)‒ 4月3日(月)11:00 ‒ 20:00 展覧会期中無休
会場:8/ ART GALLERY/ TOMIO KOYAMA GALLERY
150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
URL:http://www.hikarie8.com/artgallery/
オープニングレセプション:2017年3月10日(金)18:00 ‒ 20:00
フェルナンド・カサセンペーレ展「痕跡ー記憶」では、 作家自身が「骨」と呼ぶ小さな陶片の集合体や、様々な作品を削り出した後の欠片を一つの作品として再構成した作品などを展示致します。
カサセンペーレは、 ロンドンに活動拠点を置きながらも、故郷であるチリで採れた土を使用しています。
銅の輸出大国であるチリでは、採掘により多くの鉱山が荒廃。深刻な環境破壊を引き起こしており、採掘後の破棄された土を用いたこれらの作品は、独特の密度と重みを持つのです。
この貴重な機会に是非ご高覧下さい。
Shell Midden
2012
porcelain, stoneware and different mix
h. 40×w. 38×d. 34 cm
(with the plinth: h. 145 × w. 48 × d. 49 cm, the piece is glued to the plinth)
photo by Michael Harvey