「アメリカ人(The Americans)」('58)の発表以降、写真の世界を離れ、映像の世界へと突き進んでいたロバート・フランクの元を訪れ、共に写真集『私の手の詩(The Lines of My Hand)』('72)を制作し、フランクを再び写真の世界へとカムバックさせた編集者、故・元村和彦による出版社「邑元舎(ゆうげんしゃ)」の刊行物を一堂に揃えた特別内覧会を開催致します。
【特別内覧会】
会場:POST 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3-1F
T 03 3713.8670
会期:2016年7月19日(火) 〜 7月20日(水) 12:00 - 20:00
1971年に設立された邑元舎は、「アメリカ人(The Americans)」以前に撮られたフランクの初期作品を中心にまとめられた『私の手の詩(The Lines of My Hand)』('72)の刊行をもってその歩みを進めはじめ、その後、都内の溝(どぶ)川を撮影した森永純の写真集『河─累影』('78)、「花はパリ 1949-1951」「工場はデトロイト 1955」「マブウは待ち続ける 1976-1984」の3部構成でまとめられたロバート・フランクの写真集『花は...(Flower is ...)』('87)、そしてアメリカ・ワシントンの「ナショナルギャラリー」にフランク本人より寄贈された「アメリカ人(The Americans)」の81枚のコンタクトシートを原版に作られ、邑元舎最後の刊行物となった『The Americans, 81 Contact Sheets』('09)と、ロバート・フランクと共作した3冊を含む計4冊の写真集を世に残しました。またその全てのデザインを杉浦康平が手がけています。
今秋、twelvebooksによって邑元舎そして元村和彦が残した功績を紹介する展覧会開催に先立ち、2日間限定で行われることになった特別内覧会に是非お立ち寄り下さい。
企画・主催:twelvebooks
プロフィール
元村和彦
1933年佐賀県生まれ。高校卒業後、12年間税務署に勤務した後、東京綜合写真専門学校研究科に入学し石元泰博に師事。1971年~72年にかけて、ユージン・スミス「真実こそわが友」展を東京 / 大阪 / 松山で企画。1971年に「邑元舎」を設立し、ロバート・フランクとは「私の手の詩」('72)、「花は...」('87)、「The Americans, 81 Contact Sheets」('09)の3冊の写真集に加え、森永純「河─累影」('78)と生涯4冊の写真集を刊行した。2014年没。享年81歳。